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サステナブルの輪 Vol.005 オイシックス・ラ・大地

こんにちは、ヤマト運輸公式note編集部です。

今回は、「食卓と畑をつなぐ」食品宅配事業サービスを展開するオイシックス・ラ・大地さまのサステナビリティへの取り組みをご紹介します。

オイシックス・ラ・大地は、安心・安全に配慮した食品や、環境に配慮した生活用品の宅配サービスを「Oisix」「大地を守る会」「らでぃっしゅぼーや」の3つのブランドで展開。定期会員数は48万人以上にのぼり、約4,000軒の生産者と直接契約をしています。

「これからの食卓、これからの畑」を理念に掲げ、食に関する社会課題をビジネスの手法で解決する様々な事業に取り組んでいます。

今回、執行役員 グリーン戦略室室長の東海林園子さまに、サステナビリティへの取り組みついてお話を伺いました。

健康にいい食品は、地球の健康にもいい

オイシックス・ラ・大地は、これまで「安全・安心な食材を」をモットーに、低農薬、減農薬、有機栽培、添加物に頼らない加工品など、健康に良い食材を生産者から直接お客さまにお届けしてきました。

「人の健康にいい食品は、地球の健康にもいい 」オイシックス・ラ・大地がお客さまにお届けしている食材は、サステナブルな商品そのものだと思っています。

流通の観点からも、仲介業者を介さず直接お客さまにお届けしていますので、無駄がなく、環境負荷の低減にもつながっています。それだけでなく、会員制のサブスクリプションサービスですので、需要予測がしやすく、需要と供給のバランスを安定して維持することができます。その結果、無駄を省くことが可能になります。

私たちはネットで販売を行っていますので、「必要なものを、必要な時に、必要なだけ」お客さまにお届けすることができます。通常の店舗のように、常に商品を並べる必要がありません。気候変動による影響にも柔軟に対応できます。

当初より有機農法の野菜を取り扱ったり、フードロスが出にくいビジネスモデルを構築したりして、サステナビリティに配慮した事業を展開してきましたので、これまであえてサステナビリティへの取り組みについて発信することはありませんでした。しかし、社会の意識が変化し、サステナビリティへの関心も高まるなかで、ステークホルダーの皆さまに当社の取り組みを伝える必要性を感じ始めました。

2021年1月に、私が室長を務めるグリーン戦略室を立ち上げるタイミングで、これまで当社が取り組んできたことを整理し、あらためて2023年に「サステナブルアクション」というページを作成しました。生産者とお客さまを直接つないでいるオイシックス・ラ・大地だからこそできることを明確にし、食のサプライチェーンのなかでの問題解決を目指したものです。

フードロスを新たな価値に変える

「サステナブルアクション」では、「環境」「働きがい」「次世代とともに」「地球貢献」の4つのカテゴリーに分けて、それぞれの取り組みを紹介しています。ただし、これだけをやっていこうという意味ではありません。私たちが問題だと思ったことやお客さまが困っていることなどがあれば、積極的に取り組んでいきたいと思っています。

ここでは「サステナブルアクション」のなかのいくつかの取り組みをご紹介させていただきます。

私たちが食の領域に関わっているからこそ、最初にやらなければならない責任とは何か。それがフードロスの問題です。フードロスは「本来なら食べられるのに、捨てられてしまう食品」のことを言います。現在、日本でのフードロスは年間556万トンと言われています。

しかし、この数字はあくまでも流通されたものだけであり、流通されずに捨てられたものはカウントされていません。実は556万トンと言われる数字の背後に、膨大なフードロスが潜んでいます。私たちはこうしたフードロスも含めて、問題解決に取り組む必要があると思っています。

CO₂の排出というと、私たちは車や飛行機などの輸送手段を最初に考えがちですが、実はフードロスによるCO₂排出量は、輸送よりも多いと言われています。例えば、廃棄される食品は水分を多く含むので、一般のゴミよりも焼却に多くの燃料を必要とします。もちろん生産する過程でも、ゴミを回収する収集車でもCO₂の排出があります。

こうした現状を受けて、オイシックス・ラ・大地では、「フードロス削減アクション」を掲げて、「作る・売る・食べる」の食のサプライチェーンのなかでのフードロスの問題解決に取り組んでいます。

一つ目の取り組みは、「流通によるフードロス削減」です。サブスクリプション型のサービスにより需要と供給のデータマッチングを行うことで、フードロスの削減につなげています。

二つ目は、「もったいない食材・食品の販売」です。小売業界では、食べ物の見た目が特に重視されています。少し不揃いだったり、形が変形していたりする野菜や果物は、規格外として廃棄されてしまいます。生産者の方も、その選別に時間を費やしています。

この問題に取り組むために立ち上げたブランドの一つが「ふぞろいRadish」です。例えば、花をつけてから最初に収穫できる「鬼花トマト」があります。果汁の部屋が多く、いびつでサイズも大きくなります。これまで規格外ということで、出荷されていませんでしたが、実はとても美味しいトマトです。

鬼花トマト

あるいは天候不良により日照時間が異なるために、色づきがまばらなパプリカがあります。「いろいろな色を楽しんでもらおう」という発想で、「青春色づきミニパプリカ」というネーミングで販売しています。

青春色づきミニパプリカ

こうした規格外品として流通せずに廃棄されてきた食材を販売することで、生産者支援やフードロスの削減につなげており、年間約394トン(2022年度累計)のフードロス削減を達成しています。

フードロスについては、一般の小売事業者ですと5〜10%のフードロスが出ると言われていますが、当社では0.2%に抑えられています。こうしたサステナブルなサービス構築が当社の特徴になっています。

さらに、現在、力を入れて取り組んでいるのが、2022年7月に立ち上げた「アップサイクル商品の開発・販売」です。これも今まで目に見えてこなかったフードロスにアクションをかける取り組みの一つです。

例えば、ブロッコリーの冷凍加工工場では、芯の部分は不必要なものとして捨てられていました。私たちはこれをなんとか活用できないかと、ブロッコリーの茎チップスとして開発・販売しています。また梅酒を作る際に捨てられる漬けた梅も、ドライフルーツとして開発・販売しており、これまで廃棄されてきたものをアップサイクルすることで、新たな価値に変えています。

その他、バナナの皮のジャムやナスのへたを使ったチップスなど、これまで36種類の廃棄食材を原料として活用し、100種類のアップサイクル商品を開発・販売してきました。

こうした原料をどのようにして見つけてくるのかとよく聞かれますが、ここに生産者と直接つながっているという当社の強みがあります。当社の開発担当者は生産現場に直接出向き、生産者の方がどんなことに困っているのか、どんなものが廃棄されているのか、こうした現状を把握・理解することで、新たな価値を見出しています。

2022年8月には、「おたすけOisix」というサービスを立ち上げています。このサービスは、台風や豪雨、猛暑など、自然災害の影響を受けて発生した規格外品や豊作品等を販売するためのサービスです。お客さまにはあらかじめ「おたすけOisix」に登録していただき、緊急支援が必要な収穫物が出た際に、お客さまに入荷情報が通知される仕組みになっています。お客さまからの需要があれば、生産者の方は廃棄することなく、販売することが可能になります。

その他にも、食の未来を考える場として「生産者の会」を年1回主催・運営し、当社と取引のある生産者やメーカーの方々と、交流を深めています。ここでは、2005年から開始した「農家・オブザイヤー」などの表彰も行っています。これはお客さまからの「美味しい」を評価基準に、生産者の方々を表彰するものです。

全社員が強い思いを込めて、サステナビリティに取り組む

当社の社員はサステナビリティの関心・理解も深く、強い思いを込めて事業や商品、サービスの開発に努めています。特に食に関心のある人が集まっていますので、食の領域を通してのサステナビリティへの貢献を常に考えています。

最近は、入社動機に当社のサステナビリティへの取り組みへの共感をあげる人が増えています。貧困や環境、地球の問題を学ぶために海外留学をした人も多く、こうした社員たちの意識の高さや強い思いのもと、さらに積極的な取り組みを推進していきたいと思っています。

私自身は、フードロスの問題を解決することが、日本の食料自給率のアップにつながるという思いがあります。海外から輸入した原料を使うよりも、これまで廃棄されてきた原料を使うことで、自給率のアップにもつながるはずです。この循環がうまくできれば、生産者の数も増え、供給量もアップしていきます。

オイシックス・ラ・大地では、サステナブルな商品も含め、バラエティに富んだ食材を揃えており、食が多様化するなかで、食に関わる幅広い生活環境に対応できるのが、オイシックス・ラ・大地の特徴です。これからも、お客さまや生産者の「食の困りごと」を解決しながら、食卓を彩るサービスを提供していきたいと思っています。

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今回は、オイシックス・ラ・大地さまのサステナビリティへの取り組みをご紹介させていただきました。

次回からも引き続き、パートナーさまのサステナビリティへの取り組みをご紹介し、「サステナブルの輪」を広げていきたいと思っています。

次回の配信もお楽しみに。

編集・著作:ヤマト運輸株式会社



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