5/16に新刊『Web小説のための Novel Supporterで超効率的に文章推敲する本』が出ます
5/16に新しい本が、秀和システムさんから出ます。
『Web小説のための Novel Supporterで超効率的に文章推敲する本』
ISBN:978-4798061238
https://amzn.to/3cXHy54
しかし、新型コロナウイルス……。書店に行って、ふらりと購入というのが厳しいかもしれない状況です。なので、ぜひご予約ください。切実に。
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さて、この本がどういった本なのかを書きます。
私は小説を書いています。『レトロゲームファクトリー』(新潮社)とか、『裏切りのプログラム ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬』(文藝春秋)とかです。
柳井政和の小説情報
https://crocro.com/novel/
『レトロゲームファクトリー』(新潮社)
https://amzn.to/2T4frqR
『裏切りのプログラム ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬』(文藝春秋)
https://amzn.to/2PmhINx
そうした活動の一環として、『小説推敲補助ソフト「Novel Supporter」』というソフトを開発しています。
小説推敲補助ソフト「Novel Supporter」
https://crocro.com/pc/soft/novel_supporter/
小説で、直した方がよい可能性がある場所を可視化して、指摘してくれるソフトです。
具体的に言うと、同じ言葉を連続して使っていないか確認してくれたり、こそあど言葉を使い過ぎていないか確認してくれたり、文末の重複や、長すぎる文章の指摘など、数々の指摘をしてくれます。
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去年の11月ぐらいに、秀和システムさんから本社移転のメールがありました。そして、やり取りをしていたら、何か新しい技術書を書かないかという話になりました。
何がいいですかねという話をしていたところ、Novel Supporter を利用して、「ツールの出力結果をどう解釈、分析して、推敲するか」の本を書くのはどうかという話が出てきました。
小説に対して「どういった所を見て」「どのような推敲をするのか」、また「それはなぜなのか」、そして「どういった解決方法があるのか」。こうした話については、いつかどこかで、まとめてみたいなと思っていました。
そのため「やりましょう」と答えて、企画がスタートしました。また、タイトルは、編集の方が付けてくれました。
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本書の趣旨は、本のはじめの方に書いています。少し引用します。
本書で目指すのは、自分が書いた小説を「ストレスの少ない」「読みやすく」「分かりやすい」文章に仕上げることです。名文や、味のある文章を作ることは、目的ではありません。
世の中には、いろいろな文章の書き手がいます。その中には、読者をのめりこませる魔術的な執筆者もいます。しかし、そうした作者は、世の中のほんの一握りです。天才の仕事は真似できません。凡人にできることは、ロジックで詰められる領域です。
誰でも確認できる部分を改善して、文章の底を上げていきます。突き抜けた高得点を目指すのではなく、ミスをなくして及第点を目指します。
読みにくく分かりにくい文章は、ストレスが大きく、途中で投げ出されます。本書ではソフトウェアを使い、そうした文章を修正していきます。それとともに、どういった点を確認すれば、効率的に小説の文章の質を上げられるかを、解説していきます。
つまり、100点を目指すのではなく60点を目指すための本です。文章の欠点となる部分を、ソフトウェアで効率的に発見して、どのような考えを元に、どう修正していくかを書いた本です。
具体的にその過程を見せるために、書き下ろしでサンプル小説を書き、その修正をどのようにおこなうかを見せています。
また「なぜ」という部分にこだわっています。単に直すだけでなく「なぜ、そうした方がよいのか」を丁寧に解説しています。
やり方は、書き手それぞれ違いがあるでしょう。しかし、根底となる「なぜ」の部分は、共有しやすいです。そこを知らないと、直そうという考えも浮かばないからです。
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以下、目次を掲げておきます。
■ はじめに
・ 本書の目的
・ 本書の読み方
■ 第1章 読みやすい文章、読みにくい文章
・ 読みにくい文章を考える
・ 読みにくい文章
・ 1 覚えないといけないことが多い
・ 2 何度も前後に行き来したり、重複したりする
・ 3 ノイズ(気になること)が多い
・ 4 視覚的に読み解きにくい
・ 5 視覚的エラーが起きる
・ 読みやすさを基準とした仕上げ
・ 効果的な修正箇所の探し方
・ 仕上げの三つの段階
・ 他人に原稿を確認してもらう
・ 目の前で読んでもらう
・ 自分で確認する
・ 機械の助けを借りる
■ 第2章 ソフトウェアの入手と基本操作
・ ソフトウェアの入手と解凍
・ ソフトウェアの起動
・ 基本操作 初級編
■ 第3章 ツールを使った推敲
推敲1~11は、以下の構成です。
・ 各ツールの操作方法
・ 各ツールの結果の見方と修正方法
・ 各ツールの設定
・ 実例
・ 修正前のサンプル小説
・ 修正前のサンプル小説をツールで表示
・ 修正方針
・ 修正作業
・ 修正作業1
・ 修正作業2
:
・ 再度ツールで表示
・解説
以下、解説部分を目次として掲げます。
● 推敲1 同じ言葉や表現が連続するのを避ける
・ 使用ツール「単語近傍探索」
・ 解説
・ 話し言葉と書き言葉
・ 小説の文章
・ 単語近傍探索
・ 頻出しやすい表現への対応
● 推敲2 文末の音の連続を防ぐ
・ 使用ツール「文末重複確認」
・ 解説
・ 文末の音
・ 文章の速度感
● コーヒーブレイク1 設定や見た目の変更
● 推敲3 具体的に書く
・ 使用ツール「こそあど確認」
・ 解説
・ 具体的に書く
・ こそあど言葉
● 推敲4 一文の長さを気にする
・ 使用ツール「文長ヒートマップ」
・ 解説
・ 三文以上が一つの文章に入っている
・ 主語と述語の対応の破綻
・ 無理やりな接ぎ木
・ 長い文章と短い文章
● コーヒーブレイク2 左右の画面のスクロール
● 推敲5 文章の摩擦を気にする
・ 使用ツール「画数ヒートマップ」
・ 解説
・ 語彙の難易度とテンポ
・ 文章の摩擦
・ 二つの読み方がある単語
・ 改行をはさむと読み間違う文章
・ 改行をはさむと誤植に見える文章
● 推敲6 文字の比率を気にする
・ 使用ツール「文字種表示」
・ 解説
・ 漢字仮名交じり文
・ カタカナ言葉について
・ シンタックス ハイライトを利用する
● コーヒーブレイク3 検索と正規表現
● 推敲7 確認方法をいろいろと変える
・ 使用ツール「音声読み上げ」
・ 解説
・ 違う見方で確認する
・ 様々な「違う見方」
● 推敲8 段落構造を読みやすくする
・ 使用ツール「段落先頭重複確認」
・ 解説
・ 段落の先頭部分
・ 段落の長さ
・ 行数を利用した演出
● コーヒーブレイク4 ツールやショートカットのカスタマイズ
● 推敲9 細かなチェックを自動化する
・ 使用ツール「文章警告」「言い回し確認」
・ 解説
・ 人間はミスをする
・ 発生するミスを減らす
・ 三種類の確認項目
・ 1. 小説として望ましくない表現
・ 2. 用字用語
・ 3. 凡ミス
・ 確認の自動化
● 推敲10 表記ゆれを確認する
・ 使用ツール「表記ゆれ確認」
・ 解説
・ 明確なミスである表記ゆれ
・ ミスではない表記ゆれ
・ 同じ単語を、漢字とひらがなで使い分ける
・ 表記ゆれを解消するかの判断
● 推敲11 連載用に分割する
・ 使用ツール「章ボリューム表示」
・ 解説
・ 設計と文章のずれ
・ 説明が続く場合の対処
・ 連載用の調整
● コーヒーブレイク5 形態素解析
■ 第4章 その他の便利ツール
● 便利ツール1 ルビを付ける
● 便利ツール2 感情の流れを確認する
● 便利ツール3 指定文字数で改行する
● 便利ツール4 使用単語を調べる
● コーヒーブレイク6 おすすめソフト
■ 付録:修正後のサンプル小説
■ あとがき
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というわけで、5月13日には発売になりますので、是非ご予約いただければ幸いです。よろしくお願いします。
『Web小説のための Novel Supporterで超効率的に文章推敲する本』
ISBN:978-4798061238
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