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第11巻


北東京大会二回戦で千川高校は優勝候補の強豪・石神商業と対戦する。中軸にスラッガー支倉をおいた強力打線と対峙する比呂。一巻まるごとつかって試合を描く。プレイの描写が素晴らしい。特に比呂の速球の描き方は抜群。
漫画は自分がよく知っているものを描くのが一番良いと言うが、さすがは野球好きのあだちさんである。

第11話 ふーん

P59からP63の5ページが第一幕。ひかりが観戦に球場に訪れた話。スポーツ紙記者である叔父が来ている。この叔父はひかりと比呂の関係について穿った言葉を言う役回り。特にひかりの心理描写n役割を背負っている。
P64からP73の10ページが第二幕。試合の場面。マウンドで躍動する比呂と活き活き動く千川ナインを主に石神商業側から描く。石神の監督や選手が「大丈夫だ」「心配はない」と自軍を評価すればするほど、比呂の存在が大きく読者に感じられると言うテクニックを使っている。
キャッチャーミットに投げ込まれたボールのと流線と振られたバットの流線の関係を見て欲しい。触れることもできないほどの速球が感じられるように引かれている。

第三幕はP74からP76の3ページ。比呂と春華、それぞれの父親が観戦しながら話をしている。第二幕冒頭、第三幕冒頭はそれぞれ球場のスコアボードの大ゴマで始まる。読者はそこが次の幕へのドアのように感じると思う。

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