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ナポリタン革命

私は料理が得意ではない。

大学生になって一人暮らしをして初めて「料理」というものに立ち向かった。料理は難しい。お料理本によく載っている適量という言葉が料理をより難しいものにする。お料理初心者の私にとって適量という言葉は敵だった。

そんなこんなで、なんとか大学1年目の一人暮らしを乗り切った。2年になった今年こそは頑張ろうと思ったとき、例の感染症が流行し、私は実家へ帰ることになる。

大学の授業が遠隔授業になり、私は側から見るとダラダラしている大学生となる。(本当はそんなことない)

実家に帰って何日か経ったとき、母に料理でもしてみたら?と言われた。私は誰かに料理を食べてもらうというこのチャンスを逃すまいと、YouTubeのお料理動画を見漁った。

そこで行き着いたのが、「料理研究家リュウジのバズレシピ」だった。酒を飲みながら楽しそうに料理をしている姿が私のやる気を引き出させた。

私はリュウジのレシピ通りに初めてナポリタンを作った。ちゃんとした料理っぽい料理だ。今まで作ってきた料理(のようなもの)とは桁違いのクオリティだ。

問題は、家族のナポリタンへの感想だった。作る過程でなぜか私は味見をしなかったので、みんなで食べてみるまでナポリタンが成功か失敗かわからなかった。

いただきますをして、家族が食べる様子をバレないように伺う。「おいしい!」母が言った。そのとき私のナポリタンは大成功をおさめたのだ。私はこのとき初めて料理の楽しさに気づいたのだ。

料理って、楽しい!今までの私の料理史に革命をもたらしたその日を、「ナポリタン革命」と名付けた。

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