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vol.38 iPadが切り開く未来
はじめに
2010年1月27日、AppleはiPhoneとMacの間の市場 (ウェブの閲覧、電子メール、写真の鑑賞、ビデオや音楽の視聴、ゲーム、電子書籍の読書など) を切り開くタブレット端末「iPad」を発表しました。
その後、iPadシリーズは進化を続け、2024年5月7日にお披露目された新しいiPad (iPad Proシリーズ) ではMacより最先端の半導体が搭載されており、最早Macと遜色のないパフォーマンスとなっています。
そこで、高性能化が続くiPadのようなタブレット端末が今後どのように使われうるのかを整理してみたいと思います。
なお、この記事では製品の細かなスペック等には一切触れておりません。
タブレット端末の利用状況
株式会社MM総研は「タブレット端末の利用実態調査」(2024年2月) を実施し、その利用実態をまとめています。
この調査によれば、タブレット端末で利用している機能・サービスは以下のとおりとなります。
インターネット検索・情報収集
動画視聴
オンラインショッピング
メール・LINEなどの送受信
地図アプリ・ナビゲーション
これらは基本的にコンテンツを消費するもの (インプット) であり、何かを創り出すもの (アウトプット) ではありません。
インプットからアウトプットへ
先日のAppleのイベントを聞いたところ、「Versatile (多用途性)」という言葉を多用し、より創造的な活用 (アウトプット) へとシフトさせようとしていると感じました。
イベント動画の中には、以下のような使用局面例が出てきます。
音楽の作成・編集 (Logic Pro)
写真や動画の作成・編集 (Final Cut Pro)
グラフィックアートでのデザイン (Apple Pencil Pro)
iPadの高度なグラフィック性能と直感的なインターフェイスを利用して、iPadというタブレット端末を、今後「何かを創り出すデバイス (アウトプット)」市場に向かわせようとしていることが分かるかと思います。
iPadとMac
私は、過去のnote記事で、左脳と右脳について解説しました。
左脳は論理的思考、言語能力、計算力に関連し、物事を筋道立てて考え、客観的に分析する能力に優れています。この脳半球は、几帳面でデジタル情報を好む人々の特徴と密接に関連しており、主に言語や数的処理を担当しています。
一方、右脳はイメージ力、記憶力、想像力、そしてひらめきを司り、五感を通じた情報処理に優れています。感情表現が豊かで、感性が鋭い人々、特に芸術家や空間認知能力に長けた人々の特性は、右脳の機能と深く関連しています。
iPadの機能が高度化し、Macとの相違が縮まる中、私はそれぞれが以下のように分化していくのではないかと考えています。
iPadが適しているアウトプットの内容は、より右脳的な作業へシフト
Macが適しているアウトプットの内容は、より左脳的な作業へシフト
なお、私は独立当初iPadだけで仕事が完結するか試行錯誤を続けたのですが、今はiPhone (コミュニケーション)、iPad (インプット、例えば会計基準の読み込み)、Mac (アウトプット、例えば財務分析や文書作成) それぞれの目的・用途に応じて使い分ける形に落ち着いています。これは私の主なアウトプットが左脳的な作業であり、結果タブレットはコンテンツ消費デバイスになったものと考えています。
AIとの組み合わせによる新たな可能性
Appleは2024年6月に予定しているイベントで、新たなAI機能の導入をするものと見られています。
今回発表された一部のiPadに搭載された半導体は、このAI機能を見据えたものとの噂もあり、同イベントや新しいiPad OSのリリース後に、iPadとMacの関係がどう変わってくるかとても興味深いです。
一般的にAI (特に最近流行っている生成AI)は左脳的な作業との親和性が高いものと思われます。文書作成等、今の左脳的な作業の大部分をAIがこなすようになると、iPadがより身近なアウトプット端末に変わってくる未来がすぐそこまで来ているのかもしれません。
そうなった場合、右脳的な仕事が中心の方のみならず、左脳的な仕事を中心に行なっている方々も、仕事でのタブレット端末・ラップトップとの付き合い方が変わってくるものと思われます。
おわりに
映画「2001年宇宙の旅」を見ると、1960年代の映画であるにも関わらず、タブレット端末と思われるデバイスが登場するシーンがあります。
「2001年宇宙の旅」というSF映画で描かれた未来が、iPadを通じて現実のものとなっていることを改めて感じました。これからもテクノロジーの進化に注目し、変化を恐れるのではなく、変化を楽しむよう自分自身も学び続けていきたいと思います。
この記事が少しでもみなさまのお役に立てれば幸いです。ご意見や感想は、noteのコメント欄やX (@tadashiyano3) までお寄せください。
この記事に記載されている内容は、私の個人的な経験と見解に基づくものであり、過去に所属していた組織とは関係ございません。
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