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坂口恭平=原作・道草晴子=漫画『生きのびるための事務』マガジンハウス

自ら躁うつ病であることを公言し、「いのっちの電話」と呼んで自らの携帯電話番号を公表し、死にたい人の相談を受けている坂口氏の文章をもとに、精神病院に入院した経験を持つイラストレーター・漫画家の道草氏が漫画にしたものである。

坂口氏が好きなことを思うままにやっていくには、事務が重要であった。一番重要な《事務》は、《スケジュール管理》と《お金の管理》で、そのことを説明するための講座をわかりやす漫画で示している。

《事務》こそ創造的な仕事を支える原点だということである。

本書ではジムという名前の事務員が僕(=坂口氏)の頭の中に入社してきたという設定となっている。ジムという名前で擬人化されて登場する。

ジムは、僕に芸術家になるには事務員の行為が必要だと説く。

ジムは、お金の管理のため、かかるお金の量を減らすために、奨学金返還猶予と年金納付猶予を申請する。また、日給1万円の仕事を8日と、《仕事》に支障が出ない範囲でバイトを行うよう指示する。

スケジュール管理のためには、現実をノートに書き、さらに未来の現実をノートに書くことになる。

本書は、坂口氏がいかにして自分が作るもので生活するという目標を達成したかを示したものであり、目標に向けて計画を立てることをすすめている。

事務のことを考えることにより、やりたいことを実現することができることがわかる。それは坂口氏の今までの実績が示している。

自分の夢を現実にしたければ、本書を読んで、生きのびるための事務をを身につけるとよいと思われる。漫画がなので気楽に読めてためになる。


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