実家が全焼した話⑨

 本当は銀行めぐりをする予定だったけれど、必要がなくなったので、次の日は位牌や墓のことなどで仏具屋に行く。
 墓の文字を彫り足すにもいちいちお坊さんの都合を確認しないといけないのが面倒すぎる。週末の法要の際の確認事項が増えた。

 その日の夜に、火事当日の話などを聞いた。
 最初連絡があったときに、なぜか弟が住んでないか確認されたらしい。もう5年以上も前に引っ越ししてますが?
 警察との打ち合わせなど諸々が終わって家に帰ってきたら、何故か焦げたような匂いがしたらしい。母、妹ともに感じたとのこと。
 誰も霊感ないのに、ホラーじゃん。


 全然関係ないけど、書類がどこにおいてあるかとか全く急ぎではないことで、職場の新人さんからこの2日ほどの間に2回ほど電話があった。キレそう。何かあったら電話しての「何か」はそうじゃないんよ。


 水曜日、ついに戸籍が出来上がる。
 ようやく色んなことに手が付けられる(付けなければならなくなった)!


 その前に妹の住民票、印鑑証明、戸籍謄本をとるために、(別の市の)市役所へ行って手続き。
 妹、戸籍動かしてなかった。
 まあ、近いしね。住所はうつしても戸籍は忘れてたのね。
 逆に考えれば、父と同じ戸籍で内容わかるから取り直さなくていいしラッキーだよ。うん。


 いよいよ父の分の手続きを進めに市役所へ。
 まずはこれがないと何も始まらない、除籍の記載のある戸籍謄本、住民票(除票)、出生から死亡までの改正原戸籍謄本をとる。
 何通いるかわからなくて、銀行とか土地の相続とか生命保険とか色々出さなきゃいけないから各10通ぐらいずつ要るんかな?と思って申請したら、渡される時に窓口の人にめっちゃ確認された。改正原戸籍と住民票を減らしてもらったけど、それでも5通以上とった。まあまあの金額がかかった。
 
 それぞれ原本提出して返ってこないのかと思ってたからたくさん取ったけど、銀行も保険会社もコピーとか取ったり、手続き終わった後返却されたから、いくら同時に複数手続き進めるにしてもこんなに要らんかった。戸籍と住民票各3通くらいでよかったし、改正原戸籍に至っては1通あれば十分だったわ。窓口で普通何通くらい取るもんなのか教えてもらえばよかった。反省。


 市役所だけでは出生した時の分の戸籍がなかった。これは改正原戸籍に記載されている市の市役所に郵送で請求をかけないといけない。引っ越しが1回だけだっただけマシかもしれない。


 発行手続きの受付の近くでマイナンバーカードの案内をしている人がいたので、そちらの手続きについて聞いてみる。死亡しても何かの機会にマイナンバーを調べる必要が出るかもしれないから、返却などはせずしばらくは持っておいた方がいいとのこと。
 焼失したこと伝えたらそのままで大丈夫って言われた。適当か?


 取ったばかりの戸籍をもって保険年金課へ。
 国民健康保険の失効手続き、年金関係の手続きの案内(年金事務所への案内。)、高額医療費請求、葬祭費支給申請書の説明を受ける。


 葬祭費支給申請書は会葬礼状か葬儀の領収書を添えて、喪主の名義で申請するみたい。振込先も喪主になるので弟に手続きしてもらう必要がある。5万円もらえるらしい。健康保険からの香典みたいなもんか。素朴な疑問、貯金なかったり、生命保険とか入ってない人とか、葬儀代どうしとるんやろな?

 年金関係では死亡一時金と、振込されてなかった死亡月の分の受取ができるらしいけれど、手続きは全部年金事務所になるらしい。年金事務所は事前予約しないと手続きできないらしい。死亡一時金は生計を同一にしている証明がいるらしい。でも、これは別世帯でも病院の送迎や必要な生活の補助などを行っていた証明ができればいいみたい。具体的に言うと第三者(病院とか)の署名をもらって生活を支えていた証明をする。
 今回、退院した直後に火災で死亡しているので、今回の入院分の高額医療費の請求もできるそうだ。領収書のコピーがいるから、どのみち病院へは行かないといけない。年金のことも併せて、日程的にも妹に丸投げになる。

 入ってくるお金は結構あるけど、手続きはめちゃくちゃ多い。
 今日まだいくつか市役所の課をまわる予定なんやけど、一つ目でこれって大丈夫かかなり不安になってきた。



【おくやみ窓口・ご遺族支援コーナー】
 自治体によっては、市役所におくやみ窓口やご遺族支援コーナーなどがあって、死亡後の手続きや書類作成などの相談にのってくれるサービスを提供している。(少ないけど)必要な提出書類を一括で作れるところもあるそう。利用するには事前予約が必要なところも多いので、利用予定がある場合は事前確認必須。
 デジタル庁が死亡・相続ワンストップサービスを導入を目指してるようだけど、マイナンバーカードのあれこれを見てるとあまり期待ができない(いつかはできると思う)。
 相続手続きは煩雑で分かりにくいので、せめておくやみ窓口を導入する自治体がもっと増えて欲しい(切実)。

【葬祭扶助】
 健康保険から出る補助金は5万円程度で、とても葬儀費用には足りないけれど、どうしてもお金がなくて葬儀できない場合は葬祭扶助という制度があるらしい。生活保護とか支払能力がないと認められた場合は、直葬にかかる分くらいの金額(20万円くらい)は地方自治体が負担してくれる。
 実際にお金がないという理由で、死体を放置していて死体遺棄で逮捕なんてことが何件もあるそうだ。こういう制度にアクセスしにくいっていうことが、一番の問題点のような気がするけどね。
 今回記事を書くにあたって、調べたら色んな制度が出てくるから全然知らん事だらけだとつくづく感じる。


⑩につづく


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?