ぞなもしカレー日誌#5 『年越しそばと人生についての2、3の事情』 〜地元のカレー中華〜
なぜか毎年、年末になると地元であるカリスマの街大阪に帰っている。
行きの新幹線とか帰省のお子らの奇声が飛び交っていて、ちょっと疲れる。指定席でこんな状態なのだから、自由席はどれほどの地獄なのであろうか。私がお釈迦様なら戯れに蜘蛛の糸を垂らしてみたいものだ。にょほほ。と思っていた。
新大阪についた頃には、腰はバキバキであった。
で、31日になると、地元の友人たちと飲みに行くのが恒例である。ここ2年ほどは「ガキの使い」をついつい見てしまい、遅刻していたが、今回は発奮して、ちゃんと約束の時間にいつもの店に向かった。
飲み会ではいつも通りだらだらと会話した。
子供がまた生まれたやら、子供かわいいやら、子供がyoutuberに憧れているやら、離婚したやら。10年近くそこで忘年会とも言えない飲み会をしていると、会話の内容もずいぶん変わった。昔は、付き合った付き合わないとかの話だった気もする。あるいはもっとバカバカしい話か。
いまだに昔と変わらない友人もいたが、羨ましいとは思わなかった。谷沢に対する安西先生の気持ちのほうが強かった。
そのままその店で年越しを迎えて、近所の神社や寺へ初詣をハシゴするのも恒例行事である。だが最近はみんな寒さに弱くなりすぎて、寺に行くだけで終わり、その流れのまま、いつも行く蕎麦屋に入る。ちなみに飲み会の店の下の階にその店はある。行動範囲がやたら狭い。
店はなんというか、ごく普通の、個人でやっているような店である。唯一ある座敷に通されるのも毎年のことである。たぶん店の人も我々のことに、気づいているはずだが、特に何か挨拶があるわけではない。我々は昔と変わらずそこらへんのチンピラというテイを守っている。そこに成長はない。
普通なら蕎麦などを頼むのだろうが、そこで蕎麦は食べないのが私である。中華そばとかを頼む。ただ今年はふと去年から始めたカレー食のことが脳裏にあり、カレー中華を頼んだ。カレー南蛮ですらない。南蛮にたどり着けず中華大陸に着地した感じである。
お味の方はなかなか美味かった。カレーかと言えばそうではないし、中華そばかと言われれば、そうでもないが、うまかった。うますぎて、食べながら途中で寝た。うますぎて、お会計したかも覚えていない。酒やら眠気やらで、記憶が曖昧である。でも本当に美味しかった。
その店を出て、カラオケ行ったり、解散したりするかはまちまちだが、今年は解散した。帰る方向が同じである友人たちと東京よりちょっと薄暗い街をよろよろ歩き、途中のコンビニに立ち寄った。
これまた毎年恒例のコンビニで私がアイスをおごるという行事があり、自然と一同の足をそこへ導いたのである。
最近はアイスクリームも高いので、以前4000円位になって、ちょっと驚いた。
とはいえ、寒さに弱くなった我々が律儀にアイスクリームを買うことも少ない。なんでもコンビニのカゴに入れてくる。ウコンとかそういう肝臓に良い系のヤツとか。
私も「まあええでっしゃろ」と剛毅なところを見せて、カゴに入れさせているが、今回はDVD付きのエロ本を入れてきたので、さすがに「そんなもんいらん!」と本棚に返させたが……。
会計の時に金額が思ったより高かったので、おやっと商品を見ると、まだ入っていた。どうやら2冊入れていたらしい。死角にあったらしい。
エロ本なんて10年近く買っていないのではないか。2019年、私はエロ本を買ってスタートした。西暦だけ見ると、完全に未来世紀なのに。しかもクッソつまらなそうなエロ本である。
このエロ本は何かの吉兆なのか、凶兆なのか。あるいは所詮エロ本なのか。今年のラッキーアイテムがエロ本だったらいいな、とは思う。まだ、今年の運勢は調べていないので、ワンチャンあるのではないか。ananの占い特集号を買わなければいいけない。そんな気がする。
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