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グラム・ロックの魅力~T・レックス「20th Century Boy」

こんにちは。音楽と美味しいもの大好き、やんそんさんです。

まだまだ暑いですね~。
仕事と家の往復、そして雑事に追われる毎日の繰り返しと、この暑さ。
気分も体力も上がらず、テンションは下がり気味。

ここはロックでテンションUP!ということで、頭に浮かんだ曲は、
イギリスのロックバンド、T・レックスの「20th Century Boy」。
1973年全英シングルチャート3位のグラム・ロックの名曲です。
映画「20世紀少年」主題歌で、21世紀の少年少女にもおなじみの曲。

♫ガガガ~ン、ガガガ~ン、と破壊音のようなギターでスタート、
「アォォオ!」と、シャウトの後、低音がシビれるギターリフに、ハンドクラップ(手拍子)のバックビートが加わり、ワクワク感増し増しです。
ドラムとベース、コーラスが加わると、一気にパワフル&ゴージャス。
イントロだけで、もう気分は最高潮!
この曲は、いつ、どんなときでも、必ず、私をノリノリにしてくれます!

”友達が俺のことをとてもいいって、ロビンフッドのよう、って言っているよ
ベイビー、君の恋人にしてくれよ
俺は君に出会うために生まれてきたんだ
俺は君のおもちゃだ
君の20世紀の男なのさ”
・・・と、作詞・作曲・ボーカル・ギターのマーク・ボランが、
自信満々、強烈なアプローチで、彼女に愛を歌います。

T・レックスのフロントマン、マーク・ボランは、デヴィッド・ボウイとともに、グラム・ロックのアイコンとして君臨。1977年自動車事故により、29歳で永遠の20th Century Boyとなってしまいました。

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グラム・ロックの「グラム」とは”グラマラス(魅力的な、ワクワクさせる、性的な魅力のある)”が由来。
1970年代前半、政情不安定・経済成長が停滞したイギリスでムーブメントが起こります。退屈で不安な社会に反発するような、過激で奇抜な音楽・ファッションが若者たちの心をつかみ、世界中に広がりました。

厚底のロンドンブーツに、派手なメイク、毛皮にキラキラの中性的なファッション、ポップでノリノリの音楽に、派手で過剰なパフォーマンス。
ステージでエレキギターを弾きながら、セクシーに歌うボランやボウイは、
まさに「ロックスター」そのものでした。

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・・・と説明しつつも、グラム・ロックについての知識は、かなりうす~い私。今回、色々と調べていくうちに「これは・・・グラム・ロックと関係があったのか!」と、子どもの頃の記憶が蘇ります。

厚底ロンドンブーツをはじめとする、グラム・ロックのファッションを、私が初めて目にしたのは、小学生の頃に読んだ「少女まんが」だったと、気づいたのです。

小学生の頃、大好きだった少女まんが誌「りぼん」。
一条ゆかり先生の「デザイナー」、大矢ちき先生の「おじゃまさんリュリュ」に登場する男性は、とてもファッショナブルで、かっこよくて、憧れたものです。その中でも一際目立つファッションの登場人物たちがいました。

彼らの姿は、ロンドンブーツ、くるくる巻き毛のロングヘア、長ーい足にスキニーパンツやパンタロン・・・今思えば、あれはまさにグラム・ロックファッションだったんだ、と40数年経た今、気づきました。

当時のマンガ家の先生たちは新しいものに敏感で、おもしろい、ステキ、と思ったものをすぐに作品に反映していたようです。
アート・音楽・映画・ファッション等、小学生の私にマンガを通して、未知の世界を楽しく教授くれました。
今、こうして音楽や様々なカルチャーを楽しめる基礎をつくってくれたのは、幼き日に読んだマンガのおかげ・・・と感謝。

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次にグラム・ロックと遭遇したのは、お茶の間のテレビからでした。
それは、グラムロックそのものではなく、ファッションとパフォーマンス。

歌番組でジュリーこと沢田研二が、フル・メイクに奇抜なファッション、中性的でミステリアスな雰囲気で歌います。ジュリーはロックミュージシャン指向。専属のバンドを持ち、新しいもの・刺激的なものを、次々と自分のパフォーマンスに取り入れていたのです。
中学生の私には刺激が強すぎたのか、お化粧なんてしなくても、キラキラ・ギラギラしなくても、そのままでステキなのに、と引き気味でした。

大人になった今、YouTubeで昔の映像を見ると、ジュリーの輝くばかりのスターのオーラを更にあげていたのは、あのファッションとパフォーマンスだったのだ、と理解できるように。
時代のスターは、時代の空気をまとっているからこそ、魅力的なのです。

子供の頃、とうがらしやわさびが苦手だったのに、大人になるとそのスパイシーな味の美味しさがわかるように・・・味覚だけでなく、音楽もスパイシーなものや、クセの強いものもわかるようになるものだと、思うのでした。

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グラム・ロックは強烈な個性故か、1970年代中盤から衰退していき、デヴィッド・ボウイがグラム・ロックから離れ、1977年のマーク・ボランの死去で終焉を迎えます。その音楽性やファッションはパンク・ロック(セックス・ピストルズ、クラッシュ等)やニューロマンチック(カルチャー・クラブ、デュラン・デュラン等)に引き継がれていきました。

グラム・ロックの魅力。それは、圧倒的な「パワー」だと感じます。

当時はまだ珍しかった、電子楽器を使った音楽や、タブーを破壊する過激なファッションで新しさや未来を表現し、世間を挑発するパワー。
伝統や常識に縛られた世間への閉塞感、不景気で先行き不安な焦燥感を持ちつつも、まだ見ぬ未来への期待と憧れを抱いた若者たちのパワー。
もちろん、恋愛やグルーピーの女の子たちも、パワーの源だったことは言うまでもありません。

「20センチュリー・ボーイ」は、グラム・ロックの強烈な個性とパワーそのもの。そのパワーに魅せられ、多くのミュージシャンがカバー、映画やCMで使われたりと、次の世代へと引き継がれています。

そして、マーク・ボランが歌うオリジナルソングは、50年後の今も、世界中のどこかでリクエストされ、ノリノリのグルーヴとパワーを与え続けています。

知っているようで知らないことがたくさんあり、知ることで、新しい楽しみが増えるものです。
50をとうに超えた今、「20th Century Boy」聴きつつ、遅まきながら、グラム・ロックの魅力を知ったのでした。
そして思うことは・・・「私もキラキラ・ギラギラ・カッコよくなりたい!
TATTOOのひとつやふたつ入れてみようかしら」と、間違った方向に行きそうな「21世紀おばさん」やんそんさんでした。

🎸  🎸  🎸

最後までお付き合いいただきありがとうございました。
またお会いしましょう。




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