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【第2章インド猫と暮らす】どこに名医が?インドで獣医探し

猫に詳しい獣医はどこ?

2014年5月生まれと推定されるヤンマールも、7月には生後三ヶ月になります。狂犬病の予防接種、ならびに今後の帰国検疫を見越して個体識別のマイクロチップの装着が必要です。

私は、信頼できる獣医は日本国内でも簡単ではないかと思ったりしていますが、更に猫を飼う文化がほとんどないインドなので更に心配な点でした。

デリー、ムンバイなどの大都市ならいざしらず、ガンディナガルの辺鄙なところで果たして腕のよい獣医師が見つけられるのか、それともはるばる遠くへ出かけていく必要があるのか。

ネットの評判はいかに?

まずはGoogleで「Gandhinagar Veterinary」や「animal doctor」を入れて検索してみました。すると、予想よりは多くの検索結果が出てきて、30キロ以内に10件あまりの獣医師がいることがわかりました。

しかし、大半はホームページを持たず電話番号のみで印象の持ちようもありません。いくつかあるサイトでも、家畜や犬を専門にしている様子。ネットを頼って探すことはあきらめました。

知り合いの口コミ

口コミを探すにしても、誰に聞くかが大切です。そこでいくつかの条件を設けました。

条件1 通院実績
・実際に長期間かかっているか
・複数を比較検討した経験か

一つ目にあげたのは、実際の利用した経験があるかどうかです。「評判がいいらしいよ」という、又聞きや噂レベルはできれば避けたいと思いました。次に、できれば、その利用者が複数の選択肢を比較検討した結果、その獣医にかかったというプロセスを経ていることです。

条件2 ペットに対する価値基準が似ている
・衛生基準
・ペットの家族内での位置づけ

第二の条件は、口コミの主の価値観が、飼い主である私たちのそれに近いかどうかという点です。価値観をもう少し分解すると、衛生面、ペットの家族における位置づけです。日本で暮らしているとこの衛生基準が非常に高くなります。そんな価値基準でクリニックを評価できる基準を持つ方、またインドにおいてペットのプライオリティはまだ高くないと聞いているので、家族同様に大切にペットを飼っているという点も重要な点です。

条件3 クリニックまでのアクセス
・車で1時間以内

第三の条件は、通いやすさです。インドの交通事情はカオスです。猫をゲージに入れて運ぶ場合、外の音が直接聞こえるオートリキシャーは必要以上に驚かすことになるため向いていないでしょう。都度タクシーでいくことになります。移動のストレスや必要な費用を考えると、一時間以内に到達できることが必須条件です。

ゴールデンリトリバーを飼っているお屋敷に聞いてみよう

以上の三つの条件に当てはまる方が、はたして近辺にいるのだろうかと考えました。

周りにたくさんいるインドの大学院生たちは、学生寮でペットを飼えないので、獣医のいる場所はおおよそ知っていますが、上記で私があげた条件から外れます。お隣の都市アーメダバードには、日本人駐在員が数十名みえますが、ペットを飼っている人を今のところ知りません。

そこで頭に浮かんだのが、地元の名家の奥様です。パートナーの志帆が小学生と中学生の娘さんの家庭教師に伺っているお屋敷には、二頭のゴールデンリトリバーがいると聞いていました。その奥様は、日本の出身で、アーメダバードの繊維業を営む名士と結婚された後、デザイナーとしてアーメダバードを拠点に世界中で仕事をされています。インドで飼われている犬の中では、かなり質の高い生活をしている稀有な存在でしょう。この方しかない、と思いました。

さっそく問い合わせてもらうと、快く二人の獣医を紹介してくれました。その中でも、猫を診てもらうのにより向いているとアドバイスをもらったDr. Chiragにアポをとりました。まだヤンマールを運ぶキャリングケースがなかったこともあり、まずはDr. Chiragに猫を連れずに会いにいってきました。


一回目の訪問で確認したこと

2014年当時のペットクリニック。現在は移転されています。

ガンディナガルのNID自宅からアーメダバードの市街地まで、車でおよそ45分ほど。立ち並ぶ商業施設の少し奥まったところに紹介された獣医さんはありました。外側は、喧騒けたたましいインドそのものといった立地環境。しかしPETS' CLINICと書かれたクリニックに入ると、第一印象は、「とてもきれい!」でした。こじんまりとしたクリニックですが、整理整頓、磨き上げられた器具や部屋がそこにはありました。

アーメダバードの獣医師Dr. Chirag Dave


獣医師のDr Chiragも、とても誠実そうな印象でした。こちらも予め日本の検疫基準やヤンマールの生い立ちなどを説明できるものを印刷して持って行き、お願いしたいことを納得出来るだけ伝えられるようにしました。

ドクターは、丁寧に説明してくれるので、ひとつひとつ納得することができました。条件には入れていませんでしたが、ドクターのコミュニケーション能力や態度はとても大切な要素です。こちらの話を聞く耳を持たない、共感がない、何かを必要に売ろうとしてくるなどの態度があるならやめた方がいい可能性が高いです。そういった意味でも、異国での獣医探しにはまず一回ペットなしで面談にいってみることをおすすめします。

検疫に必要な書類、ヤンマールのプロフィールを持参。接種が必要なワクチンも見せてくれました。


私たちは、今回の訪問で強い信頼感をいだくことができたので、次は狂犬病の予防接種にヤンマールを伴って再訪問することにしました。そのためには、猫用キャリングゲージと猫を載せても嫌がられない交通手段を手配する必要があります。それらも探さなければです。

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