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類まれなる美肌を持ったある知人の話

Chao!

ここ1週間で、ハノイは一気に冬になった。

「ハノイの冬はかなり寒い」ー事前に周りから聞いて心づもりはしていたものの、どこかで「ベトナムは南国」と高をくくっていたのかもしれない。日本から持ってきた秋用ジャケットで何とか乗り過ごそうと安易な考えできていた私は、今朝真っ先ににユニクロへ行き、ウルトラダウンを購入した。

一方、良い方に予想を裏切られたのが、空気がそこまで汚くならなかったこと。昨年の秋~冬は相当空気が汚かったらしく、ある日本人同僚はその期間中ずっと病人のように咳が止まらなかったといっていたが、今年は思いのほか澄んでいるようだ(コロナのおかげかもしれない)。

さて、「空気が悪い」といえば、しばらく住んでいた中国・北京を思い出す。タイトルにある、「類まれなる美肌を持った」彼女と出会ったのも、2016年、北京大学に留学していた時だった。

北京は言わずと知れた「PM2.5大国」だが、私が留学していた2016年は頻繁に「赤色警報(外出禁止令)」が発出されるような状況だった。そんな環境にいるからか、北京の住人達は東京の人々と比べると肌・髪がどことなくくすんでいるように思えた。

私自身、北京に住むうちに肌荒れに悩まされるようになり、それこそ北京に来たばかりの頃は「肌綺麗だね」と褒められることもあったのだが、次第にニキビや吹き出物がひどくなり、どうしたらこの悪環境に打ち勝てるのか、悩むようになっていた。

そんな中、私はルー・ジャンと出会った。

毛穴などひとつも存在しないかのような、まっさらできめ細やかな肌。色むらが一切なく、毛さえも存在しないのではと思えるくらい、どこまでもクリアな肌色。

顔立ち自体は「絶世の美女」というわけではない。でも、私は一瞬で彼女の存在に、心を奪われた。

「肌が綺麗な人」は世の中に大勢いる。しかし、ここまで完璧な肌の持ち主に、それこそ「赤ちゃん」以外でここまで毛穴のない肌に、私は出会ったことがなかった。

当然のことながら、私は何としてでも彼女のこの「類まれなる美肌」の秘密を知りたいと思った。

幸い、ルー・ジャンとは同じプログラムだったこともあり、一緒にご飯を食べる機会や、フィールドトリップに行く機会もあったので、彼女がどんな生活をし、どんな化粧品を愛用しているのか、至極簡単に知ることができた。

まず食事に関しては、基本的に冷たいものをあまり口にしない。火が通ったものを食べ、食べる量もそこまで多くはない(いわゆる腹8分目)。夜は12時に寝て、朝は7時に起きる(ここに関しては、彼女のルームメイトだった日本人の友人にこっそり聞き出した情報である)。

化粧品については、韓国ブランドであるINNIS FREEのティーツリーシリーズをラインで愛用。パックは週に1度。クリームを塗る際は、フェイスマッサージを行う。

ちなみに、フィールド・トリップでは、彼女が化粧を落とす瞬間をさりげなく観察していた。すると、やっぱり!ファンデーションを落としても、彼女の肌は相変わらず毛穴一つなく、まるで陶器のようだった。「あの毛穴のなさ、モチモチ具合はどんなファンデを駆使しても作れるものではない」と感じていたが、やはり彼女は、ナチュラルに美肌の持ち主であった。

もちろん、私はこの話を聞いた後、すぐにINNIS FREEの店舗に駆け込み、ルー・ジャンが使っているといっていた化粧品をラインで即買いした。これで彼女のような美肌に近づけるかもしれない、そんな淡い希望を抱きながら。

一週間もたたない内に、肌荒れがひどくなり、二週間後、私はとうとう諦めてライン買いしたINNIS FREEの商品を全捨てした。明らかに、私の肌には合わなかったのだ。

最後にルー・ジャンに会ったのは、去年の冬だったと思う。北京大学で一緒だったころから3年の月日が流れ、私たちは28歳になっていた。久しぶりに会った彼女は社会人になっており、新卒で入った大手銀行を退職し、ずっと働いてみたかったITスタートアップで働いていると生き生きしながら話してくれた。彼女の肌は、留学時代から何一つ変わっていなかった。

生活習慣、食生活、愛用している化粧品を知ってすらなお、なぜ彼女がここまで類まれなる美肌を保てているのか、その秘密を結局私は知ることができなかった。それでも、改めて振り返って一つ気づいたことがある。

振り返ってみれば、生活習慣、食生活、化粧品、彼女はそのどれに関しても何か特別なことをしているわけではない。ただ一つ言えるのは、彼女はとにかく前向きで、常に機嫌が良い人だった。

あまり社交的というわけではなく、どちらかというと一見大人しいタイプだが、仲良くなると良く話すし良く笑う。そして何より、愚痴をこぼしたりくよくよするといったことが全くなかった。

ルー・ジャンとは、韓国のソウル大学に留学するタイミングも一緒だったが、(大学のプログラムの一環である)、彼女は予定より1か月も近く早く中国に帰国してしまった。あとで共通の知人から聞いた話によると、大学の先生と言い合いになり、レポートはオンラインでも提出できるからと授業へ出席するのをやめ中国に帰ってしまったそうである。

無駄なストレスは回避し、常に自分がハッピーでいられる環境に自らの身を置く。もしかしたらそれこそが、最大の秘訣なのかもしれないと、ふと思った。

彼女よりずっとスタイルもよく、顔立ちが整った人にこれまで大勢会ってきた。それでも、「忘れられない人」が誰かと聞かれれば、真っ先にルー・ジャンの顔が浮かぶ。

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今日の夕食。無性にパスタが食べたくなり、近くの生パスタレストラン「PASTA DANZA」でGRABテイクアウト。腸活をはじめてから、野菜スティックをお供にしている。

肌が類まれに美しい人は、「ただの美人」の何倍も強い印象を人に残す。だからこそ私たち女性は皆、「美肌」を求めつづけるのかもしれない。

それでは今日はこの辺で。Chao~!

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