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メディアの話。

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メディアの話を、します。
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2018年1月の記事一覧

メディアの話その3  2001年宇宙の旅と骨と。

メディアの話その3  2001年宇宙の旅と骨と。

映画「2001年宇宙の旅」。

この映画の冒頭で一番の主役は誰かというと、「骨」である。

アフリカのどこかで、けむくじゃらの原始人類が、ウホウホやっている。ウホウホやっている原始人類は、真っ黒なカマボコ板みたいな「モノリス」の前に集まると、突然脳みそが「進化」しちゃう。

で、脳みそが「進化」しちゃった原始人類は、ウホウホやりながら、のたれ死んでいたであろう大型哺乳類の「骨」を手にする。おそらく

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メディアの話その4。浜松テレビと「イ」と理系と。

メディアの話その4。浜松テレビと「イ」と理系と。

1976年、名古屋から浜松に引っ越したとき、一番衝撃だったのは、テレビの民放が2つしかないことだった。

TBS系のSBS。フジテレビ系のテレビ静岡。以上である。

テレビ朝日(当時はNETという名だったはずだ)系も、日本テレビ系もない。(いまは、ある。)テレビ東京(まだ東京12チャンネルと呼んでいたと思う)系? あるわけがない。たぶんいまもない。

テレビ全盛期の小学5年生としては一大事である。

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メディアの話その6。インターネットと原始人と。

メディアの話その6。インターネットと原始人と。

いまから3年前、2015年1月にインフォバーンの創業者、小林弘人さんと『インターネットが普及したら、僕たちが原始人になっちゃったわけ』という本を書いた。

この本のタイトルに秘められたポイントは主に2つ。

1つは、小林さんが以前より唱えられていた「インターネット時代とは、だれもがメディアになる、だれでもメディア時代なんだ」、ということ。

もう1つは、進化生物学者ロビン・ダンパーの説、ダンパー数

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メディアの話その2 ユーミンとメッセージとマクルーハンと。

メディアの話その2 ユーミンとメッセージとマクルーハンと。

目にうつる すべてのことは メッセージ。
この正月、『魔女の宅急便」をテレビで見ていたら、最後にユーミンの「やさしさに包まれたなら」が流れてきた。

説明するまでもなく、この曲のサビのフレーズである。

メッセージ。

『広辞苑』で引いてみる。

メッセージ →

①伝言、口上、挨拶、使命。②アメリカ大統領の教書。

「メッセージ」には、アメリカ大統領の教書という意味があったのか。
なんでも調べて

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メディアの話その1 南伸坊さんにマクルーハンを教わった。

メディアの話その1 南伸坊さんにマクルーハンを教わった。

今日から、「メディア」について、いろいろなことをメモ代わりに書いていこうと思う。

きっかけは、マーシャル・マクルーハンの本を数十年ぶりに読む機会があったからだ。
マクルーハンの『メディア論』は、「有名だけど、案外読まれていない本」の典型だったりする。
もちろん、私もその例に漏れない。実際に読んだのは、マクルーハンの名を知ってから、ずいぶんあとの話である。そして、その中身が示すところの意味が自分な

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メディアの話、その13 トラクターと自動車と。

メディアの話、その13 トラクターと自動車と。

昨年、仕事でドイツ・ハノーファーで、大量のトラクターを見てきた。

2017年は、個人的に「トラクター」が再発見された年。

中公新書の『トラクターの世界史』がベストセラーになったのはその象徴である。・・・と、勝手に思っているわけですね。

トラクターは20世紀のおかあさんだ。

トラクターが19世紀末に誕生し、ヘンリーフォードにより大量生産され、アメリカ全土に普及すると、農業は一気に変わった。「

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メディアの話、その14。広告はいつから嫌われ者なのか。

広告は、いつから嫌われ者なのだろうか。

メディアをひとつの事業としてみたとき、広告がないと存在できないビジネスモデルをとっているメディアは実に多い。

まず、なんといっても地上波のテレビ。

それから、ラジオ。

この2つに関しては、受信料を徴収するNHKを除くと、広告収入なしでは、テレビやラジオのコマーシャルなしでは、事業が成り立たない。もちろん、不動産で稼いでいる局もあるけれど、テレビやラジ

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メディアの話その15。人類最古の仕事は娼婦じゃなくて編集である。

「人類最古の仕事は、売春である」というという決め台詞を昔どこかで読んだ。読んだことあるよ、ってひと、いらっしゃるでしょう。

いったい出典は何なのか? ウェブだとすぐに調べがつくかもしれないけど、ここではあえて調べない。話の本筋はそっちじゃないので。

売春というのは、性行為の商品化である。

なぜ性行為が商品になるのか。

それは「気持ちいい」からである。お金を払ってでも「気持ちいい」がほしい。

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メディアの話その16。少年ジャンプと260円とおそ松さんと240円とメディアの値段

メディアの話その16。少年ジャンプと260円とおそ松さんと240円とメディアの値段

今週、ひさしぶりに週刊少年ジャンプを買った。

冨樫義博さんの『HUNTER ×HUNTER』の連載が再開されたからである。

『HUNTER ×HUNTER』が少年ジャンプ誌上に登場したのは1998年6月4日発売号から。ほぼ20年前である。来年成人式の大学1年生は、連載開始時に生まれたわけだ。

『HUNTER ×HUNTER』は人類の宝である。かつて私が子供の頃読んだジュール・ベルヌの「海底二

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