大越アナ「今、速報が入りました。日本維新の会、衆議院では政治資金規正法改正案、賛成に回りましたけれども、今、岸田総理に対して問責決議案を参議院で提出する方向。これは岸田総理にとっては痛いんじゃないでしょうか?」
千々岩森生氏(政治部官邸キャップ)「そうですね、これもう明らかに誤算だと思いますね。この規制法の改正案、最初自民党すったもんだして、ようやく提出した。で、ようやく与党の公明党が乗ってくれた。そして、野党も、この維新が乗ってくれた。これ官邸には衆議院通過の時点では、安堵感もあった訳ですけれども、衆議院から参議院に移って、こうして維新が反対に回りそうだ、と。これは本当に誤算なんだと思います。」
大越アナ「まあ公明が賛成してくれるんで、法案そのものは成立するという見通しは変わらない?」
千々岩氏「そうですね。数という意味では見通しは立ってはいます。」
大越アナ「それにしてもダメージだと言うことですが、政権への支持率に話を戻したいと思います。とうとう20%を切りました。自民党内の危機感はどうでしょうか?」
千々岩氏「そうですね。当然の退陣論も上がってますね。自民党にとっては内閣支持率2割を切った、これよりも政権交代を望む声というのが、これしかも2ヶ月続けてなんですね、5割前後に達した。こっちの方が切実なんだと思いますね。これまでにない危機感というのが、じわり党内に漂い始めているようです。これまでは顔さえ変えれば、次の選挙勝てるでしょ。まあ、ある意味で自民党、タカを括っていた側面もある訳なんですが、もう顔を変えても勝てないんじゃないか?という、より深刻な危機感となっています。」
大越アナ「一方の岸田総理ですけども、例えば、これまでも派閥の解散・解消という、ある種トップダウンで電撃的な決断を見せてきましたよね。ここで国会も会期末になってきました。電撃的な衆議院の開き直り解散あるんでしょうか?」
千々岩氏「岸田総理、何するかわかんないぞという、この自民党の危機感というか警戒感ですね。これは確かにあるんですけども、解散について言えば、4月の下旬に3つの補欠選挙で自民党全敗した。あの時点で事実上消えたかなと見えてはいます。むしろ総理周辺を取材をしますと、解散しないまま9月の総裁選に臨んで、再選するというシナリオを模索してます。ただ、妙案はなさそうなんですけれども、ちょっと見てますと、この政権、20年前の森政権にちょっと似てきたようにも見えるんですね。あの時は小泉総理が自民党をぶっ壊すと立ち上がった。今回のポスト岸田レース、もう始まりますけれども、自民党への期待感を回復できる人。そして、派閥やしがらみを無視できる人というのが、最有力なんだろうと思います。果たして、今の自民党にいるだろうか?というところなんだと思います。」
大越アナ「私、今まで自民党が政権から転落した時も取材してるんですけども、その時と比べても、全体の危機感というか切迫感が薄いなという風に感じるんですよね。野党だって決して強くはないでしょと、それが一つの安心材料になってるのかもしれないですけれども、色んな調査を見てみても、明らかに国民の政治不信のマグマというのは高まってきてる訳じゃないですか。だから、今週で国会は終わりますけれども、やっぱりちゃんと有権者と膝を突き合わせて、本音を語り合うことをしないと、マグマの行き先はどこへ行くのか?我々がまだ見たことのない世界へ行ってしまうのかどうか?私はむしろそのことの方が心配です。」