ガーシー氏報道に見られる警察の手口
肝心のガーシー氏が折れてしまい、暴露系ユーチューバからは卒業してしまったそうだ。
なんだかなあ、という気もしなくはないが、よくわからない流れになっている。
ところが面白いもので、ガーシー氏の逮捕は困難だという。
UAEという国の特殊性から、ガーシーが逮捕される可能性は低い。
にもかかわらず暴露系ユーチューバ―からの卒業を宣言し、実際に転向したという事は、警察を刺激しないようにしたというよりも、指示を出して警察を動かしていた背後にいる政治家を刺激しない為、という事なのだろう。
ガーシー氏の件に関しては、初期の頃から危険な話があった。
曰く、同じくアテンドを生業とする人達から、「暴露はルール違反だ」、「そんな事をされたのでは業として営めなくなる」との強い怒りの声が上がっていたとも言われていて、今後も続けていく為に、アテンドを受けていた側（政治家や財界人）と、業者側が結託し、ガーシーを潰しにかかるのではないか、という話だった。
実際、ガーシーの詐欺事件に関しては、警察は余りやる気がなかったと言われていて、警察署に被害相談に行った被害者達に対して、冷たい態度を取ったり、追い帰した警察官もいたと言われている。
ところがガーシーが暴露を始めて暫く経ってから、態度が変わり、全く逆に、告訴状を提出するよう、お願いして回ったという。
こうした「政治絡みの案件」に詳しい検察OB弁護士が解説する。
「国会議員を捜査するんだから検察への根回しは済んでいる。三木谷（浩史・楽天社長）や木原（誠二・内閣官房副長官）といった有力者も攻撃対象としていたから、内閣官房に連絡もしているだろう。ガーシー当選がある種の社会現象だということを考えれば、その捜査には慎重でなければならない。本格着手した段階で国策捜査となる」
上記記事とその引用はジャーナリスト伊藤博敏氏の署名記事である。
つまり、誰の目から見ても、国策捜査だったという事だ。
更に記事にはこういう一文もある。
「逮捕も当然」の機運を醸成するために
「ガーシー捜査報道」は、12月27日、「独占」と銘打った『読売新聞』のスクープによって始まった。
捜査主体は警視庁だが、前述の検察OBの弁にあるように検察の了解を得た国会議員捜査である以上、従来の政治家狙いの「特捜部案件」と同様に、捜査当局とマスメディアが一体となってガーシー議員の「負」を、あるいは場合によってはNHK党の「負」まで暴き出し、「逮捕も当然」という機運を醸成してのものになるハズだ。
世間ではあまり知られていないが、事件報道は、実は捜査の一環として行われる。
容疑者が重要参考人として連行されると、よく「『ムシャクシャしてやった』などど自供しており」等とアナウンサーが喋っているのを見かけると思うが、本当は、容疑者が自白などしていないケースがごく普通にある事をご存知だろうか。
恐らく多くの人は「えっ？」と思った事だろう。
これは本当の話だ。
警察は自白したというフレーズを報道する事によって、容疑者は犯人だという世論を作り、警察の行動を正当化すると同時に、取調中の容疑者に対して、心理的な圧力を掛けているのである。
「お前は犯人だ、さっさと喋れ（自白しろ）」、と。
ふざけた話だが、松本サリン事件で冤罪被害に遭った河野義行さんが正にこの手口でやられて、自白などしていないのに、勝手に自白したと報道されて、激怒した事実がある。
下記の記事ではその件には触れていないが、凄惨な報道被害の一端が垣間見える。
そういった警察の手口を知っていると、ガーシー氏の報道が、全く違った見え方になる。
例えば、国際手配された、という報道が執拗にされたのは、ガーシー氏が国際手配されるようなテロリストや凶悪殺人犯と同等の、危険人物だ、重犯罪者だという印象を国民に植え付けて、警察の行動を支持する人を増やす事が狙いです。
ガーシー氏に対して悪意あるネガティブキャンペーン的な報道をマスコミが必要に続けているのも、上記の記事にあるように、「『逮捕も当然』という機運を醸成」する目的で、意図的に行われているものです。
ガーシー氏が犯罪者として扱われるようになって以降、それまで中立的な報道をしていた芸能マスコミをはじめとする通常のマスコミは全て共犯認定を恐れて報道から手を引いたそうで、残ったのは警察の腰巾着をしている、警察から特ダネを取って生計を立てている事件報道を担当するマスコミなので、それでガーシー氏に対する非難報道、批判報道、中傷報道一色になるという、気持ちの悪い現象が起きているわけです。
無論、政治絡み、財界絡み、芸能絡みの問題ですので、ネット対策企業に依頼して、ガーシー氏を叩かせる活動も行わせていると考えられますから、ネット上も、批判一色、非難一色、中傷が飛び交う事になります。
ガーシー氏非難一色のマスコミを見て、本当に気持ち悪いなと思って見ているのですが、事件報道があった時には、一歩引いて見た方がいいですよ。
ガーシー氏の件に関して言えば、警察がマスコミを使ってここまで叩くという事は、恐らく、ガーシー氏を逮捕しようとしている警察の行動に、正当性は全くないのでしょう。
真の狙いは、ガーシー氏が政治家のスキャンダルをチャンネル上で暴露する事を恐れた潰しに他ならず、それ以外の理由は、ガーシー氏を潰す為にしつらえただけのものである可能性が高いのでしょう。
かなしいかな、この腐敗しきった国が、日本という国の本当の姿なんです。