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タイで性別適合手術するときはこれを持っていきなさい!(R6.2/19更新)

はじめまして。山浦つむぎと申します。
2023年6月5日にタイ・バンコクのガモン病院にて性別適合手術(SRS)をしてきました。
今回はビジネス書みたいなタイトルで、タイに持って行ってよかったもの、いらなかったものなどをまとめてみようかなと思いました。
筆者は陰茎陰嚢皮膚反転法を受けたMtFですが、その他の術式の方、FtMの方、SRS以外の入院手術を伴う形にも参考になれば幸いです。


ガモン病院(バンコク) ここで性別適合手術を受けました。

滞在期間について

 わたしは陰茎陰嚢皮膚反転法で手術を行ったため、滞在期間は6月4日から25日までの21日間です。
 1週間入院して、2週間は併設のサービスアパートに滞在しましたので、それぞれ役に立ったものが異なります。
 また、わたしの場合は出血が止まらず安静にしている必要がありましたので、観光で役に立つものはあまりありません。

持って行ってよかったもの

 まずは持って行ってよかったもの。大正解だったものです。持っていけばよかったなあ……というものもここに含めました。
 大体のものは現地で調達できますが、わたしのように外出制限がかかっているときは、近所で買えないものはアテンドさんに頼まなければならなかったりします。

スーツケース

 3週間の旅行用……なんていう巨大スーツケースはありませんので、飛行機の預け入れ可能な最大サイズのスーツケースをレンタルしました。
 しかし飛行機のチケットにもよるのですが、わたしが乗ったタイ国際航空の格安チケットでは預け入れ手荷物が20kgまで。通常のチケットだと30kgまでですし、他の航空会社でも27kgまでというところが多いので、これはちょっと厳しかったです。
 このサイズのスーツケースは格安品でも1万円を超えてしまいますし、買っても普段つかわないから置き場に困ります。ということでレンタルを利用しました。サムソナイトの8万円くらいするスーツケースを30日1万円で使えたのでラッキーです。なにしろ本体が非常に軽いので、その分荷物を預けられるわけですから。

帰りの荷物用スペース

 お土産……もなのですが、膣ありのSRSを受けた人はダイレーション用品を持ち帰ることになります。その中でも特に重くてかさばるのはQCゼリー。これは日本で買うより圧倒的に安いので、持ちきれる限界まで購入することをおすすめします。外箱は紙ですから100本分もあつまるとそれだけで1kgくらいになります。面倒でも箱は捨てましょう。
 最終的にわたしは超過手荷物料金を支払って詰め込みました。それでも日本で買うより安かったのでお得です。
 後悔したのは、もっと買って国際郵便で送ればもっと安かったかもしれないということですが、あまり効率を求めると疲れますw

手荷物かばん

 飛行機に預けるかばんのほか、持ち込める手荷物用のかばんも必須です。特にモバイルバッテリーは預け入れできませんので、必ずこちらに入れてください。
 空港の中ではセキュリティ通過前後とも台車を借りられますが、階段など入れないところもありますので、あまり重すぎると苦労します。

 洗濯することを前提に、2〜3着あれば充分です。入院中は専用の入院着を使わせてもらえますし、あまり外出できなかったわたしは、おしゃれする余裕もありませんでした。
 ふだんパンツスタイルの方でも、尿カテーテルのとりまわし、通院時やダイレーションのことを考えると、シンプルなスカートをおすすめします。どうしてもパンツがよければ、クロッチに余裕のあるものを選んでください。
 また、出血が多いと汚れます。それも気に留めておいてください。

下着

 手術後に女性用のパンツをはくと、突起物がないことを実感できます。それだけではなく男性用のパンツだとナプキンを取り付けづらくなります。
 どちらにせよ手術後すぐは汚れてもいいパンツを使いましょう。出血が多い場合だけでなく、トイレで用を足したあとの処置にまだ慣れてませんし。
 わたしはワゴンの格安パンツを買っていきましたが、サイズが表示よりかなり小さくて苦労しました。突起物が邪魔だとしても試着することをおすすめします(もちろん購入後ですよ)。
 現地でもパンツは買えますが、外出制限があったのでちょっと苦労しました。サイズが小さくてよければセブンイレブンにもあるのですが。

上着

 タイはめちゃくちゃ暑いので上着はいりま……す。冷房がきつい場所も多いしのでカーディガンが必須です。
 しかしなによりもきついのは紫外線。日焼け止めだけでは乗り切れません。UVカットのカーディガンをおすすめします。

病室はこんなかんじ。シャワールームもあります。

書類

 診断書やパスポートは言うまでもないのですが、手術費用を現金で持ち込む場合は税関に提出する書類も必要です。
 予め税関Webページを確認することをおすすめします。必要書類もダウンロードできますし、わたしみたいに字が汚い人間は活字で大丈夫です。
 タイ入国時には入国カードの提出が必要……だったのですが、2023年6月現在、省略されているようです。こちらもタイ大使館のWebページをご参照ください。念のため飛行機内にペンを持ち込みましょう。
https://site.thaiembassy.jp/jp/news/announcement/10866/

おくすり

 基本的に女性ホルモン剤を含むあらゆる薬品・サプリメントは一ヶ月前から服薬を停止するように指示されます。しかしわたしのように持病があって服薬が必要な場合もありますので、担当医とかかりつけ薬局、そしてガモン病院に相談しましょう。
 わたしはまずアテンドさん経由で普段のおくすり画像をガモン病院にみてもらって、OKが出たものを担当医に伝えました。NGがあれば担当医から代替案を提案して貰う予定でした。
 手術直前には滞在中に必要な量を処方したもらった上、薬局で英文の説明書を発行してもらいました。ガモン病院でも必要ですが、医薬品の場合は入国審査時にもあると心強いです。

生理用ナプキン

 現地で購入できますが、わたしのように外出制限がかかると苦労しますのでいくつかあると心強いです。ここでおすすめは使い捨てショーツ一体型の夜用ナプキン。これは出血がめちゃくちゃ多かったわたしにとって救世主でした。難点はかさばることと、少々お値段がすること。これももちろんタイで買えますので安心してください。

プラスティックのコップ

 手術後、起き上がれない間は水を飲むのにも苦労します。病院の飲料水(いわゆるガモン水)にはストローをつけてもらえますが、これがペットボトルより短くて簡単に沈んじゃうし、いっそ事前にペットボトルを寝たまま飲めるトレーニングをしておきましょう。
 しかしそれでもガモン水はボトルフチギリギリまで入っているので、コップに出すのが圧倒的に飲みやすいです。
 わたしは娘が小さいときに使っていた、赤ちゃん用の吸い飲みをつかいました。こぼさずに便利でした。
 ストロー付きキャップをおすすめされましたが、日本のものではサイズがあわないということもあります。おすすめはできません。

洗濯グッズ

 サービスアパートにはランドリーコーナーがあり、洗濯機が二台と乾燥機が二台あります。洗剤は現地で購入できますが、わたしは靴下やパンツだけなら部屋の洗面台で洗うことにしています。
 このとき便利なのが旅行用洗剤。冷たい硬水でも溶けるジェル状のものがチューブに入っているものです。手洗いしたあとは部屋の中にヒモをひっかけてそこで干します。このとき、洗濯ばさみを忘れると少し面倒ですが、室内干しだから大丈夫です。っていうか大丈夫でした。
 乾燥機は順番待ちもあるのですが、なにぶんタイ語と英語の表示なので一苦労。CupboardDryという設定でいいとおもうのですが、なんだかいつも生乾きのような気がして、結局ロープで干し直していました。
 洗濯機は共有スペースにありますので、折り畳み式のランドリーバスケットがあると便利ですし、大きめの洗濯ネットに全部入れちゃうのもいいと思います。

左手奥がランドリーコーナー

暇つぶし用品

 スマホは今どき持っていかないひとはいないと思いますが、充電器を忘れないようにしてください。多くの充電器は海外対応だと思いますが、タイのコンセント電圧は220Vです。また、コンセントの形は病院もサービスアパートも日本と同じものがつかえます。
 サービスアパートにはスマートテレビが設置されています。HDMIケーブルがあればゲーム機をつなげることができますし、You Tubeなどログインすることもできます。(前の人のログイン情報が残ってて少し怖いですw)

 なお、病院もサービスアパートも無料Wi-Fiが通ってますが、夜になると混雑するのか接続がしづらくなります。ガッツリ使いたい人は現地のプリペイドsimを購入するのがおすすめです。観光に行きたい人にも必須ですし、テザリングできる端末ならモバイルルーター代わりにもなります。
 PCは今どきはなくても平気かもしれませんが、わたしは色々悩んだ末、普段使っているMac miniとモバイルディスプレイを持っていきました。おかげでわずかにリモートワークができたので、帰国後が少し楽でした。

コロナ前にはここにみんな集まっていたのかなというカフェテラス。朝食バイキングもあったらしい。

動画サブスクサービス(+VPN)

 通常、Amazon prime videoやディズニー・チャンネルなどは日本国外からはアクセスできません。ですがVPNを経由することでニチアサもガンダムも、大河ドラマもたけし城も堪能できました。
 VPNに関しては「海外旅行 VPN 動画サービス」などで検索してみてください。ここで語るには長すぎます。

食器

 タイの屋台ではビニール袋に入った状態で提供されますので、食べるときにはお皿が必須です。共同キッチンにみんなが余らせた紙皿があったりしますが、自分で購入しましょう。わたしは紙皿が苦手なのでプラ皿にアイラップを被せたものを使っていました。食器用洗剤も少しだけ持っていき、お箸も洗って使いました。

屋台で買ったラッドナーというあんかけ焼きそば。
盛り付け例。こっちは幅広麺

洗面用具

 シャンプー、リンス、歯磨きなどはサービスに含まれますが、自分の愛用品を持ち込むことをおすすめします。とくに洗髪は水があわないとギシギシになります。意外と小さなストレスになります。
 また、携帯用ウォッシュレットもおすすめです。手術後の患部に触れるのが怖いので、紙で拭く前に洗っておくと安心できますし、肛門と患部が思ったより近いので拭くより洗ったほうが安心です。ダイレーション前にはできるだけきれいにしておきたいですしね。
 余談ですが、タイ式ウォッシュレットは水道直結なので勢いが強くてはじめは驚きます。慣れればそちらのほうが快適です。自宅にも取り付けたいくらい。
 もう一つ余談ですが、病院のシャワーはお湯がぬるいです。サービスアパートもぬるいという噂がありましたが、2023年6月現在ではちゃんとアツアツのお湯が出ました。

スリッポンタイプの靴

 これは必須です。なにせ術後は座ったり立ったりは一苦労。しゃがまないと履けないタイプの靴はおすすめできません。手を使わずに脱いだり履いたりできる靴を一つは持っていきましょう。
 ホテル滞在中はスリッパを使わせてもらいます。ダイレーションルームにはこのスリッパでないと入れません
 また、退院後の通院時にも靴を脱いで診察台に上がるわけですから、脱ぎ履きしやすい靴でないとかなり苦労します。

チップ用の小額紙幣

 持っていくものというより、現地で気を使うべき習慣になりますが……。チップ用の小銭は多めにキープしておきましょう。いちばん大切なことは、チップに使いやすい100バーツ以下の紙幣を多めにキープしておきましょう。チップ用にお財布とはわけて持っていてもいいかもです。
 とくにわたしは出血が多くて、ナプキンやバスタオルを貫通してベッドを汚すこともありました。そんなときは多めに渡すようにしていました。

医療スタッフへのお土産

 これもチップ文化に馴染んでない日本人ならではの悩みですが、医療スタッフにチップをわたすのかどうか悩みました。基本的には不要とのことなのでお土産を持っていくことにしました。
 個包装されているお菓子がこういうときはベターと思い、色々探していると、タイでは抹茶味のお菓子が人気で、とくにキットカットの抹茶味は日本とタイで味が違うので現地へのお土産に人気らしいとわかりました。たしかに外国人観光客の多いドンキには抹茶味キットカット積んであったしw
 日本の夏からタイの夏、溶けないように持っていくのがちょっと不安なので、クーラーバッグとか色々考えてはいたのですが、最終的に別のものにしました。カントリーマアムが定期的に抹茶味のバリエーションを出しているんです。そのころは「濃い抹茶味」ですが、「宇治抹茶ソフト」とか「熟成宇治抹茶」とかちょいちょい出してるので、実質通年ですね。
 あとはアテンドさんとやりとりして、病院スタッフの人数を確認して、先生には一袋、病棟ナースには一人一つより少し多いくらいで……。
 ここでピンチ。ガモンのサービスアパートにはダイレーションルームがあり、そこのスタッフはチップを渡すべきサービススタッフなのか、お土産を渡すべき医療スタッフなのか、ここで迷いました。最終的にはお土産にしましたが、はたしてこれで良かったかは謎ですw

保険

 これは持ち物ではありませんが、かけていました生命保険の入院・手術保険金がおりました。保険の内容によって金額は変わるのでいいかげんなことはいえませんが、わたしの場合、結構な金額です。
 事前に担当営業の方にカムアウトしてしっかり書類と雛形をまとめて、アテンドさん経由で先生に書類を書いてもらっています。
 帰国後、保険会社に申請したのは年末になってからなのですが、通常振り込まれるまで2週間くらいらしいです。しかし年末年始挟んで1ヶ月したころに「タイ語の翻訳に手こずってますのでもうちょい待っててね」という手紙が送られてきたので、保険会社には苦労をかけてしまいました。
 これに関しては各保険会社に大きく左右されると思いますし、これを目当てに新規に保険に加入しろとはいいません。でも、すでに保険に加入している方はお忘れなく。

いらなかったもの

一応持っていったけど……というもののほか、事前に検討したけど持っていかなくて正解だったものです。

 わたしが行った6月のタイは雨季です。しかし日本のような雨と違い、1日中振り続けるような雨はめったにありませんでした。いわゆるスコールのように、短時間だけざあーっと降りますので、雨宿りをするほうがいいでしょう。
 それでも傘を使いたいという方は、サービスアパートで貸してもらえます。晴雨兼用ですので遠慮なく借りてください。

LINE Pay

 タイではrabbitLINE Payという決済に対応しているお店でLINE Payがつかえるらしい……という情報を受けて色々調べてから行きましたが、うまくいきませんでした。もっとも、クレジットカードは使えないけどrabbitLINE Payはつかえるよというお店は多くはないので、そもそも必要ない情報かもしれません。

ゼリー飲料

 よくウィダーinゼリーが必須だったという方もいますが、術式や体調次第だと思います。わたしは食事制限のない術式でしたし、そもそも病院の食事にゼリー飲料はついてきます。

メイク類

 そもそも普段からあまりメイクをする方ではないのですが、とくに滞在中は外出もしなかったしそんな余裕はありませんでした。
ドライヤーは据付のものがありますし、ヘアアイロンなどは持ち込んでも電圧が違うので使えませんし、身だしなみに関しては最低限になるかもしれません。

モバイルルーター

 多くのアテンドさんはモバイルルーターを貸してくれますし、病院とサービスアパートには無料のWi-Fiが飛んでいます。自前で持っていく必要はありません。どうしてもであればスマホ用のプリペイドsimをおすすめします。

まとめ

 最悪、パスポートとクレジットカード、それに必要書類があればなんとかなります。忘れ物をしてないかどうかでヒヤヒヤするよりは、なんとかなるさと思ったほうが楽だとは思います。
 でも、わたしのように準備をするのが楽しくて仕方がないタイプは、こういう記事を毎日のように眺めながら準備をしていました。
 わたしが読んで勉強した他の記事とかぶる部分も多いと思います。一つ一つの紹介はできませんが、あらためて感謝申し上げます。

更新履歴

2024.1.19 「チップ用の小銭」「医療スタッフへのお土産」追記
2024.2.19 「生命保険」追記


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