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書き起こすだけでは意味がない。 顧客事例制作のポイントは、『コンテンツ化』。

前回は、BtoBにおける顧客事例コンテンツの必要性とメリットについて考えました。

今回は、より具体的な顧客事例コンテンツの作り方、弊社で取り組んでいる方法と意識しているポイントをご紹介します。

これから顧客事例コンテンツを作ろうとされている方にとって、お役に立てれば幸いです。


失敗しない顧客事例の制作フロー例

まず、弊社で取り組んでいる顧客事例コンテンツの制作フローは以下の通りです。

①営業マンへのヒアリング
②取り上げる顧客の選定
③取り上げる顧客への提案・調整
④ヒアリング内容の作成
⑤顧客へヒアリング
⑥資料作成


①営業マンへのヒアリング

日々、最前線で顧客と向き合っている営業マンに顧客についてヒアリングします。購入する顧客は、どのような点にメリットを感じているのか?購入しない顧客は、どのような点に懸念を覚えるのか?

②取り上げる顧客の選定

上記で吸い上げたメリットを実際に体感している顧客。懸念に感じる部分を乗り越えて成果をあげている顧客。主には、この2点から顧客を選定する。普段から満足度が高い顧客には打診しやすく、満足度が低い顧客には打診しにくい。

③取り上げる顧客への提案・調整

社内の中でもその顧客といい関係を築いている社員に相談し、取り上げたい顧客へのアポイントをとってもらう。社内で事例作成の取り組みを行っている旨を話し、数いる顧客の中でなぜ御社を選ばせていただいたのかの理由を伝える。

①弊社事情で恐縮ですが…お願いが。
②事例作成の取り組みをしてます。
③事例取材のお時間もらえませんか?
④御社に相談した理由は…
⑤ぜひ御社にお願いしたいです。

④ヒアリング内容の作成

①で営業マンにヒアリングした内容から、「自社製品の魅力」と「自社製品購入時のリスク・懸念点」が浮かび上がりました。その魅力と懸念点を乗り越えて出した成果について、(自社の代わりに)顧客に代弁してもらうための質問を用意する。

・払拭したい懸念点
→年間契約が重い。途中やめづらい。

・顧客の成果
→長く付き合い、PDCAを定期的に回せるからこそ、着実に成果が出ていって、最終的には元が取れた。

・引き出す質問内容
→実際、はじめは年間契約ってどう思いましたか? 今、どれくらいの期間、継続利用されてますか? その中で、成果が出始めたのはどのようなタイミングでしたか? 成果が出始めた要因はなんでしたか?…

⑤顧客へヒアリング

選定した顧客に時間をいただき、用意した質問内容を元にヒアリングを行います。5W1Hに沿って、なるべく具体的に、定量的に、エピソードベースで伺うことができればベスト。

★ヒアリングを受ける側からすると、当日いきなり質問されても答えが思い浮かばないことや調べる必要があることもあるので、事前に質問内容を送付しておく。

★経営者、部長など、質問内容に沿って回答をいただくにあたって適任な方を人選するor人選いただく。

⑥資料作成

要点や伝えたいことがサクッと伝わる資料を作成する。資料デザインはフォーマットを作成しておき、文章や写真をはめ込むだけにしておくと効率的。


顧客事例コンテンツの活用法

効果的な顧客事例コンテンツは、セールス資料として活用する他にも幾つかの活用方法があります。

①営業マンのセールス資料

顧客(第三者)が証明・代弁してくれるリアルな事例があることで、導入・購入にあたって提案先が感じるリスクを軽減できる。

②SNS広告運用→リード獲得

潜在顧客がSNS上にいる場合、SNS上に広告を出して認知拡大を図ることができる。また、その広告から資料をDLできるような形式にすることで、リード獲得にも役立てることができる。

③営業マンの教育・育成

熟練の営業マンと新人営業マンの大きな違いの1つが、サンプル・場数の差。熟練の営業マンは、過去の営業経験から多くを学び、顧客の心理や不安、事例を知り尽くしています。新人営業マンにはそれがない。

過去の顧客事例をケーススタディとして活用して教育する、あるいは新人営業マンがいつでも顧客事例を引き出せるようにしておくことで、熟練の営業マンと新人営業マンの差が埋まり、営業力の向上につながります。

④ABM

アカウントベースドマーケティング(ABM)を行う際、ターゲティングした顧客に対するマーケティング、営業において活用することができます。多様な事例コンテンツを作成しておくことで、ターゲティングした顧客に合わせたコンテンツを提供することができ、顧客の関心促進につながります。


このように活用方法をいくつか挙げていくと、顧客事例コンテンツ作成は一度作れば多様な場面で活躍する「レバレッジが効く施策」であることがわかります。


コンテンツ化してこそ、活きる。

ここまで顧客事例コンテンツの作り方と使い方の一部をご紹介しました。

言うまでもなく、顧客事例コンテンツによって“売れる(売りやすい)”状態を作るためには、①活用できるものを作り、②有効に活用することが重要です。その中でも、顧客事例の効力を左右するのは①における「コンテンツ化」。

ターゲットと目的・用途から逆算したコンテンツ化(目的・用途・ターゲットに合わせて、収集した情報を編集する)を行うことではじめて顧客事例は効果を発揮します。


顧客事例は、ただ顧客から聞いたことをまとめるだけの資料ではなく、読んだ人の役に立つコンテンツ、読んだ人の心を動かすコンテンツに。


次のような項目に当てはまる企業がいらっしゃいましたら、ぜひ一度事例コンテンツ作成に取り組んでみてはいかがでしょうか。

《顧客事例コンテンツが合う企業像》
■ 事例を豊富に持っている。
■ 導入リスクが大きい商材を扱う。
■ リード獲得動線を探している。
■ 社内に制作・マーケティングリソースがある。…


弊社のお取り組みからお役に立てることがございましたら、お気軽にご相談ください。

株式会社オンリーストーリー
編集長 / プロダクトマネージャー
山崎
yamazaki@onlystory.jp


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