エスプレッソくらい知ってるよ・その3

これまでに二度、エスプレッソを注文したら、
「エスプレッソは小さなカップに苦いコーヒーがちょっぴり注がれて出てくるのだが、それでヨイか?」と問われたことをご紹介しました。
まあ実際にはこんなに詰問口調ではありませんでしたけれども。

エスプレッソを注文したものの、
・カップが小さい(おままごと用かと思った!)
・量が少ない(途中でこぼしたんじゃあるまいな?)
・苦い(毒が入っているのかと思った、毒殺されるほどの人に恨みを買う覚えはありあまるほどある!)
というオヤジが多かったのでしょう。

若い人だったかもしれないし、女性だったかもしれないって?
いやいやいやいや、エスプレッソに苦情を申し立てるトンマぶりというのがオヤジの証左。
若くても女性でも、人間性の分類上は立派なオヤジです。

さて、オヤジはともかくとして。
エスプレッソを注文したら念を押される問題は、けっこう普遍的なものらしいです。
というのも先日、図書館で借りてきた「バール、コーヒー、イタリア人 グローバル化もなんのその」
(島村菜津・光文社新書)を読んでいたらそういう記述にぶつかったのです。

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近頃は、さすがに訊かれることも少なくなったが、チェーン店でエスプレッソを頼むと、デミカップを差し出され、
「お客さま、このカップに半分くらいですけど、よろしいですか?」と念を押されたものだ。
おそらく、そのあまりの量の少なさにおののいて、自分は騙されているに違いない、と勘繰る客がいたとみえる。</i>
「バール、コーヒー、イタリア人 グローバル化もなんのその」(島村菜津・光文社新書)38ページより

なるほど、コーヒーに関する専門書籍を書いている人でも出会う常套句だったのですね。
ハンサムで上品な中年紳士に話しかけたかったワケじゃないらしい。