新ビジョン2050

新ビジョン2050 地球温暖化、少子高齢化は克服できる

筆者の小宮山宏さんが大学院のオムニバス授業で講師として登壇したことをきっかけに読んでみることにした.

サブタイトルに「地球温暖化、少子高齢化は克服できる」とあるが,私の経験上(たかだか22年ですが)このような問題に対する主張は感情論になりがち,という考えから読み始めるときに期待はなかった.

21世紀の社会が抱える問題の根本が飽和にあるとし,それを解決するキーワードが省エネルギーと再生可能エネルギーだという主張から始まる.「よく聞く話」と思ったが,その主張を裏付ける根拠には説得力を感じた.

地球温暖化と少子高齢化を大目標とし,それらを解決するために考えるべきことはAとBとC...で,Aを解決するにはaとbとcを考えて,aを解決する手段(技術)はここまで進んでいて,これからも発展して行くだろう(この予想を裏付ける事例ももちろん指摘している)のように最終的な問題を解決するために問題を細分化して全てを克服した際に大目標も解決していると抽象化できるように思った.

根拠に説得力を持たせるのに何をしていたかをいうと,情報の可視化である.各国のGDP・資源消費量の変化など,数値的根拠が明確で「そんなのただの妄想では?」と思わせない.相手を説得するのに必要な手順をきちんと踏んでいるようと思った.

考えてみれば,
・問題解決のために必要な事項を列挙し細分化した問題をそれぞれ解決する
・主張を裏付けるデータを持ってくる
当たり前のことである.

これを考えていて思ったことは「受験勉強も同じ」ということだ.「この問題を解くためにはこれとこれとこの知識が必要だが,いまの自分にはこれが足りなかった.だからこれを見直す」「模試などを通じて自分の成長を客観的に可視化する」を繰り返して本番に備える.

技術が日々進展し,情報が常にアップデートされ,何が正しいのか自分で判断していかなければならない時代.自分に何が足りなくて,何が強みなのか.

自己啓発本ではないはずなのに,自己を見つめなおす必要性を改めて感じた.


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