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co-meetingがSalesforceを選んだ理由と、今のSalesforceの面白さ

自分の会社(co-meeting)とSalesforce関連ビジネスの話もちゃんと書いておこう。最近noteに書き続けている日記とは毛色が異なる内容です。法人向けのSaaSに興味があれば是非ご覧ください。

自分がいま在席している株式会社co-meetingは、2011年3月14日に設立した、現在8期目の会社です。当初は会社名通りのコラボレーションツール「co-meeting」を提供していましたが、技術的な問題もあって今年1月末を持ってサービスを終了。現在はSalesforce関連のアプリの開発と提供、そしてSalesforceの関連開発を支援する「顧問Salesforceプログラマ」と、Salesforce関連のビジネスを生業としています。

1. Saleforceを選択した理由

co-meetingをオープンプラットフォームで提供していた中で、次の生きる場所としてSalesforceを選んだ背景については弊社のプレスリリースやインタビュー記事でもそれなりに触れています。

これらの記事でも触れていますが、弊社がSalesforceに参入した理由は下記の通りです(2014年10月時点)。

1. Webサービスの運用にインフラコストが発生しない
2. ユーザー管理や各種セキュリティ関連機能など、企業向けソフトウェアサービスを提供するために必要な機能が用意されている
3. スマートデバイス(スマートフォンやタブレット)対応が容易にできる
4. AngularJSやREST APIなど、弊社が持つWebサービス開発技術をそのまま利用できる

co-meetingはIaaS上にゼロから構築していたSaaSだったため、ユーザー管理やアクセス権限管理、セキュリティ面のフォローなど、法人向けに提供するすべて要素を自力で開発していたのですが、それだと弊社のような小さな組織では同時に一つのサービスを回すので精一杯になってしまう。

それがSalesforce上でサービスを開発した場合は、そうした大変な箇所をすべてSalesforceに任せられるため、自分たちは得意なことや好きなことに集中してサービスを提供できます。それが可能なプラットフォームは2014年当時だとSalesforceしかなかったのが最大の理由です。

いまでも、顧客単価が比較的高い価格設定で、人事システムなどのように高いセキュリティと細かい権限管理が求められるタイプのSaaSを提供するなら最初からSalesforceプラットフォームで実現するのがベストな選択だと思ってます。

2. プロダクト屋が「顧問Salesforceプログラマ」を提供している理由

創業以来、弊社はプロダクト(SaaS)の売上のみで食べていくことを目標にしていましたが、それだけでは簡単には食べてはいけないため、常にクライアントワークを並行して行ってきました。ただ、「顧問Salesforceプログラマ」とちゃんと命名して開発支援サービスを行うようになったのはここ最近のことです。

特に、弊社の同業ではなく、実際にシステムを利用しているユーザー企業に対してのクライアントワークを行うのは「顧問Salesforceプログラマ」が初めてです。

Salesforce向けのアプリのサポート時に頻繁に利用する機能として「アカウントログインアクセスの許可」があります。これはお客様の環境で何らかの問題があった際に、お客様自信の設定により私たちが代理でログインを行うための機能で、実際に起きている現象を確認・調査するために利用します。

Salesforce関連ビジネスに参入するまでの自分の感覚としては、この機能の利用に関してお客様の同意を得るのは結構大変なイメージがあったのですが、実際に携わってみると、同意して下さるお客様の方が多い。理由は同様のスタイルで3rdベンダーにサポートを受けることにお客様が慣れていることが大きいことが分かりました。

Salesforceの初期導入時には初期導入の支援をセールスフォース社が紹介してくれるインプリベンダーにお願いするのが普通なのですが、その際に皆さん自社の環境にアクセスするアカウントを別途用意し、そのアカウントを利用して初期設定なり開発なりを行います。初期開発が終わればベンダーとの契約が終わるケースもあれば、その後も継続してサポートをお願いすることもある。

また、Salesforce自体のサポートにおいてもアカウントログインアクセスは頻繁に利用するため、弊社自身もユーザーなのでそうですが、関係各社に一時的にアクセスしてもらってサポートを受けることに慣れているのです。もちろんそれぞれが利用規約なり個別の秘密保持契約等を締結することで、法的にもフォローはしているわけですが。

そうした慣習があり、しかしこれまで特に問題が起きたことも(知る限りでは)なく、業界内での信頼関係が構築されているのを見たり体感してきたなかで、「この環境下ならうちもエンドユーザー向けの開発支援ができるかな」と感じたことが、「顧問Salesforceプログラマ」を提供したきっかけです。

現在では常時3社から4社のお客様に契約していだいていて、お客様の社内環境の強化やお客様自身が提供するアプリ開発のお手伝いをしています。

3. Lightning Experienceの面白さとCM Components

アプリケーションパーツやコンポーネントを組み合わせて、業務に応じたアプリケーションをエンドユーザーが自由に構築するプラットフォームって考え方は、かなり昔からあった気がします。ただ、どの仕組みもプラットフォームが先行していて、なかなか理想通りに利用するユーザーが増えず、1つ1つの事例としては面白いのですが、方法論としては定着しませんでした。

今のSalesforceプラットフォームも同じ挑戦を正にしているわけですが、従来と決定的に異なるのが「多くのユーザーが利用することが見えている」ことです。

現在、Salesforceは古いUIから新しいUI(Lightning Experience)への移行を推し進めている真っ最中なのですが、いずれは必ずすべてのユーザーが新しいUIに移行することは間違いありません。現在のSalesforceの利用社数は全世界で。。。何社だ? 数十万社はいるはずで、その大半がセールスやカスタマーサクセス、マーケティングなどの実務で「本気」で使ってます。

そのすべてが新しいUIというかプラットフォームに移行してくる。なんと魅力的なことか。

弊社が昨年から取り組んできた「CM Components」は、今のSalesforceの画面を構成するパーツである「Lightning Component」を自社オリジナルで開発し、お客様各社が普段「実務」で利用している画面内に「ちょい足し」する事で何らかの効果を上げてもらう取り組みです。

今の弊社の主力アプリであるSalesforce専用のカレンダーアプリ「Calsket(カルスケット)」もSalesforceの機能を補完、拡張するものではあるのですが、基本的には単独の画面で動作するものです。

それがLightning Componentの場合は普段お客様が利用しているそれぞれの画面に融合させて利用することができるもので、まあだからこそ「ちょい足し」と呼んでいたりします。

これが従来のSalesforceアプリの開発と異なるところで、面白さですね。

独立したアプリを作るのではなく、既存の画面拡張して利便性を上げるパーツを私たちのような3rdベンダーが提供することができ、かつAppexchange(Salesforce関連アプリのマーケットプレイス)経由で有償で販売することができる。ありそうですが現実的は存在しなかった状況で、だからこそ面白い。

CM Compnentsは現在までに4本リリースし、あと2本はリリースすることを決めています。Lightning Componentが国内のAppExchangeに公開できない状況なので、その目処が立つまでは新規開発は中座しますが、時期をみてまた取り組みたいアプローチです。

4. 今後(近い未来)について

ということもあり、近い将来に向けての取り組みとしては、現行の主力製品であるCalsketの強化と、Calsketと同じような粒度の新サービスを開発していく予定です。

Salesforceによって構築されたシステムにはSalesforceの文脈みたいなものが宿るため、それを活かすアプリにもその文脈の考慮が必要になります。それを考えることも楽しみの1つなので、しっかりと考慮し、ちゃんと便利(雑な表現だ)なアプリを作ろうと、今テーマを絞り込んでいるところですね。

・・・

というわけで、「面白い」とか「楽しい」については多少個人的な見解も含まれていますが、弊社の現在はこんなところです。

最後に、エンジニアも鋭意募集中であることをお伝えして、締めたいと思います。

Photo by Andrew Neelon Unsplash

#ビジネス #仕事 #Salesforce #SaaS

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