一人暮らし初心者は見落としがちだけど、無いと地味に詰むことがあるたった一つの冴えた小道具
進学、就職、転勤、一念発起…。春は色んな理由ではじめての一人暮らしに身を投じる人が増える季節。
いいですね、一人暮らし。いいですね、新居。空っぽの部屋を自分色に染められるなんて、なかなかないことですから。
好きな柄のカーテン、小洒落たソファー、薄型テレビ、可愛いカトラリー、ドラム型洗濯機……。
ウフフ、ウフフ……。
こらこら、目を覚ませ一人暮らし初心者よ。
あなたの一人暮らし生活は、もしかしたらこれが無いせいで詰むかもしれないんですよ。
たった一つの冴えた小道具
それが、こちら。
なに……? なにこれぇ。なんて名前……?
調べてわかりました。あなた、【蓋オープナー】っていうのね。
私はこの蓋オープナーを、一人暮らしを始める時に親から渡されました。渡されたと言うか、気付いたらあったので多分家族が荷物に入れてくれたんでしょうね。
とは言え、私は別に極端な非力というわけではありません。
ただ、あまりに不器用なのです。焼き肉屋のトングで腱鞘炎になりかけたり、駅のホームで買ったペットボトルの蓋が開かずに隣に居合わせた人に開けてもらったことはあります。
そんな私にとって、この蓋オープナーは今でも生活に欠かせないとんでもなく冴えた小道具です。
同じ家にいるのが一人でも三人でも百人でも、結局のところ、蓋と一騎打ちをすることになれば、信じられるのは己の腕だけ……。
こんなもの要らないとお思いか?
あなたが力持ちであったり、ネット検索が得意であったり、健康な状態であったりするならば、そう思うでしょう。
自分は今までに、蓋を開けるのに苦労したことがないから……。
「硬い蓋 開け方」「オープナーがない時の蓋の開け方」で検索すればよくない? ほら、輪ゴム巻き付ければ開く、あっためればいけるって書いてあるし……。
ええ! そうでしょう、そうでしょう!
だから、目を覚ませ一人暮らし初心者よ。
ここは戦場だぞ。
蓋が固まる間もなく、瓶の中身を食べ(使い)切れる時代は終わりました。
実家と違って、一人暮らしの部屋には「なんか知らんけど転がってる丈夫な輪ゴム」なんてありません。
あなた自身も、いつも万全の状態(普通・平常運転)でいられるとは限らないのです。突然の骨折、インフルエンザやコロナと言った体力を消耗する&隔離が必要な病気、一秒でも早く寝たい残業明け……。
それでも目の前の蓋は、あなたが開けない限り開きません。
(そう言えば、こちらの本に「ジャムの蓋が開かなくて困っている友達に呼び出される」という描写がありました。実際はいつでも自転車でパッと来てくれるところに友達が住んでいるとは限らない、それが一人暮らしの恐ろしい所👇)
もっと素敵なことで思い悩むために
蓋が開かない。
小さなことですが、日々積もり積もると間違いなくストレスになります。
そして、慣れない一人暮らしに不安を抱え疲れていると、こんな些細なストレスでさえある時ドバッと溢れ出て、苛立ちや悲しみや寂しさに変わるのです。ホームシックになる人もいるでしょう。
でも、せっかく一人暮らしを始めたばかりなんですから、もっと素敵なことで悩みたくありませんか?
一人で食べる晩御飯って味気ないねとか、いいこと/辛いことがあった時に話せる人がいたらいいのにとか。学校や職場でどうやって頑張ろうとか、新しい街に居心地の良いカフェや本屋がないか探さなきゃなとか、なんかそういった類の素敵なことで。
そのためにも、目の前の蓋は手早くぱぱっと開けてしまうことをおすすめします。
そして中身をパンに塗り、コップに注ぎ、サラダにかけて美味しくいただきましょう。肌に塗り、シンクを磨き、洗濯物をふわふわにしましょう。
そういう小さな積み重ねで、人は一人暮らし上級者になるのです。
きっとその頃には、あなたはもう蓋が開かない程度では揺るがない、楽しい一人暮らし生活を送っているはずですよ。
※最近は色んな種類のオープナーがあるみたいですね。びっくり……。
noteにログイン中の方はもちろん、ログインしていなくてもこの記事に「スキ(♡)」を送れます。「スキ」を押して頂くと、あなたにおすすめの音楽が表示されますので、お気軽にクリックしてみて下さいね。
その他、矢向の割と丁寧な雑談はこちら。
よく読まれている矢向の記事はこちらです。
許可なくコンテンツまたはその一部を転載することを禁じます。(オリジナル版、翻訳版共に)
Reproducing all or any part of the contents is prohibited without the author's permission. (Both original ed. and translated ed.)
© 2023 Aki Yamukai
もし記事を気に入っていただけたら、サポートもお待ちしております。