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自分のために

 最近、お気に入りの花瓶を見つけた。

 花屋さんに、自分のためにお花を選びに行った。

 「この花瓶に合う花を探していて」

 予算を聞かれて、正直相場がわからなかったので決めてなくて…と曖昧な返事をしたけれど、店員さんはすごく気さくに丁寧に花を選んでくれた。

 急に訪れても、自分のためのお花でも、こんなに可愛いお花を選んでくれるんだ。

キャンドルやお香を炊いたり、花を生けたり、絵を描いたり。誰かに見せるわけでもなく、自分のためにやっている。詳しくなくても、上手ではなくても。

 自分のために、そんなことができたら、あっという間に過ぎ去る毎日が愛おしく感じられる。

 同じような日々を送っているように見えて、いつ何が起こるのかまったくわからない。明日は自分はここにいないかもしれない、明日、やりたかったことができなくなるかもしれない。

  自分を愛せなくても、自分が過ごす毎日を愛おしく大切に過ごせたら。

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