実家が全焼した話⑦

 翌朝起きると熱は下がっていた。これで今日から色々と動ける。何とか間に合った。妹は私に付き合って一週間休みを取ってくれた。一緒に頑張ろう。


 旦那と娘が帰るので駅まで見送り。お昼ごはんをみんなで食べて、新幹線に乗って帰っていった。娘には「これからお母さんはお仕事があるから、しばらく会えないけどお父さんと二人でお留守番をお願いね。毎日電話しようね」と伝えると、「うん」と返事をしていた。心配。
 

 別れた後、そのまま地下鉄にのって法務局へ。
 法務局で土地・建物の登記と公図を入手する。その後、宅建協会で土地の売買に関することなどの無料相談に行く予定だ。
 

 法務局についたが、地番を調べるためのブルーマップが実家の住所の分はなかった。登記自体は取れるが、ブルーマップは該当地区の法務局にしか置いてないらしい。困った。

 会社に電話をかけて、仲のいいおじちゃんに家の実家の地番を調べてもらう。私用で使ってすまねえ。
 住所と同じ番号だったので、証明書発行請求機で整理番号を受け取る。
 同じ室内にある印紙売場で収入印紙を購入し、無事に登記簿と公図を手に入れる。とってみてわかったが、2筆だと思っていた地番は4筆にわかれていた。なんでこんなことになってるの?
 メインの土地・建物は担保設定はされていなかった。よかった。

 
 法務局から宅建協会は地下鉄で1駅分くらいの距離にある。天気もよかったので、散歩がてら歩いていくことにする。
 住んでいたころにはあまり通ったことのない道だったし、ここ数年で開発されたのか、きれいなビルやおしゃれなカフェが立ち並んでいて歩いていて楽しい。花がきれいに咲いている公園を突っ切って、宅建協会に向かった。

 
 宅建協会について受付で無料相談に来た旨を伝えると、受付の人が少し困った感じになった。
「もうすぐ終了の時間なので、受けれるか確認しますね」
 建物があいてる時間しか調べてなかったけど、無料相談は早く終わるみたい。悠長に散歩してる場合じゃなかった。
 ほんの少しだけ話はしたけど、結局まともな相談はできず。その様子を見てた職員の男性が、帰りがけに空家解体のパンフレットをくれた。
 何も無いよりはマシくらいの成果。
 

 妹に地元の駅まで迎えに来てもらって、ついでに市役所に行く。戸籍とかを取りに行ったが、まだできていなかった。水曜日の午前中に出来上がるとのこと。

 今日、何もすすまんかったやん……。
 ぐったりしながら帰る。
 父の入院していた時の荷物がそのままになっているそうなので、夜あけてみることにする。


【住所と地番】
 
普通に使ってる住所(住居表示)は必ずしも登記上の地番と一致するわけではない。(もちろん一致する場合も多い)
 なので、登記を取る前にはブルーマップという地図で地番を調べる必要がある。番号が青色で書かれているので、私が勤めていた会社では青色地番と呼んでいた。
 ニ丁目3番地4号とかだと思ってたら、二丁目30456-7とか位全く違うこともある。
 機械で受付する時は、地番が違ってたらその場ではじかれるだけだけど、窓口で受付するなら、あらかじめ調べてから書類を出したほうがたぶんスムーズに進む。
 家を買った年の確定申告にも登記簿は必要になるけど、マンションとかだと占有部分だけでいいので窓口で受付した方が間違いがないかも。

【抵当権と根抵当権】
 
根抵当権は会社経営者以外はあまり見ることがないかも。土地や建物を担保にどこの銀行が最大いくらまで貸しますよという設定をつけるもの。
 抵当権は皆が想像する通りの、借金の担保。
 根抵当権も抵当権と同じところに記載されるから、知らないと驚く。


⑧へつづく



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