メディアの話その149  大学生に聞いてみた。映画やスポーツ、倍速・スキップ視聴本当にしているのか? 

若者の倍速視聴、スキップ視聴がどの程度定常化しているのか、興味があった。

実態を知ろうと思った。

大学生にアンケート調査を複数回行った。150人クラスを3回。450人ほど。19~21歳のサンプルである。

ここで聞きたかったのは、youtubeやtiktokなどの動画ではなく、アマプラやネトフリなどの映画、連続ドラマ、アベマのスポーツ中継などについて、である。

前者をスキップしたり、倍速したりするのはむしろ当たり前だ。別に世代拘らず、みんなやっている。

映画やドラマやスポーツ番組を、ガンガンスキップして、2時間の映画を15分くらいでみるという「タイパ」至上主義の理工系学生のイメージ、を、私もちょっと抱いていた。

で、聞いてみた。

例えば、質問の仕方は、こんな形式である。

「映画やオリジナル作品など1本完結の作品をネットフリックス、アマゾンプライムなどでみるとき倍速視聴(1.5倍〜2倍のスピードで見る)したことがありますか?」

答えは4択で、1よくする 2時々する 3あまりしない 4したことがない

こんな形式で聞く。

映画などの長尺作品、連続ドラマ、スポーツについて、それぞれ倍速視聴とスキップ視聴、どのくらいしているか。

上記の質問については、

4したことがない61.5%

3 あまりしない20.5%

2時々する8.7% 

1よくする9.7%

であった。同様の質問を、連続ドラマ、スポーツ中継について、倍速視聴とスキップ視聴について4択で答えてもらった。

動画配信で映画や連続ドラマを見る人で、倍速視聴をよくする人は8~9%。スキップ視聴も10%強程度。

スポーツ観戦でも、ほぼ同様の数字。

3回のサンプルで、傾向は変わらず。

全体の50~70%前後が、倍速あるいはスキップを、映画にしてもドラマにしてもスポーツ観戦にしても、全くやったことがない、という。

あまりやらない、を含めると、70%~85%の学生が、普段、倍速もスキップもほとんどやらない、とのこと。

予想と全く違った。

おそらく多くの記事がイメージしている「若い人の大半は映画をスキップしてみている、ドラマの結末を先に知りたいから倍速で見ている」というのは、少なくとも私の勤めている大学の学生さんたちにおいては、当てはまらない。

私の勤めている大学の学生というサンプルが同じ世代や社会全体において動画視聴におけるどのあたりのクラスタなのか他に数字がないからわからない。

もしかすると特殊なのかもしれない。

「よくやる10%前後」を多いと見るか少ないと見るか。

倍速視聴もスキップ視聴も、世代変わらず必要な時は誰しもやるに決まっている。

当然である。便利だから。私もやる。

この記事のアンケートだと、80%が倍速視聴をしているとのことだけど、サンプル、どんな人たちなんだろう。

ちなみに、私の実施したアンケートも読み方を変えて「やったことがある」を集計したら50パーセントになる。それでも50パーセントだが。

ただ、最初から、倍速スキップ視聴をやったことがあるかないかの二者択一アンケートにしたら、おそらく8割くらいが「ある」と答えるはずだ。

いずれにせよアンケートの仕方で同じサンプルが全然違う行動様式に見えちゃうような気がする。

やったことがある。とよくやる、では全然意味が違う。

質問が倍速やスキップの経験の有無だったらほとんどが経験ありと答えるだろう。

ちなみにヤフー!あるいはニュースポストセブンの読者だとすると、どう考えても20代じゃなくてもっと年上が中心? 

だとすると、タイパだの倍速は、年寄り問題だってことにならないか? そもそも倍速視聴しますか?というアンケートに自由に答えるクラスタというのが、標本として偏り出ちゃわないか?

若い人は「タイパ」主義とか映像を楽しまない「倍速視聴」主義とか、「若者ディスりの観点から魅力的なキャッチコピー」と「物語」が走りすぎて、「ファクトフルネス」からずれちゃってないだろうか。。。

学生たち、映画もドラマもアニメ作品も割ときっちり見てます。

映画は映画館に行ってるし。

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