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【論説・コラム】獣ではないが神にもなれない不自然な生物サピエンス

通信制の高校で塾講師をしている。能力の差異を間近で見ていて感じるのは、「目標を叶えるには、2種類の能力を備える必要がある」ということである。

私たちが通常、「頭が良い」「成績優秀だ」というとき、地頭の良さ、勘の良さが優れていることを言う。言わば、持って生まれたDNAとしての才能、いわば天からのギフトである。

そういった優秀な素質を持っていても、伸び悩む生徒が少なくない。大抵の場合、「動画やゲームにハマっている」「勉強に身が入らない」というケースである。集中すれば効率的に知識や教養が深まる能力を持ちながら、勉強の前に立ち塞がる数々の誘惑に取り込まれ、「いつやるか」と問われて「今でしょ」の焦燥感を持ちながらも、行動は「後でしょ」となってしまい、後回しにした焦りは重圧を招き、過度のストレスが現実逃避を招き、最後には勉強という言葉にコンプレックスさえも抱くようになる。

誘惑に抗うために必要な才能は、先天的なDNAでは克服できない。各人が自分自身にマインドコントロールをかけ、どうすれば自分がその泥沼にハマらないための方策をたてるかにかかってくる。誘惑につながるモノ(フィギュアや端末など)を机などの勉強周りに置かない、最初に5分間の復習ルーティンを習慣化する、動画を逆利用して学習系のものを倍速で利用する――等々、その人の特性や環境に応じて、自分に合ったやり方はいくらでもある。


誘惑へと走りがちな欲望を押しとどめる能力は、心にブレーキをかける才能、いわば「ブレーキの才能」である。ギフトが自身の能力を最大限に引き出す「アクセルの才能」だとすれば、ブレーキの才能は後付けの能力であり、一言でいえば自制できるか否かの話である。

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