短歌だよ、調布に集合ッ


調布まち
つつじヶ丘から
深大寺
桜並木の
野川を歩く

固有名詞だらけなので、解説の必要はないですね。
しかしながら、すべての固有名詞が季語のようです(ですか?)。

調布まち
柴崎国領
甲州道
調布ヶ丘から
多摩川望む

地名とランドマーク的なものと、あと川を入れ込むのがポイントですね。
知っている人からしたら、あーそれそれな!となる(はず)でしょう。
ちなみに、「調布ヶ丘」とは、ただの地名であって、別に丘ではないため、
丘から川を見晴らす、みたいなことは実際には出来ません(ウソでした)。
しかし、1つ目の「桜並木の野川」は、本当に桜並木があります。
毎年4月に野川沿いにある会社がライトアップイベントを行っており、大人気なのです(コロナ禍は中止していましたが)。

調布まち
飛行場から
見渡せば
布多天さまの
護る里かな

「飛行場」とは、みなさんご存知、ユーミンの「中央フリーウェイ」にも登場する、「調布飛行場」(歌詞中では、当時は米軍管理下だったため”調布基地”と表記されている)のこと。
「布多天さま」とは、調布駅駅前甲州街道付近にある「布多天神社」(住所は調布ヶ丘)のことで、この辺の布田という地名(かつて甲州街道沿いの布田五宿という宿場だった地域)の総鎮守だったことから、いまでは調布全体の護り神(菅原道真を合祀してもいる)となっています。

調布まち
水の木茂る
肥沃の地
ひろばで会うは
ゲゲゲの鬼太郎

やはり調布といえば、この御仁を外すわけにはいきません。
わたしが敬愛する「水木しげる」氏です。
「水の木茂る」としたのは、語呂を良くしたということもありますが、「緑豊かな」という意味合いもあります。
そのため、あとに「肥沃の地」と続けているわけでして。
「ひろばで会うは、ゲゲゲの鬼太郎」とは、調布駅は随分前に線路を地下化しているのですが、そのかつての線路跡地の一部を現在「鬼太郎ひろば」として有効活用しているんですね。
そこには鬼太郎をはじめ、主要キャラが勢揃いしていて、毎日市民が鬼太郎たちに会いに行って一緒に遊んでいるわけです。
ちなみに、鬼太郎に会えるのは、1つ前の「布多天神社」の裏にある森です。ホンモノの鬼太郎に会うには、ここに行く必要があります(本当)。

調布イオン
角川大映
日活のまち
浅き眠り(ゆめ)こそ
楽しき映画(ゆめ)見る

映画についても、やはり触れておかないといけないですね。
市外の人からしたら、なぜ調布が映画を推しているのかたぶんピンとこないと思います(ヘタすると調布市民も知らない可能性)。
経緯を辿ると結構ややこしいので簡単に言うと、1930年代にとある映画撮影所が調布市内に出来て、それから諸事情が多々あり、現在「角川大映スタジオ」(住所は多摩川)と、その親戚筋にあたる「日活撮影所」(多摩川沿い)があるから、「調布=映画のまち」となっているんですね。
それ以外にも、高津装飾美術(そのまんま)、アーク・システム(照明機材)、東映ラボ・テック(フィルム現像)、東京現像所(編集・修復)、白組(制作)など、映画関連会社が多数ひしめいているわけです。
ちなみに、1つ目の解説で「野川沿いにある会社がライトアップイベント・・・」と書きましたが、この会社が実は先ほど挙げた「アーク・システム」だったりするんですね。
「浅き眠り(ゆめ)こそ、楽しき映画(ゆめ)見る」とは、夢うつつな浅い眠りの時に見る夢っていいよねって意味です。
と同時に、映画を観ながらついウトウトしちゃっている状態ってなんだか気持ちいいよね、って意味でもあったりします。
調布イオンシネマにはなんだかんだでお世話になっております。

#推し短歌

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