チームのスキルを可視化しようとして、スキルマップをチャートにしてみた
Feedforce で PdM 兼デジタルプロダクトデザイナーをやってます Yang です!
自分が所属するプロダクト開発チームでは、ここ1年間でメンバーの入れ替わりや採用活動の機会が複数回あり、改めてチームの現状を理解する必要がありました。
その参考資料として、スキルマップを作成し、更に視覚的にわかりやすくするために、スキルマップをチャート化してみました。
この記事では、弊チームで運用しているスキルマップについて簡単にまとめます。
そもそもスキルマップとは?
チームが共通の目標に取り組む際、目標達成に必要なスキルがチーム内に揃っているかを把握することは重要です。スキルは可視化しにくく人によって評価が異なることもあります。
そのため、チームのスキルマップを作成することで、チームのスキルを可視化しチームメンバー間での共通理解を促進することができます。
スキルマップは、効率的なコミュニケーションを支援するツールとして役立ちます。
ちなみに、スキルマップについては Ryuzee さんの「スキルマップのすすめ」の記事がとても参考になりました。ありがとうございました!
また、Feedforce の過去の技術ブログに、当時の CTO がスキルマップ導入について書いた記事がありました。こちらも共有しておきます。
やったこと
スキルマップの項目を決める
プロダクトの開発や運用で必要なスキルをスキルマップの項目にします。 環境によって求められるスキルは異なるため、チームで会話しながら自分達の考えでスキルを決めてください。
弊チームでは「職域ごと + その他」で大きくカテゴリを分け、その中でそれぞれ3~5つ程度のスキルを上げました。
一例として、弊チームが今挙げている項目は以下の通りです(各職域を領域の近い順に並べておくと、チャート化したときに少しチャートに繋がりが見出せるためオススメです)。
インフラ
AWS, Terraform, k8s/Container, インフラテスト, Datadog
バックエンド
Ruby, Rails, SQL/PostgreSQL, RSpec
フロントエンド
TypeScript, React/Redux, フロントエンドテスト, CSS/Styled-components
デザイン
UI 設計, UX 設計, Figma
その他
CI, Linux, 事業知識, アジャイル/スクラム, 要件定義, 障害対応
スキルの度合いを数値で記入する
各人のスキルの度合いを表現する値を数値で記入します。
数値の基準は以下の内容で定義しております。
0: できない
1: 今後習得したい
2: 助けがあればできる
3: 一人でできる
4: 得意
5: エース
上記の基準では「今後習得したい」という意思レベルの段階が「1」として実数値的にカウントされてしまいますが、一旦弊チームでは「チャンスがあればチャレンジする意思がある」と解釈して記録しています。
スキルマップをチャート化する
数値化したスキルマップを元にチャートを作成します。
各スキルの項目とメンバーを軸にチャートを生成するだけなので、特に難しい作業はありません。
ただし、チャートの種類で表現できる情報が異なるため、意図を持ったチャート選びが必要です。
弊チームでは以下の2つのチャートを用意しました。
レーダーチャート
レーダーチャートは、プロダクトを開発・運用するために必要なスキルセットがチームにあるかどうか、各スキルのカバー範囲を表します。
凹みが大きいほど、そのスキルを自信を持って担当できるメンバーがチームにいない状態であるため、メンバーがスキルアップするか、または外部からの採用を検討する必要があります。
スタックチャート
スタックチャートでは、各スキルごとにチームが持っているリソース量を厚みで表します。
厚みがあるほど、そのスキルを担当できるリソースが豊富で、薄いほど属人的になっている可能性が高いと判断できます。
チャート化の効果と活用方法
スキルマップをチャート化することで、チームが持つスキルと必要なスキルを視覚的に把握しやすくなりました。
この視覚化を活用し、エンジニア以外の人たちにチームの状況を理解してもらうための資料としても利用しています。具体的には、役員とのエンジニア採用予算交渉時の説明の際や、人事チームとの採用要件のすり合わせの際など、説得や共通認識形成が必要な場面で役立てています。
数値や言葉だけでは伝わりづらいスキルの状況や、チームが期待する変化を視覚化できたため、人事チームからはチームの状況と採用に求める期待値が把握しやすかったと評価していただけました。
まとめ
スキルマップのチャート化はほんのちょっとした工夫でしかなかったのですが、想定以上に認識合わせに役立ちました。
採用に関する話題以外にも、新しくチームに加わった人と期待値を調整するために、キャリア支援のきっかけを作ったり、ゲームのキャラクターのステータスのようにチームの成長をイメージしてワクワクしながら議論することもできます。
ぜひ、皆さんのチームでも試してみてください!