SNSでマルシェの集客力を向上させるPRマーケターに聞く! 長久手を盛り上げるテラスのマルシェは、なぜ生まれたのか?
かつては引きこもりだったという早川さん。コミュニケーションの大切さに気付き、イベント運営の楽しさ、重要性に気づいた現在は、マルシェの運営に携わっています。広告制作業の経験もあり、SNSや人脈を駆使し、集客力には誰にも負けない。そんな実力派の早川さんが6ヶ月間の講座終了後も継続して受講を続ける「DXマーケター養成講座」の魅力について語ってくれました。
―早川さんが運営しているマルシェの特徴を教えていただけますか。
長久手(愛知県)に住んでいるファミリー層が寄り道できて、皆が楽しめるマルシェを目指しています。お子様が楽しんでいるなかで、父親母親もこっそり楽しめるイメージですね。名古屋や県外の有名やお店、普段マルシェに出ないような店にも出店してもらっています。プラスアルファで地元のお店を知るきっかけにもなってもらいたいですね。マルシェは“地域のお祭り”なので、地域の人に喜んでもらうことを最優先に考えています。そのため、地域性も加味して、お店や雰囲気作りを意識しています。
長久手には品が良いもの、センスがあるものを欲している人たちが集まっています。そんな長久手に住んでいて、一軒家を買えるほどの世帯年収がある30~40代のファミリー層が、子どもを預けてまで名古屋の人気店に行く時間の余裕はありません。ならば出展者側から長久手に集まってもらおうと考えました。出展者は私の人脈が中心になっていますが、最近はSNSでメッセージを送って誘致することもあります。
マルシェの魅力は、出店している人のこだわりが感じられるところです。“一癖”あったりすると面白いですね。出店者のラインナップによってマルシェの雰囲気が大きく変わるのも魅力のひとつと言えます。
―今ではマルシェを運営されていますが、もともとは引きこもりだったと伺いました。ここまでに変わることができたきっかけをお聞かせいただけますか。
年齢を重ねるにつれて、段階的に焦りを感じるようになりました。13~20歳の7年程が引きこもりの期間だったのですが、時間だけが過ぎていく感覚。20歳で焦りがピークに達したとき何かを変えないと、という気持ちで大検を取りました。何をすればよいか分からなかったので、普通の人と同じ道をたどろうと考えた結果です。
大学に行ったものの、ただ時間が過ぎていく感覚は変わりませんでした。何か行動を起こそうと、飲み会に参加したり、サークル活動を行ったりした結果、お祭りやイベントが好きだということに気づきます。もともとハンドメイドとかクラフト系にも興味があったため、そのときからマルシェに興味を持っていました。
―世の中には引きこもりから前に進めない人もいるなかで、行動するきっかけを見つけることは大変だと思います。
年齢の部分は大きかったです。引きこもりで世間の情報は入ってきませんが、同年齢の情報は分かります。同年齢の人が高校や大学に進学するなか、自分は何もしていない。他の人が当たり前に成長していくなかで、自分にはベースができていないのに年齢だけ重ねていきます。10年後もこのままでいられるわけがないと不安が大きくなりました。そこで、分かりやすいところで進学という道を決断しました。
行動の原動力は何かと思い返してみると、コミュニケーションを求めていたのかもしれません。引きこもっていたものの、コミュニケーション無しでは人生やっていけるビジョンはありませんでした。スキルがあってもコミュニケーションがないと、自分の技術や思いを正しく届けられないと考えています。親が歯医者を経営していて、地域で愛されている歯医者であることから、子どものときからコミュニケーションの大切さを見て感じていました。技術があってもコミュニケーションが取れないと、成功できる可能性は低いのだろうなと。ある程度、人とうまくやることは大切だと理解していました。
実は引きこもっているとき、人と話をするため名古屋駅で老若男女に声をかけていた時期が1ヵ月くらいありました。人間関係や心理学などの本を読んでも変わらないと考えたので、どうせやるならそのくらいアクセルを踏まないといけないと、という感覚でしたね。
―やるときはガツンと行動を起こす性格なのですね。大学でイベント好きと感じたといいますが、通常は参加するだけで終わってしまいます。そこを運営側にまわった理由はありますか。
イベントを運営するサークルに入ってしまったからですね。そのままの流れで運営側にいたら、肌に合ったと感じたので、今に至ります。新入生歓迎会とかゼミ合宿で幹事をやることが得意とまでは考えていませんでしたが、楽しいなと感じていました。特に終わった後の打ち上げが達成感と楽しさを感じる瞬間です。舞台袖で演者を眺めているのが好きなタイプですね。
―運営側が肌に合っていると感じ、現在のようなマルシェを運営するに至った経緯を教えてください。
もう一人の主催に誘われたのがきっかけです。もともと主催の人はリニモテラスでカフェを経営しており、私は常連で仲のいい関係でした。長久手市が10年かけて建てた施設をまだまだ活用できる、みんなで盛り上げて長久手市を知ってもらいたいという考えで主催が話を持ち掛けてくれたのです。私は7,000人ほどフォロワーがいるカフェ巡りのインスタを運用し、SNSが得意で、飲食店との繋がりもあったので、誘ってもらえたのだと思います。
―誘ってもらった当時のお仕事は?
当時はPR業界で、コピーライティングを担当していました。その仕事に就いては、学生時代の経験が大きいです。イベントを企画する側だったので、イベント共同開催の声をもらったりして、知り合いは多かったですね。いわば集客のできる学生でした。しかし、集客しかできず、デザインなど他ができない自分が嫌でした。ならば誰よりも集客できる学生になろうと、広告の本を読んでいたのです。時には社長さんも来るような集客のセミナーに参加したこともあります。
その経験から就活のときに、自分のやりたいことが見つからなかったため、自分が知見を持っていた広告の業界に進みました。結局、副業でいろいろなところに顔を出していると、誘っていただける機会が増えて、本業は時間が取れず一瞬で辞めてしまいました。
―引きこもりだった青年が集客力では誰にも負けないまでに成長するのは、本当に実力がありますよね。実は講師の久保田さんも早川さんは受講する必要がないくらい力があると言っていますよ。
「DXマーケター養成講座」と出会ったのは、マルシェに誘ってもらったときと同じ時期です。本業でもっと人の役に立ちたい、上流を知って仕事の全体像を知りたいという気持ちで受講しました。タイミングが同じだったので、講座ではマルシェをテーマに学びを始めています。
受講を継続している理由は、Webの世界は動きが早いので、Webの分野に特化している人からインプットを定期的に受けたいからです。講座を受け始めると、久保田さんの人柄が素敵で、知識も豊富なので他に行く選択肢がありませんでした。
久保田さんは講座中から、目の前の課題に対する意見や考え方、アプトプットの仕方を教えてくれます。講座として用意されている動画はもちろん有益なのですが、この久保田さんの“寄り添う姿勢”に価値を感じています。社名の通り、本当に伴走している印象があります。
講座中は毎週のようにSNSのデータ分析やペルソナ設定、マルシェのビジネスモデルを考えていました。マルシェは主催からすると、来場者も出展者もお客様となるため、届けるメッセージが異なります。その発想は久保田さんと話すまでは気付けませんでした。エンドユーザー向けの投稿と言いつつも、本当は出展者に届けたいメッセージであることなど、一週間ごとにPDCAをまわせました。
Web解析は通常、個人などの規模間でなく、企業相手に行うものなので資料も作り込んだものになっています。それを私のようなフリーランスまで落とし込むので、どこまで細かくやるべきなのかを学ぶことができているのは大きな魅力です。これは本当にありがたく感じ、継続をしています。
久保田さんと話している課題で、分析結果に対してアクションを取ると結果が出ている実感もあります。フォロワーの伸びやコメント、保存数が増えているのは目に見える効果です。この前はマルシェを行うにあたり、初めて出展者の公募を実施しました。15枠に90名ほど募集があったことから、SNS運用が間違っていないなと感じました。
課題の解決方法も魅力があります。久保田さんの言う事すべてを取り入れるのではなく、久保田さんがマーケティング周りの話をしてくれて、自分自身の考えとすり合わせながら進めている感覚です。久保田さんが自分の知識や経験を活かしてくれる、調理してくれるような感覚ですね。
―今後の早川さんの活動のビジョンをお聞かせいただけますか。
マルシェに関しては、地元の人から融資や協賛を得られる事業にしたいです。もっと洗練させたいですね。雨天時の対応の充実や、地域の学生などのブースを作るのも目標です。共感で終わらせないで、募集もしていかないと、と考えています。
個人としてはマルシェを盛り上げたいことに加えて、コピーライターとしても講座を作りたいと考えています。それによって地域を盛り上げられるような企業を増やしたいですね。どうしても身近なものに対して愛着が湧くので、地域に目がいってしまいます。もちろんその先も見据えています。実は他に、チャイの事業も展開していて、オリジナルの商品を販売できるように進めています。
久保田さんからも、もっとWebマーケティングの深いところを学びたいです。寝ながらでもWebマーケティングできるくらい軽くできるといいですね。良いものを作るだけでなく、その先まで考えることが大切です。それも含めて、代わりの利かない唯一無二のものを作り上げたいと考えています。
PRマーケター コピーライター
早川 哲平(はやかわ てっぺい)
1986年、愛知生まれ。大学卒業後、プロモーション会社、広告制作会社、広告代理店などで営業やコピーライターなどを経験。学生時代からイベントを企画し毎回30人程度の集客ができていたので、集客が得意なんだと勘違い。そちらの方面を志す。
マーケティングと人間心理に基づくセールスコピーライティングを習得し起業。その後、「 おもしろいものが世に知られたらいいのに」と思いPRについても本格的に開始。ロジックと感情のバランスがとれた文章とリサーチが得意。牛乳屋さんの通販サイト立ち上げやコンサルタントの年収を110%増するなど、業績アップを支援してきた。
現在も中小企業や個人起業家の「売れた!」をつくるため活動中。また、好きが高じて自分でも紅茶のECと町おこしのマルシェの企画運営もしている。
マルシェ事業:
テラスのマルシェ https://www.instagram.com/terrace.no.marche/
チャイ事業:
出張チャイ屋Aoiro https://www.instagram.com/aoiro_chai/
プロ・インタビューアー
伊藤秋廣(いとうあきひろ)
株式会社エーアイプロダクション