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私たちはマイノリティか、マジョリティか -Part1-

ロートこどもみらい財団でイベントをしました

ロートこどもみらい財団様のご支援で、2022年10月1日、かるたイベントを開催しました。当日、財団は設立1周年を迎えたそうです。そんな特別な日に、メロー(財団に登録している子どもたち)と交流させていただき、本当に嬉しく、今更ですが、責任重大だったことに恐ろしくなりました。

ロートこどもみらい財団 代表の荒木さん

誰もがマイノリティにもマジョリティにもなり得る

これまでにも何度か書いてきましたが、私の兄は障害があり、日本の公教育の中で学ぶことに困難がありました。結局、日本の高校に進学することはできませんでした。日本社会で、少数派に属する人です。
ベトナムやミャンマーで高校進学した後は、障害が原因で学びの機会を奪われることはありませんでしたが、今度は外国人としてマイノリティだと感じることになりました。
障害がなくても、異国で生活しなくても、学校に同じ関心を持つ友達がいないとか、苦手なことがあるとか、少数派だと感じる瞬間は誰にでもあります。
でも日本国籍をもち日本で暮らす日本人であることは、絶対的なマジョリティであり特権だと、意識したことはあるでしょうか。
今回の企画は、わたしたちにとって新たなチャレンジでもありました。

今から ここはヤンゴンです

受付で500円をミャンマーの7500チャットお買い物券と交換します。これは2021年1月(クーデター以前)のレートを元にしていることを伝えました。

ミャンマー支援をされているKonnectさん

お買い物が始まると、お店の方の説明が始まります。ですが、当然、すべてミャンマー語。内容も、値段もわかりません。戸惑う子どもたちから「何言ってるのか全然わからない」「でもちょっと伝わる気がする」と笑いと歓声が起きました。
もちろん、お菓子は指差しで買うこともできます。でも心配なことも。
「私はアレルギーがあって、お菓子の成分がわからないと食べられません。日本人の方はいらっしゃいますか?」と声をかけてみました。
すると、手を挙げてくれたスタッフが2名。一人は英語、一人はやっぱりミャンマー語を話し始めました。

説明を聞く子どもたち

「全然わからないー!」と子どもたちの声。そう、ここはヤンゴンなので、日本人だからといって、日本語を話すとは限らないのです。海外であれば、実際、日本人でも日本語を話せない人もいます。
「日本語を話せる方はいらっしゃいませんか?」そう声をかけると、ミャンマー人が流暢な日本語で話し始めました。そして日本語の説明書まで出してきてくれました。日本語の価格表も貼られて、安心してお買い物がスタートです。
チキンパフ、ココナッツミルク、バナナケーキ、パイナップルゼリー、美味しそうなお菓子があっという間に売れていきます。

ミャンマーのお菓子と支援グッズ

「もしミャンマー語で書かれた値札と、日本語で書かれた値札に違いがあったらずるいですか?」と聞いてみました。もちろん「ずるい!」と声が上がります。
そこで、ミャンマーの方に、日本語を話せるようになるまで、どのくらいの時間とお金が必要だったか。どんな苦労があったかをお聞きしました。海外で日本語のサービスを受けることは、当たり前ではありません。
そして、私たちが海外で言葉がわからず戸惑うように、日本で暮らす外国人の方も、戸惑ったり、困ったりすることがあるということを、疑似体験してもらいました。

2021年1月のクーデター以前は、500円分の買い物ができたチケット。ミャンマーの通貨の価値が下がり、今は250円の価値しかないと伝えました。
クーデターは、庶民の暮らしに大きな影響を与えていることを感じとってもらえたらいいなと思います。

当事者にしか語れないこと

お買い物が終わった後は、Konnectのお二人から、なぜミャンマーの支援活動をしているのか。子どもたちに伝えたいことをお話しして頂きました。
私がどんなに伝えようとしても伝えることができない祖国への愛やアイデンティティ。当事者の言葉は強く心に響きました。

Part2に続きます


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