見出し画像

ブランディングがうまくいかない5つの理由

企業、新商品のブランディングや既存商品のリブランディングをお手伝いする機会がよくあるのですが、自分たちで一度考えてみた、やってみたけどうまくいかないという話をよく聞きます。
うまくいかない理由はクライアントによって様々なのですが、
僕が見てきた中でうまくいかないパターンをいくつかご紹介できればと思います。

自分都合なポジショニングマップ

このパターンが一番多いです。特に競合との差別化を検討する中で、
ポジショニングマップを活用する場合が多いのですが、その軸が
どう考えても自社に都合が良いようにしか作られておらず、全く客観性がないポジションを自分たちのイメージだけで作り上げてしまうパターンです。
まずは、客観的にかつ正確に自社や商品の状況を分析するということがブランディングを行う上でとても大切で、正確に分析した後、
自社や自社の商品・サービスが目指したいポジションはどこなのか、
その場所には需要があるのか、生活者にとってもその違い良さを理解してもらえるものなのかを順を追って検討していく必要があります。

目的がブランディングの途中で変わってしまう

ブランディングを検討している中では、勿論競合他社や競合商品と比較した時の強み、弱みや差別化を検討していくことにはなるのですが、
その分析をしていく過程で差別化が目的になってしまっていることがよくあります。元々は売上をより高くするなどの目的があり、
その手段としてのリブランディングや競合との差別性を明確するなどという主従の関係があるにも関わらず、競合が今持っていないイメージを獲得することを主目的にしたブランディングを行ってしまっているのです。
その結果として、ブランドを再定義して獲得したいイメージを獲得できたけど、売り上げは全然上がらなかったということがよく起こります。
これはそのイメージを獲得することが実際の購買につながるのかどうかということを考えずに差別化することを目的にしてしまった場合の典型的な失敗例といえます。

このようなことを防ぐためにもしっかりとブランディングをする目的をしっかりと明確にしてぶらさないこと、そしてその目的にむけて必要な
分析や戦略を検討するSTEPをしっかりと決めてから具体的な内容を検討し始めることが大切です。そしてそこで具体的なブランディングの方針が固まったらしっかりと需要があるのか、本当に目的を達成できる内容なのかということを検証することに加えて、ではそのブランディングをいかに世の中で作り上げていくのかというコミュニケーションの領域での戦略を検討していくことが大切です。

生活者を無視したブランディング

BtoBの企業であれ、BtoC1の企業であれ、ブランディングは相手がそうだと認識して始めて意味があります。
それにも関わらず自分たちがなりたい像というものだけを検討してしまうなど独りよがりな場合がたまにあるので、生活者に対してどう見えるのか
ということを生活者や相手側の立場にも立ちながらブランディングの方針は検討していく必要があります。
また、相手に伝えていくということでいうとどう伝えていくのかという
コミュニケーション戦略なSTEPも大切になってくる中で、当たり前ですが、
今現状の状況からの距離が遠いイメージ、ギャップの大きいイメージほど
定着させるには一定の時間がかかりますし、必要なSTEPも多くなります。
それにも関わらずすぐにイメージが変わらないとブランディングをやめてしまう企業もあったりするのですが、ブランディングはかなり時間かかるものだと思って継続的に行うとうことを前提に検討すべきです。

自分たちが持っていない価値のブランドを目指してしまう

もちろん理想的なブランドの状況を検討するのは良いことです。
ただし、ブランドというのは最終的には企業や商品、サービスの利用や関係性を通じて作られるものであり、どんなにコミュニケーションで新しいイメージをつけようとしてもその会社や商品が持っていない価値はどんなに頑張ってもつけることができません。そういう意味でもブランディングはありたき姿を考えるだけではなく、自分たちが今実は持っている良いとこころを再発見するためのものに近い作業かもしれません。

もう少しだけ視野を広げてみる

これは失敗例というよりも僕がブランディングをお手伝いするときに大切にしていることの1つなのですが、みなさんブランディングをするときには
自分の会社や商品がある業界や競合商品だけを検討している場合が多いです。ただし、そうなるとあたらいし発見や新しい視点というのが不足しがちになってしまいます。なので、僕は違う業界や業種についての視点をあえて持ち込むようにしています。例えば現在のイメージと生活者が期待したいイメージをみていく場合などは、その業界の商品のイメージに加えて、同じイメージ項目で他業界の商品も合わせて聞くことで、他の業界の商品だとどの商品と自社の商品は似ているのか、目指すべき先にはどのような企業や商品があるのかということがわかると、具体的なベンチマークが違う業界で見えてきます。そうすると、ブランディングとしている人たちに共通のイメージが頭の中でできるので具体的なブランディングの方針がみえてきやすくなりますし、今足りていないものはなにかも具体的に検討できるようになります。

僕は自分たちでブランディングの戦略や方針を検討して提案することもあればセッションという形でクライアントの社員の皆さんと一緒になって検討していくこともあるのですが、改めてこの記事を書きながらブランディングを行う上では

・目的をしっかりと明確にして、現状を客観的に正確に分析する
・具体的なブランディングのステップをまずは精緻に検討する
・自社の視点だけではなく、相手の視点からも見てみる
・「どうブランドを定着させるか」まで長い期間で検討・実施する
・自分たちの業界だけではない広い目線で検討してみる


という5つのポイントしっかりと踏まえた上でブランディングを検討していくことが大切だと思いました。

最後まで読んで下さりありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?