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忘れられない2000年代J-ROCK

 私が一番J-ROCKを聞いていた時期は2000年代前半でした。あれ以来、今では色んなジャンルや地域の音楽を聞くようになりましたが、それでもいまだに忘れられないJ-ROCKがいくつかあるので、書き残しておこうと思います。


ACIDMAN / 赤橙(2002年)

 このバンドの曲は、なんとなく抽象的・詩的な表現が多いのがとても好きです。歌詞を読むと、単語やセンテンス個々は意味がわかるのですが、全体として何を言っているのかわからない感じ、それがいいです。
 『赤橙』の、スリーピース・バンド特有の「音のスカスカ感」を活かした雰囲気は今でも大好きで、イントロを聞くだけで心臓の下の辺りがふわっとなります。
 当時は、音楽フェスにACIDMANが出ると午前中にさっさと出番を終わらせて後は普通にライブを観てる……とか、一般客と一緒にテント張ってるなんて話がよくありましたが(実際、ふらふら歩いてるのを見かけたことがあります)、今ではどうなんでしょうね。


ASIAN KUNG-FU GENERATION / 君という花(2003年)

 まだどことなくもさっとした気配があった頃のアジカン。小さいライブハウスで鳴っていて欲しい規模感の音楽。私がアジカンを一番聞いていたのは、この『君という花』を収録したアルバム『君繋ファイブエム』。それ以降はあまり聞かなくなってしまいましたが、この一曲は忘れられません。
 更にこの数年後、2009年にアジカン主宰の音楽フェス『NANO-MUGEN』にイギリスのロックバンド、HARD-FIを呼んでくれたのがとても嬉しかったのを今でも覚えてます。

 このざらっざらしたガレージ感が最高に好きです。あのフェスでしか私はこのバンドを観られなかったので、アジカンどうもありがとうとしか言いようがありません。


レミオロメン / 電話(2003年)

 まだ「♪こなーーーーーーぁゆきーーーーーーぃねえ」と歌う前のレミオロメン。遠距離恋愛の曲で、二人の距離が遠いことを「天気予報が違うくらい離れてしまった」と表現するのがもう痺れました。
 実は、私が初めて行った野外音楽フェスでライブを観たのがレミオロメンでした。フェスの熱量に圧倒されてながらも、太陽の下で飛び跳ねていたのを思い出す曲でもあります。


LOST IN TIME / 列車(2004年)

 静かで美しいメロディに反して、サビの激しい魂の叫びが本当に切実で苦しい、そしてやっぱりそれも含めて美しい。こんなに悲しい叫びある? と胸が苦しくなります。ただ「エモいよね」という言葉では収めたくない、でも、じゃあこの曲を耳にした時に心臓を鷲掴みにされる気持ちは一体何なのかと言われたら、本当にわからない。

 このバンドは、なんというか、こう、とても内向的と言うか不器用と言うか……。決してシーンのど真ん中にいて光り輝いているわけではなく、夜中に偶然見つけた洞窟の中で光ってる青い石みたいな、「届く人には届くんだな……」という気配が好きでした。
 紆余曲折を経て活動は続けていたようですが、2022年に寂しいお知らせがあったようです。


THE BACK HORN / コバルトブルー(2005年)

 こんなのイントロだけでもう好きになっちゃうでしょ……。THE BACK HORN節が冴え渡る激しい曲調、疾走感あるボーカル、そしてやぶれかぶれだが決して絶望はしていない彼ららしい歌詞。もう最高。
 ライブでやったら確実に客席がめちゃめちゃになるような曲もあるのに、一方で『美しい名前』のように切なくて涙が流れてしまいそうになる楽曲もある……。どんな方向性の曲でも、歌詞がどこか文学的というか、言葉を大事に使おうとしていることが伝わってくるのも好きです。THE BACK HORNは本当に魅力的なバンド。


チャットモンチー / ハナノユメ(2006年)

 まだ「♪シャングリラ」と歌う前、そしてメンバーが三人いた頃のチャットモンチー。
 私がこのバンドを知ったのは、新宿ミロードの店内で『ハナノユメ』が流れているのを聞いたのがきっかけでした。あまりに心を射抜かれて、そのお店の店員さんに「このバンド誰ですか? 何の曲ですか?」と質問し、その足ですぐそばにあるタワレコに向かったのを覚えています。

 そう言えば、この曲が収録されたアルバム『耳鳴り』のジャケが、なんでか2005年リリースのLittle Barrieのアルバム『We Are Little Barrie』(ド名盤です)とそっくりなんですよね。そもそも元ネタがあるのかな?

『耳鳴り』のジャケット(公式ホームページより)
こちらが『We are Little Barrie』(Apple musicより)


 

 この頃があるから、現在の自分の音楽の好みや遍歴があるんだなあと思うと感慨深いものがあります。今の活躍しているバンド、形を変えて活動しているバンド、そうではないバンド……と様々ですが、これらの曲が心に残り続けることだけは変わりません。
 ありがとう音楽、これからもよろしくな音楽!



2010年代のロック、ボカロを選んだ記事もありますので、あわせてどうぞ。


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© 2022 Aki Yamukai

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