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株式トレードのストラテジー(計画立案)

株式トレードの持続的な成功のために不可欠なことは、事前にトレード計画を立案する(ストラテジーをたてる)ことです。「規律(ルール)に従ったトレード」は大切ですが、ルールは規則で概念のようなイメージ、ストラテジーは計画で具体的なイメージです。具体的に計画をたてることで、個々の銘柄の、それぞれで異なった値動きにも対応できるようになります。この記事では、数銘柄のトレード前のストラテジー、保有中の変更など、実践を交えてどのようにトレードしたか解説していきます。

前提となる損小利大のルール

損失と利益に傾斜をかけている損小利大のトレード下では、トレード成績が50%であっても、その差分でどんどん利益が積み上がっていきます。数学的に表現するのであれば、Profit factorが上がるためには、大きく「平均損失を抑える」「勝率を増やす」ことが大切だからです。特に平均損失を抑えたい時には、損切りラインを事前に設定し、しっかりまもることが大切です。むしろ、損切りラインが明確に見えるタイミングで、トレードを立案し実行します。私の場合は絶対にまもる損切りライン(mathematical stop)は8%未満に設定しているので、直近の株価変動(volatility)が8%未満の時に、トレードを立案します。

$NBIXトレードのストラテジー

まずは$NBIXのトレードストラテジーを紹介する。黒線が上値抵抗線、赤線が損切りラインとなる。handle部分は値動きが軽く、出来高も軽い。ただベースの中段であり、ベースの左上部にoverhead supply(赤丸)が多く、強気にポジションをたてる自信はなかった。

Neurocrine Biosciencesは、神経科学に焦点を当てたバイオテクノロジー企業です。主に中枢神経系障害や内分泌系疾患などの疾患に対する治療薬の開発、製造、商業化を行っています。MarketSurgeG250にも何度か出てきており、RS値80以上で、EPS ratingやSMR ratingも高い優良企業です。Volatility 11%のflat baseを形成しており、ベースの中段で3/8に出来高高く上昇し、3/10と3/11は出来高低く陰線があり(黒丸)、mid-cheat entryを考えていました。この時のUp-down volume ratioは1.2でpositiveでした。この時のストラテジーは、3/8の高値$140.33を超えた時にentryし(黒線)、ちょうど3/8の安値である$136.27(赤線)が2.8%下落のポイントで良い抵抗線になりそうだったので、まずはそこにポジションを半分にする第一損切りラインを設定し、全て売却する絶対防衛ラインは8%下落の$129.1のラインに設定していました。どちらも引っかかると平均で5.4%の損失です。またたてるポジションサイズは、まだoverhead supplyも多く(赤丸)、early entryだったので、たてる予定のポジションの半分でのentryです。その後は3/13にすぐに出来高を伴って値上がりし(黒矢印)、予定通りentryし、このままするすると上昇してくれればいいなと期待していました。

$NBIXはトレードが失敗した例である。今思えば、handle部分は軽かったが安値が切り下がっておらず、だましのパターンである可能性を考慮すべきだった。

この後どのように進んでトレードしたかですが、3/21にoverhead supplyが全てなくなる抵抗線でbreakoutしたかのように見えましたが、寄りの早い時間で値上がりし引けにかけて売られ、breakout失敗となりました(青矢印)。かなり弱い動きなので自分の中で黄色信号を点滅させていましたが、その翌日の3/22は前日の安値を更新するunder cutの弱い動き(橙線)で、黄色信号がさらに点滅しました。次に自分が設定した第一損切りラインに到達すると黄色信号3つで赤信号に昇格する(完全アウト)ので、絶対防衛ラインまで待たずに第一損切りラインで全てポジションを手仕舞う方針としました。来たる日は早く、3/27に全売却としています。従来であれば5.4%の損失の予定でしたが、最終的に平均2.8%に損失を抑えることができました。このように、自分が許容できる損切りラインを複数設定し、ストラテジーをたてた上でentryすると、心に余裕を持って損失を受け入れることができます。弱い動きが見られたら最終防衛ラインを繰り上げることで、さらに損失をコントロールすることができます。

$MODトレードのストラテジー

$MODはentry日の出来高は最終的に低かったが、その後の値動きが良く、良い場所でearly entryできたと思っている。今は包足で弱気のシグナルが点灯しているが、出来高はそれほど高くないため、良いhandleが形成されるかもしれない。

Modine manufacturingは自動車や産業用の熱交換装置やエンジン冷却システムを製造している会社です。データセンター向けの冷却ソリューション提供に実績があり、最近の決算書では、強い需要を受けてデータセンター向けの冷却システムのポートフォリオを拡大しており、AIブームの恩恵を受ける銘柄と捉えています。Volatility 23%のcup baseの中段に、上値$97.91(黒線)、下値 $90.7(7.3%)のvolatilityが収縮した領域があります。出来高も少なくなっており(黒丸)、Up-down volume ratioは1.1でした。ストラテジーは下記の通りに設定しました。
・early entryのためポジションは従来の半分で$97.91超えたらentry
・損切りラインは、下値抵抗線の$90.7は7.3%の損切りになるので、ここを最終ラインに設定し、買った日の安値で半分に減らす
・買い増しはbase上部でhandleが綺麗に形成された場合
出来高はそれほど高くありませんが、予定通り5/6(黒矢印)でentryしました。今は1桁のプラスですが、5/10にcupの抵抗線で包足を持って前回よりも出来高高く下落する売り抜けの弱い動きでしたので、黄色信号が1つ点滅しています。買い増しも考えているので、今後の値動きや出来高次第でどっちに転ぶかは分かりませんが、今後も弱い動きが続けば、entry日5/6の安値$95で全売却も視野に入れています。

$RDNTトレードのストラテジー

$RDNTは理想の形でentryできている。5/9はふるいおとしの可能性があるが、ストラテジーのおかげで売却せずに済んだ。ただ、値上がりスピードが早いので油断は禁物である。

RadnetはMRI、CT、X線などの医療画像の管理、解析、提供を行い、患者の診断と治療を支援し医療画像診断サービスを提供するアメリカの企業です。画像構築の段階で生成AIと組み合わせられるかは分かりませんが、今後はアメリカでCTやMRIの需要は増えていくと思うので、期待しています。Volatilityが14%(上値$49.41と下値$42.45)、7.7%(上値$49.94と下値$46.09)、5.1%(上値$49.85と下値$47.37)と収縮してきており、出来高も少なくなってきており(黒丸)、Up-down volume ratioは1.2でした。ストラテジーは下記の通りに設定しました。
・クラシックなVCPパターンなのでポジションはフルサイズ
・損切りラインは、第一損切りラインは最後のvolatilityの下値$47.37(赤線5.1%)と最終防衛ライン$46.09(橙線7.7%)
出来高を伴って5/1にbreakoutし、entryしました。株価上昇スピードが早いので今後売られるリスクが高まっていますが、株価は続伸中です。出口前略は、+24%の時点で半分は利益確定、その後は、まずは+16%点に、値動きがさらに伸びれば+24%点にstop loss(逆指値)をおいて、伸びるところまで保有するつもりです。

$NVDAトレードのストラテジー

みんな大好き$NVDAである。今後も儲けさせてくれることを切に願う。

Nvidiaは米国株投資をしている人であれば知らない人はいないほど有名な、2024年前半から最もよいパフォーマンスをほこっているAIのリーダー銘柄です。すでに2024年は利益を得ていますが、次なるエントリーを探っていました。Volatility 22%のconsolidation baseの上段に、上値$922.2(黒線)、下値$882.3(4.3%)のvolatilityが小さくなった領域があります。出来高も少なくなっており(黒丸)、Up-down volume ratioは1.2です。

さて、皆さんならどのようなストラテジーをたててentryしますか?

参考
チャート:MarketSurge (外部リンクに飛びます)
MarketSurge(旧MarketSmitj)に関する記事:MarketSurgeの紹介
米国株投資を極めるシリーズ
損切りは素晴らしい行為である


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