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出会いがあれば、別れもあって

Chao!

出会いの中には、「運命」と呼べるようなものもあれば、全くそのように感じないものもある。

それこそ、今でこそコロナで外出の機会も限られているが、東京在住で通勤するだけだって、満員電車で何百人という人とすれ違う。そのような「すれ違い」は、もちろん運命とは呼べない。

そうでなくたって、(偶然同じ職場とかで)同じ時を長く過ごした人であっても、正直「出会っても出会わなくてもどちらでもよかった」人はごまんといる。いや、もちろん、自分がその意味に気づいていない可能性だってあるかもしれない。

それでも、「この出会いは運命だった」と心の底から思える出会いって、人生で何回あるのだろうか。

人生においてそうそうない「運命の出会い」。まさか、ハノイでそのような出会いがあるなんて、1年前の私は想像だにしていなかった。

1.ヨガティーチャー・アヤコ先生との出会い

アヤコ先生と出会ったのは、ちょうどいまから1年前。職場の前任に教えてもらった「アヤコヨガ」に参加したのがきっかけだった。

アヤコ先生は、初対面からかなり強烈なインパクトを私に残した。小柄で可愛らしい見た目と反して、スパルタで力強い指導。でも、どこかに笑いと愛があって、生徒さん全員が、先生の強烈な押しに対して、嬉しい悲鳴?をあげているのがありありと感じられた。

その日から、私は「アヤコヨガ教」の信者になった。アヤコ先生が教えてくれたヨガは、これまで私が経験してきたヨガのイメージを根本から覆すものだった。

体全体を極限まで駆使してありとあらゆるポーズを取り、柔らかくなるまでじっと痛みに耐える。こう書くとまるで修行のようだが、終わった後はいつも心も体も爽快で、よくある「リラックスヨガ」なんかより、何倍も深いリラックスを味わうことができた。

2.アヤコ先生と修行の旅

そんなこんなであっという間にアヤコヨガの虜になった私だったが、次第に、ヨガ以外でも色々誘ってもらうようになった。

その中でも思い出深いのが、サパ(ベトナムの観光地の一つ。一年を通してかなり涼しい気候のエリアで、自然が豊か)の旅だ。こちらの旅はメインのアクティビティが「滝下り」で、冷たく激しい渦巻に飲み込まれた私は危うく死にかけた。

ハロン湾クルーズは、サパに比べると優雅でのんびりした旅だったが、洞窟の中を手漕ぎで進む「洞窟ツアー」はなかなかハードだった。他にも、偶然ロシア人女性の方との出会いなど、ちょっとしたドラマがあった。

3.帰国の知らせを受けて…

週2回のアヤコヨガにはほぼ毎回参加していたが、ある事情から精神的に追いつめられていたのもあり、「もっとタフになりたい」と思って、今年に入ってからプライベートレッスンも開始した。

木・日のグループレッスンに加えて、土曜の個人レッスン。それでも飽きたらず、毎朝自主練をするようになったのは、個人レッスンをはじめて2か月ほど経った頃だろうか。私の中で、いつの間にかアヤコヨガはなくてはならない存在となっていた。

そんなある日、突然、先生から帰国の知らせを受けた。いや、先生にとっては前前から考えてのことだったと思うが、私にとっては本当に突然だった。あまりのショックに、一瞬言葉が見つからなかった。しばらくすると、目から涙があふれでてきた。

人前で泣いたのって、いつぶりだろう。ふと、そんなことを思った。

4.運命の出会いとは

その出会いが運命だったかどうかは、人それぞれの感じ方、考え方によって変わってくるものであり、そこには明確な定義はないように思える。

でも、一つ言えるとすれば、それはその人に出会ったことで、人生観や人生そのものが変わったかどうかではないかと思う。

アヤコ先生に出会う前も、ヨガクラスに参加したことはあったが、アヤコヨガに出会ってからは、ヨガは私の人生にとって無くてはならないものとなった。

ちょっと体が不調でも、心が落ち込んでいるときでも、ヨガをすると不思議と全てが解決する。逆にしないと、どことなく体が不調だ…。

また、先生からはヨガだけではなく、「生き方」そのものも考えるきっかけをいただいた。

どこにも属さず、自らのスキルと経験を生かして、自由奔放に生きる力。企業の決定に左右されるサラリーマン・ウーマンにとっては自由で羨ましい!と言いたくなるけれど、ほんとはそれって企業で働くより何倍も大変なことなのかもしれない。その生き方を選び、その生き方に責任を持つ。

その強さが、私にはとっても眩しく映った。

憧れはするけれど、すぐに実行できるほど自分は強くない。でもそれを実行して、実年齢よりも遥に若いルックス・体力をキープされている先生の姿に、ただただ勇気づけられた。

出会いがあれば、別れもあって、先生が帰国したのはとっても寂しいけれど、先生から学んだものは消えない。

さぁ、あと2か月半で、30歳だ。これからの人生、どう生きていこうかな。

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アヤコ先生、1年間、本当にありがとうございました。

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