マガジンのカバー画像

漫画教育を考えよう

38
漫画家をやりながら、漫画の専門学校の講師をしています。 大学の准教授をしたり 海外の漫画学校に教えに行ったりしてます。 その中で教育というのを、真面目に考えよう、もっといい教育は…
運営しているクリエイター

2018年12月の記事一覧

マンガの専門学校について考える3

神田・神保町の三省堂書店にいくと著名人の色紙が飾ってある。その中に小学館社長の相賀さんのもあってそこには「自分はギャンブルをやらない、出版がギャンブルだから」みたいな一言が書いてあった。 そうか?出版界って…少なくとも小学館みたいな大手はギャンブルやらないでしょう? マンガの世界で一番のギャンブルは新人への投資だ。惚れ込んだ作品、新人に金をかける。回収できなきゃ沈没…のつもりで。 今の出版業界はそういうことはしない。出版不況というなら商品開発…新人育成にお金かけるべきだろうと

マンガの専門学校について考える2

マンガの技術面もこの10年くらいで大きく変わっている。パソコンソフトの普及がでかい。画材で一番高かったトーンをソフトで使えるようになって、トーンが売れなくなった。10年前230円くらいだったものがいま、320円くらいになっている。みんながソフトに向かったのでソフトの開発もドンドン進んで、積み重ねないとできなかった技術が、ソフトにデフォルトに備わるようになってきた。ペンの練習として奨励されてきたカケアミとかカケナワは、描いたことないどころか名称すらしらない学生がほとんどだ。 昨

マンガの専門学校について考える1

あるマンガ専門学校の教務の人と話する機会があった。それは雑談だったけどそれ故遠慮がなく、いろいろ考えさせられた。 教務というのはクラスの担任だが事務方。プロフェッショナルではないので授業を教えたりはしない(たまに教える人もいる)。教えるのは講師。ボクは講師である。 教務「この間、学校で編集部批評会をしたんですよ」 ボク「はいはい」 編集部批評会…出張編集部などともいうが、漫画の講座のある専門学校や大学へ編集部部員が出向いて人材発掘をするイベントである。出向いて原稿をみるの