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【実録:私の倒産物語 ① Xデー『前日』】

2017年12月5日、そろそろ年末商戦に向けて社内も活気づく頃。おせち商品やよく売れる酒類の発注も済ませた。

4年間の赤字も、金融機関のリスケ(元本返済の猶予)のおかげで黒字に転換することができた(^^ゞ 
私も従業員も必死に頑張った結果だ(^^)/

その反面、支払い遅延に協力してもらったメインの大手問屋は、親会社からの出向社長に代わってから急に、手のひらを返したように対応が厳しくなった。

「金を払わないと納品を止めるぞ!」

「今までの恩義など俺には関係ない!」

「役員と親族たちも連帯保証人にしろ!」

それも仕方ないことだと分かっていたが、保証金や担保を差し入れ契約書も結び直したのに、頻繁に来社して恫喝したり、私の身辺調査までするのは度を過ぎている。

取引先の従業員に不安を与え、私を病院送りにまでするのはとても上場会社の対応とは言えない。

どんな厳しい要請にも立ち向かう私のことが気に入らないのが明白であり、必要以上に支援するのは親会社の印象が悪く、自分の出世に響くのだろう。


社員から私の携帯に電話が入る。

「社長、ガソリンを入れに来たら『やまとはカード払いじゃなくて現金で払え』と言われたけど立替えてもいいですか?」

おかしいな…、いつもは掛売りのカードで払ってるのに。

地元のテレビ局に勤める私の娘からも電話が、
「お父さん、会社の偉い人が『君のお父さんのスーパーは潰れるのか?』って聞かれたよ」

おいおい、娘にそんなこと聞くかい?何があったんだ!

年末年始の売上げは、普段の2倍以上に跳ね上がる。新春に弾みをつけるためにも一年で一番大切な商戦!それだけに仕入れにも多額の資金が要る。

リスケ中で仕入れ資金も少ないから、信用不安で売り上げが落ちたら、それこそ今までの苦労が水の泡になる。

そんなやる気に水を差すなんて、またいつもの嫌がらせか?

私が復活することが面白くないのか?


明日は年末年始に販売する「酒類」の一斉納品日。
クリスマスや年末年始は酒が特に売れるので、売場も全店バッチリ空けてある!

酒問屋も例のメイン問屋と株を持ち合う全国一の上場会社、リスケを始めてから多額の保証金を払わされ、保証金額を上回る納品時はいつも前払いを要求されてきた。

まあいい、売り上げが増えればそんな悩みはすべて解消できる!

大手スーパーの出店から、代替わり時以来の赤字に陥り、金融機関やメイン問屋の支援で再び黒字になった。赤字の原因となった買い物難民向けの「潰れたスーパーの居抜き店舗」の閉鎖も進んでいる。

来年からは返済も支払いも通常に戻し、また自分のやりたい経営ができる!

待ってろ、口ばかりのスーパー経営者たち!また俺が吠えてやるぜ!」私はいつものように気合いを入れ直した。

でもなんかおかしいな…。

私は他の店長に聞いてみた。
「最近なにか変わったことはないか?言ってごらん」

店長「最近、業者の人から『スーパーやまとが潰れる』って噂だけど本当か?』とよく聞かれます」

私 「……💦」

その翌日が、家業のスーパー創業105年の「命日」になるなんて、朝起きた時には思いもしなかった。 (続く1/3)


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