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4th children 第1話

イントロダクション

ハイパープロトン鉱石


2112年、世界は連合国、メタ・バシリオ、ヒューマノーム教国の三つの国家で運営されていた。

連合国は民主主義の原則に基づき、小さな国家の連合体として統治された国である一方、メタ・バシリオはAIによって統治され、全てがシステム化された国であった。
また、ヒューマノーム教国はヒューマノームという脱AIを信奉する宗教の国であり、メタバシリオから独立し、独自の国家運営を行っていた。

しかし、2112年に連合国軍により、月の深部にあると言われるパイパープロトン鉱石が発見されると、この鉱石をめぐり3ヶ国間で大戦が勃発。

この鉱石は核融合炉の1000倍ものエネルギーを秘めていると伝えられ、その力を手に入れることができれば、国家の未来が大きく変わる可能性があった。

第一話:強襲

月面採掘都市

2173年。ジェームス・ヒラオカ少尉は、連合国軍のアルファ小隊に所属し、月の採掘部隊の警護任務に就いていた。
その日の警護任務を終え、母船ビッグマザーの自室でリラックスしていたヒラオカだが突然、館内アラートが鳴り響く。

母船ビッグマザー

「緊急事態発生!緊急事態発生!エリアB2第4採掘場にてメタ・バシリオによる襲撃を確認。全員、館内の安全な場所に避難してください。」

「クソ。何度目だ。寝る間もありゃしねぇ!」すぐにサイバージャケットに着替えるヒラオカ。

そんな中トニー・マクレガー中佐から無線連絡が入る。
「アルファ小隊へ告ぐ。エリアB2第4採掘場にてメタバシリオの襲撃を確認した。うちのトルーパーを先に向かわせているが、急いで準備してエリアB1中央棟に集まってくれ。」

連合国軍製トルーパーI型(AI兵士)


エリアB1中央棟に着いたヒラオカだったが、すでに同じ部隊のノア・ウィリアムス大尉とシャーロット・エヴァンス少尉は現場に到着していた。

エリアB1中央塔

「おせぇな。クソでもしてたか?」
到着早々、ウィリアムスが憎まれ口を叩く。

「早着替えがご自慢みたいだな。」
ヒラオカがすぐさま言い返す。

「マクレガー隊長が来ないわね。」
エバンスが2人も会話を遮るように口を開く。

すると、マクレガー中佐から無線が入る。
「みんな聞こえるかー!突然ですまないが、ビッグマザーにメタどものトルーパーが攻めてきててな!生憎、サイバー隊員は俺だけで、こっちは手が離せん!先に現場に向かってくれ!」

メタ・バシリオ製トルーパーI型(AI兵士)

「母艦まで攻めてくるなんて珍しいわね。まぁ隊長がいるから大丈夫だろうけど」
エバンスが口を開く。

「何かあるな。」
ウィリアムスが訝しげな表情を浮かべている。

「とにかく現場に向かうぞ!」
ヒラオカが開口1番走り出す。

現場に向かう三人の間には、ただならぬ緊張感が漂っていた。


第一話の登場人物紹介

チームアルファ小隊

ジェームス・ヒラオカ少尉

主人公。連合国軍アルファ小隊の隊員。
月面採掘隊の護衛任務についている。
両親をメタ・バシリオの軍人に殺され、その恨みから連合国軍のサイバー軍人になった。
同僚の天才ノア・ウィリアムスをライバル視している。
階級は少尉。不器用だがそのガムシャラな性格には定評がある。通称、連合国軍で最も諦めの悪い男。古い先祖が小説家らしい。
サイバージャケットはライダー。

ジェームス・ヒラオカ-ライダー
ノア・ウィリアムス大尉

連合国軍アルファ小隊の隊員。同期最速で大尉に昇格した天才。実力はあるが個人プレーが目立つところがある。兄が1人いる。
ヒラオカに一方的にライバル視されている。
サイバージャケットはドロフォノス。

ノア・ウィリアムス-ドロフォノス
シャーロット・エヴァンス少尉
アルファ小隊の紅一点。
常に冷静沈着で暴走気味のジェームスとノアの手綱を握る。
姉がいる。
サイバージャケットはキャバリア
シャーロット・エヴァンス-キャバリア
トニー・マクレガー中佐

チームアルファ小隊隊長。
救国の英雄。7年前メタ・バシリオに拉致された連合国副大統領をたった1人救出した。
連合国軍最速の兵士と言われている。めんどくさがり。
サイバージャケットはスピットファイア

トニーマクレガー-スピットファイア

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