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人間の三大欲求(ERG理論;アルダルファ)を基に自らのキャリアを考えてみる。

人間の3大欲求ってお聞きになったことはありますか?
マズローの5段階説と比較すると少し影が薄いですが、
アルダルファのERG理論というものもあります。
経営や投資の世界で流行っているESGではありませんよ(笑)

アルダファ(C. Alderfer)による理論で、
人間には3つの大きな欲求があるとするものです。
生存欲求、人間関係の欲求、成長欲求です。

3つと言うのがシンプルで、
且つ、マズローの様に段階的でないので分かりやすく
実際に活かしやすいと私は思っています。

<3大欲求>

その3つの欲求を簡単に説明すると次の通りです。

1.生存欲求(Existence)
 最も低次の欲求で生存の為に必要なものを求める欲求です。

2.人間関係の欲求(Relatedness)
 一段上の欲求で、人と繋がりたい、承認されたいと言った欲求です。

3.成長欲求(Growth)
 3つの中で最上位に位置するもので、理想に近づきたい、
 より優秀になりたい、という欲求です。

マズローの様に下の欲求を満たさないと、
1つ上の欲求を満たそうという気持ちにならない、
と言うものでは無いのが特徴です。
(低次の欲求の充足が、高次の欲求が出現する前提条件にはならない)

3つの欲求がそれぞれ独立していて、
低次の欲求を満たしたら上の欲求を満たしたくなる
というのは同じですが、
仮に上の欲求が満たされない場合は、
その欲求と共に、下の欲求も満たしたくなる
と言う考え方です。

理想の自分に程遠いと感じていたら、
スキルアップに励みますが(成長欲求)、
同時に、周囲から認められたい、すごいね!
と思われようとアピールする(人間関係の欲求)。
更には、収入を少しでも上げて
将来の安心を得ようとする(生存欲求)。
…そんな感じです。

<自分のキャリア開発に活かす>

自らのキャリアデザインを考えるときに、
この3つの欲求を基に整理するのも一案です。

例えば、こんな風に考えても良いでしょう。

生存欲求:
自分が良しと出来る最低限の収入はどの程度か。
もし、その水準に到達していない場合は、
どうすればその水準を得ることが出来るか。
*満たされていなければこれに集中。

人間関係の欲求:
職場の人々との繋がりにどれくらい満足しているか。
認められる為には何が必要か。
良い関係を維持する為に必要なことは何か。
それらを満たす為にはどうすれば良いか。
*満たされていなければ、この段階に集中する同時に、
下位の生存欲求も検証する。

成長欲求:
在りたい自分の理想の姿はどんなのか。
その理想を100点とすると今は何点か。
そのギャップを埋める為には何が出来る様になるべきか。
*下位の2つ生存と人間関係の欲求も検証。

これらの様に、
自らの欲求を3つのカテゴリーで整理して考えます。
それぞれでの現状を把握して、
その中でクリアすべき課題を見出して、
やるべきことを明確化していくイメージです。

キャリアデザインや、心理的な満足度を高めること、
心のざわめきを解消する為には、
いろいろなアプローチをとることが出来ますが、
ERGの三大欲求を切り口に内省することも、
自分の問題を解消することに繋がるかも知れませんね。

(2021年4月5日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
プロフィール
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