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No.5:京都のことを知りたい人。観光地以外のあれこれ。ガイドに載らない地元民の生活文化。おもばな満載!

まず、No.1と目次を見てください。

●餃子の王将のこぼれ話

  

(常連だった一号店、今は20メートルぐらい上に移った)

王将一号店ができたとき、俺は学生でとにかく、餃子とから揚げが食べたくて、週に5回は行っていた。

餃子は一人前80円で、から揚げは・・・確か、150円ぐらいやったと思う。で、当時は宣伝で、あちこちでタダ券を配っていて、それを学校で集めて食べに行ったり、「10人前を30分で食べたらタダになる」なんていうのもあったな~。

よく挑戦したが、ぎりぎりでいつもアウトだった記憶がある。(笑い)

そして、当時はラーメンや麺類、チャーハン以外のご飯類もなかった。東京の王将に入ったときに、あれこれあるのでびっくりしたが、味はまだいまいちだった記憶がある。今は、まあ、いいか。

王将では、注文を通すとき「リャンガーコーテー」とか「ソーハンイー」なんて言っているのを聞いたことない?

当時、王将に勤めてた友達から聞いた話だが、あれは、王将オリジナルの中国語で、中国をイメージさせて、まるで中国で食べてるような雰囲気を出すための販売戦略らしい。

お客に聞こえるように大きい声で言うように指導されていた。
俺もいくつか覚えた。

コーテル=餃子、ソーハン=チャーハン、ソーメン=焼きそば、エンザーキ=鳥のから揚げ、カッパ=きゅうりのキムチ=オイキムチ、ソーパイサイ=野菜炒め、ヤナギ=ラーメン(京都ではなかったが)、ムーシーロー=肉と玉子炒め、パイハン=白米、ポパイ=ホウレンソウ炒め、バリ=かた焼きそば、テンハン=天津飯 ナンホ=持ち帰り など

イー=1、リャン=2、サン=3・・・、ガー=個、
麻雀する人ならおなじみでしょ。

例:「コーテルイーガ、ナンホ、エンザーキリャン」=餃子1人前お土産、とから揚げを2人前」といった意味。

学生の頃、京都の店では客も当たり前のように、これで注文していた。地方店では言えないね~さすがに浮いちゃう(笑い)・・・

これは、ダーティーな話だがつい何年か前に、王将の社長が殺されたよね。その社長は記憶によると、その一号店の店長さんだったと思う。

間違いない!ニュースを見てびっくりした。「あの時の・・・」 まだ、犯人は捕まんないようだね。

ちなみに、餃子の王将も知っての通り、京都の四条大宮が一号店で、開業からめちゃめちゃ人気があって、あっという間に、京都中にお店ができたが、もう一つ、三条大橋のたもとに、薄皮でニンニクぶりブリの「眠眠の餃子」というのがあった。今はその店はないが、ここはここで、小ぶりでうまく、王将と食べ分けしていた。

●やんちゃ坊主の就職先

・王将と佐川急便

王将っていうと、もう一つ話題がある。それは、学歴のないやつ、ろくに勉強もしなかった「やんちゃ坊主」や、とにかく稼ぎたい男子のダントツの就職先だった。

もう一つ、「佐川急便」も京都が本社で、両社とも、完璧なブラック企業だったが、ほとんど落ちることなく入社でき、とりあえず、会社だから、ちゃんと補償もあるし、当時で50万!稼げる特別な会社で、俺の友達も大勢入って、体が続く限り働いては、ある程度金が貯まったらやめていったやつが結構いる。

(祇園佐川急便。しゃれている)

今では考えられないが、つい最近まで、王将では調理人一人がフライパンを2つ並べて、違う料理を同時に作るといった、離れ業で注文をこなしていたんだ。知ってる? とにかく、すごくハードだ。

佐川も似たようなもんで、確か過労死する輩が何人も出て問題になったよね。・・・・でも、稼げた!いまは、どちらも一流企業だ(トホホ)

・京都中央卸売市場

市場は学歴や素養で落ちることはなく、よほどの悪でない限り、入れた。

下京区から下の地域で、ろくに学校行ってない輩はまず、市場に行ったね。俺の同級生らもぎょうさん(たくさん)行った。

ただし、俗に根性がないと朝早く結構労働なので長続きしない。  

(中央市場の中。同級生も多く、幹部になったのもいる)

場所は、東は山陰本線、南北は七条通りと五条通に挟まれて、西は七本松通に囲まれたところにある。南のやんちゃ坊主が多いのは、比較的近いというのも理由だ。

前半のあとがき

・問題の答え

問題:『「はよ、どぐされ!」「いつまで、どぐさっとんじゃ~」ってわかる。』

答えは、「早く寝ろ!」「いつまで寝ているんだ」という意味。

難しいでしょ。かなり悪い京都弁(河内弁にもある)

「どうやった「へ~そうなんだ」って思てくれはった?」

なかなか、京都っておもろいでしょ? 【後編】は、ほぼ庶民の京都弁で書いたので【前編】よりさらに、リアルでおもろいと思います。よろしゅうお願いします。

そや、俺ね、ほかにもいろいろ本出したり、WEBサイト作ったりしてるから、よかったら、ちょっとだけ見たって!「後編」の後の巻末にあります。

※なお、一部被差別地域などの情報も掲載しましたが、あくまで史実や経験に基づくものであって、なんら他意のないことを申し添えます。友人もたくさんいます。

※本分の内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。

(長屋。こういう小道を「路地=ろうじ」といいます)

ここから【後編】 はじめに

おいでやす!見ていただいて、おおきに。前編はどうでした?

前編は、比較的「京都」の誤解を解くための内容がメインでしたけど、下巻は、超庶民文化を、生まれも育ちも南区西九条東寺のやんちゃ坊主、私「Yanjii」がほぼ「庶民の京都弁」で紹介します。

上巻よりリアル感があって、気楽に読んでもらえると思います。

できるだけガイドやネットには出てへんような、おもろい文化を載せてるので、楽しんでください。ちょっとヤバい情報も入れてます。

(東寺道近鉄ガード下にあるホルモン焼き「はやし東寺店」50年の歴史 うま~い!

こぼれ話:鉄板に注目!ここらの在日が使う鉄板はジンギスカン用の鉄板に近いものを使う(銅製)同じものは売ってない?俺もよう行ったな~。懐かしい)

●庶民のソウルフード

・お好み焼きとたこ焼き

京都人にとって、お好み焼きとたこ焼きは主食そのものや。が、朝昼晩と食べるわけではない。主に昼食。

そやけど、大阪のように家で作るというより、近所や評判のお店へ週に5回ぐらいは食べに行った。

今ふっと思たけど、大阪は京都よりよう食べるかも・・・
町内会に2軒ぐらいあり、歩いて行けるとこにあった。

学校帰りやおなかがすくと、手軽なたこ焼きをメインによう食べたな~。土曜や休みの日には待ってましたとばかりに、お好み焼きをよう食べにいった。

(今はなき近所のお好み。べた焼きともいう。写真にある「てこ」で食べる。うまいで~)

当時は、たこ焼き屋とお好み焼き屋があって、どっちもやっている店より専門店が多て、夏はかき氷も定番で登場した。

いまは、採算が合わんのか、たこ焼き専門店は、無くなった気がする?「スーパー」ぐらいでしか見いひんね~。

京都では、店で食べるのを「お好み」で「焼き」までは言わへんね。家で食べるのは、ソバなしで、残り物(もん)を入れて食べる「べた焼き」というた気がする。そやけど、もともとは、お好みも含め「べた焼き」と言うてた。店もいろいろやなあ。

実は京都のお好みにも、地域差がある。

南の俺らの地域(西九条=サイク)は、生地を引いて、カツオの削り節を振って、キャベツを乗せて、天かす(揚げ玉)乗せて、紅ショウガを振って、その上に具(イカ・肉・ちくわなど)を乗せて、一番上にソバで、下が焼けたらひっくり返して待つ。というタイプ。⇒これが、もともとの「べた焼き」。  ほんで、卵は中に溶いて入れるか、単に、鉄板に卵をポンと割って、少し崩して本体を覆いかぶせる、というやり方が主流で、卵を入れへんときは、ソバが一番上になって、香ばしさを楽しめるという、具合や。  

追記:調べたら最近は、広島風みたいに薄焼き卵でカバーするとことか、九条ネギを山ほど上に乗せるとこもあるようや。バランスがある思うけど

ほんで、それを原則として、お箸と違ごて「小さいてこ=もんじゃほどミニではない=前の写真」で食べる。たいがい、慣れんとやけどする。

生玉子を真ん中に乗せると、トンク(東九条)では「まんぼ」ちゅうらしい? 聞いたことあるような無いような、実家の近くにはなかったなあ~

食いに行ってたとこにも当時はなかった気がする。特筆すべきは、トンクには「油かす」と言って独特の甘さがある具材があった。

焼きそばに入れる、スーパーで売ってるものとは、ちょっとちごうて、もつ煮に使う、ホルモンの「しま腸」のような、やわらかい油の塊かなあ。これがほんまうまかった。  

(油かす入りお好み。何とも言えんうまさやねん、食べた~い)

京都市内には、油かす入りのお好みは何店かあるようやけど、知ってる限りでは、この地域のお好みは、他とはちょっと違うように思うなあ。旨いと思うかどうかは、好みやけど・・・実家周辺にはなかった。

最近は、ネットとか見てたら、油かすがある店が増えてるみたいやし、あれこれ行ってみて、自分の好みを探すのもよさそうや。俺は油かす入りが食べたいときは、わざわざ河原町九条下がったとこのオバチャン一人でやったはる「本多」ちゅうとこへよう行った。店は古いし、クーラーもないけど、めっちゃうまい!超下町風や。今もあるよ。

あと、以前は自分で焼いたけど、最近は店が焼いてくれて、ソースだけ自分でヌッて食べるパターンが多い。

ほんで、さらに、面白ろいのは、お好みを食べに行くときは、家から卵を持参して持っていくね。もちろん、店にもあるけど、なんでか玉子だけ持参するね。今思うと、子供の小さい手に卵が握られて、何人かで歩いている光景は摩訶不思議や。(笑い)

(懐かしの地元のツバメソース)

そうそう、言い忘れてたけど、ソースは今でも「ツバメソース」ちゅうて、九条の地元で製造されてる、これまたうまい!ソースや。

いまは、京都でも地元のスーパーか食品店でしか売ってへんらしい。なんでかてか? 後から入ってきた、広島のオタフクに負けたんや!・・・あれはうまい!びっくりや 完敗です!トホホ・・・

辛いのが好きな輩には「どろ」「オリ」ちゅうて、ソースの瓶の底にたまった、コショウが濃う残った激辛ソースや。これもうまい!

最近は激辛ブームで、コショウというより「ハバネロとか唐辛子」を混ぜたオリバーの「どろソース」とか「ペヤングの激辛」がスーパーにあるよね。ネット通販やと、もっといろんなソースが出てる。

・上品な地域のお好みは、特別語ることもなく、具や卵を中に混ぜ込む大阪風が主流でいまでも老舗の「ぼてぢゅう」ちゅう有名店がある。

ここはここでおいしい。昭和51年(1976年)からやってる。

今はトンクにあった超下町お好みと混在して、うまい店が増えてる。

当時のたこ焼き屋は今はないなあ。(寂しい)ちなみに焼きソバ専門は、堀川五条の角に「大とら」いうて、一味うまい店があった、今もある!・・・よう行った。

余談やけど、お好みとかたこ焼き、焼きそばちゅうたら、庶民のソウルフード、ファストフードやけど、値段が高い!びっくりや。

原価はめっちゃ安いよ~そやかて、一般の家ですぐできる商売やもん!  粉もんはボロいな~~

  ・京都の冷麺 に続く No.6へ

  


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