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保育現場にみる経済格差と対策を考える1

活動してきてこの15年、全国津々浦々、公立私立問わず、色々な幼稚園•保育園•こども園に出会わせてもらってきました。

そこではっきりと目の当たりにしたことがあります。

それは経済的に余裕がある家庭が多い子どもの園の方が子どもも保育者も穏やかであるということ。

もちろん全てがそうというわけではありません。

「お金があってもなくても、明るく楽しく幸せよ」という価値観や「困った時はお互いに助け合うのが当たり前」といった価値観でコミュニティができている地域は、そうはなりにくいでしょう。

ですが、都心部はほぼそうではないかなというのが実感です。

また、私立で保育理念がしっかりしている保育園に比べて、公立の園の方が子どもたちも荒れている子が多い印象があります。

なぜか。

私立の園は自分たちの理念やコンセプトを明確に主張、説明します。
(それはとても大切なことです)

例えば「保育は保護者と園の協力が大切です。だから行事などはお家の人も一緒につくりましょうね!」と園長が熱く語ります。
すると、その思いや方針に共感、賛同する保護者たちが集まります。

ですが逆に言えば、
「家から近くて子どもをとにかく預かってくれればいい。」
「親としては園と煩わしい関わりはしたくない。」

そういうご家庭はそういう園には希望を出しません。こうして、子育ての意識や優先度が低い家庭ほど公立に集まりやすいという状況が生まれます。

そんな保育園で。

子どもたちは、満たされていない思いを爆発させます。
すると、先生も受け止めきれなくなり、注意が増えます。
すると、子どももさらにストレスが増します。

日々の保育はいっそう抑圧的になっていき、こどもも隙あらば爆発
という負のスパイラル。

こんな状況が各地で見られます。

でも、だからといって「こどもに寄り添う余裕のない家庭」を批判するわけではありません。

そういう家庭のお母さんやお父さんの中には、子どもに寄り添う余裕もないほどにカツカツでがんばっている人がたくさんいるからです。
寄り添えるものなら寄り添いたい。そんな余裕がほしい。でも余裕がない。
この余裕の質と余裕がない理由は様々です。

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こども環境デザイン研究所代表。絵本作家。(『たんけんハンドル』発売中)  子育て、保育、教育を軸に、毎週1本ずつコラムと日記をお届けします…

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