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「パパ育休の壁」
「私さぁ、亡くなったことになってるみたいだわ~」
ある日、職場から帰宅した妻がポツリとつぶやく。いきなり何を言い出すのだろうか。不安が募る。その意に反して妻がなぜか楽しそうに話し始める。
妻の職場同僚から聞いた話とのこと。
友達が子どもを連れて行くリトミック教室に幼い子ども二人を連れて毎回参加するパパがいる。どうやら幼い二人を残して早くにママが亡くなられたようで「パパはきっと大変だろう」と不憫に思われていたと。その話を聞いていくうちに我が家のことだと同僚は気づいたらしい。同僚は懇切丁寧に我が家の事情について、パパが育休中、ママは今一緒に働いていることやらを説明、その誤解を紐解いてくれたらしい。
日中は子育て支援センターをはじめ親子で参加できる場所に積極的に出かけるようにした。平日の昼間、そこに集う人たちは圧倒的に母親が多い。父親の私は好奇の目で見られていたのか当初は話しかけられることも稀だった。どこか私もうつむきがちで居心地の悪さがあったように思う。完全アウェイ。その輪に入っていくのは私にとってあまりに敷居が高かった。
今となってはたくさんのパパ友ママ友に支えられ助けられているが、改めて伝えておかなければ。
「うちのママ、生きています」
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