咲坂伊緒を尊敬する

少女漫画のはしっこって、見たことあります?
あれ、私は秘かに楽しみにしています。
少女漫画じゃなくてもあったりするけど、作者の日常や考えが、エッセイのように綴ってあるの。

それでね、咲坂伊緒先生の端のエッセイが、結構面白いの!!
で、なんといっても、漫画自体が、なんか、面白いの・・・。
思わず逆にテンション下がっちゃったけど、面白いっていうか、一言では言い表せんよ。
漫画のキャラクターの表情と一緒。なんで、こんな微妙な感情を、表情を、描き分けられるんだろう。
もう尊敬しかないです。

で、「尊敬しかないです!!」って、咲坂先生に自信満々に言ったら、
「ありがとうございます・・・。恐れ多いですがその気持ちはとても嬉しいです。これからも慢心せず、日々漫画を描いていきます」
って言いそうな人柄がさ、漫画の端っこエッセイから伝わってくるのさ。
↑あっ、これ、実際に伝えにいったわけじゃないよwでも言いたい。咲坂先生、このnote見てくれないかな。

全然まとまらないけど、思いついたまんま書いていくね。

昨日ゲオで咲坂先生の「思い、思われ、ふり、ふられ」の8巻、9巻を借りた。
で、今日午前でやっと読み終えた。
「漫画2冊で時間かかりすぎでしょ」って思われるかもしれないけど・・・
この漫画読むのに私・・・
すごく時間がかかるんです。

なんでかって、
・毎話、読者が「えっ・・・?」ってドキッとくる大きな“キメの瞬間”がきちんとある。
・小さなドキドキもある。
で、ドキドキしたり、ふとした拍子に
「私もこんなことあった・・・」
「私の好きな人は、どうなんだろう」
「今の私はなんなんだ。忘れてたよ、思い出した、こういうこと思ってたんだよ、私・・・」って
2、3ページごとに振り返ったり、ちょっと泣いたりしてるんです。
んで、「あ、そういえば乾くんがなんで“行くなよ”って言ったんだっけ?」って続きが気になって、読み始めて、また2、3ページして意識が自分に飛び、ベッドで寝転がってまた悶える。
変な漫画読みスタイル。

でさ、自分のことを思い返すだけじゃなくて、咲坂先生の画力の高さにうっとりするんですよ。
「嬉しい」「悲しい」「ドキドキする」「焦る」「自分の感情に戸惑う」「ニュートラル」
キャラクターたちの表情が、全部違う。
それも、「描き分けるぞぉぉ!」って意気込みは感じない。
ただただ、一コマ一コマ、丁寧に、誠実に描いている。
ふんわりしているようなタッチだけど芯はしっかりしている。

ストーリー自体は、王道の少女漫画なんだよね。
ダブルヒロイン。昔から王子様に憧れていた由奈と、ちょっとドライなあかり。そんな二人が恋をして・・・?みたいな。
それから学校生活の中で、
「彼はもしかして○○にまだ気持ちが残ってるの・・・?」
「次の文化祭で決めなきゃ。」
「やっぱり、私、○○くんに胸を張って好きって言える私になりたい」
みたいなことをずっとやっていく感じなんだけど。
不思議。なんでこんなに読んでて飽きないんだろう。

それは、普通の日常も、咲坂先生が大切に過ごしているからなのかなって、
漫画の端っこエッセイを読んでいて、思った。
その感性こそ、この漫画が輝いている秘密なのかなって思った。

シャーペンについてるちっさな消しゴムの話。
お気に入りのパーカーを人から「ボロボロじゃん」って言われて驚いた話。
漫画の資料に、地元の見晴台を撮りに行ったけど、逆光でうまく撮れなくて、でも中学生男子が仲良く夕日を見ている姿に癒されましたって話。
クサカゲロウの話。
どれも面白いのよー。

咲坂先生が、自分自身を生きてるなって伝わってくる。
見過ごしてしまうような日常も、咲坂先生は楽しんでる。
だから、「思い、思われ、ふり、ふられ」がこんなに面白いんだなあ。


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