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肥満の治療方法 肥満の要因 身近な食品との関係性

糖尿病・内分泌・代謝内科の大橋先生が12月9日(土)に肥満をテーマに公開講座を行ってくださいました。

糖尿病・内分泌・代謝内科 大橋先生

肥満というテーマは関心のある方が多いようで、予約数の伸びがよく、30名~を超える申し込みがありました。
当院の施設設備がまだ整っていないこともあり、スライドを映すスクリーンがあまり大きくないので、2人掛けで余裕をとれるところが、3人掛けになってしまい少々ぎゅうぎゅうになってしまいました…申し訳ございません。

次年度は開催回数も増やし、かつ会場も外部施設を借りて行うなど、パワーアップしていきたいと考えている次第です。

肥満と食事の関係性

摂取カロリーの話と現実


私たち日本人は1970年代以降摂取カロリーは減っています。
しかし、肥満は増えているという現実があります。
これはどうしてか?
脂質の量が増えてきたからです。
いわゆる脂ものはエネルギー量が高いので体重増加にもつながります。
1990年代前半脂質の摂取量は多い傾向でしたが、後半には減っています。
にもかかわらず、肥満が増えているというのは脂質が肥満にもたらす影響が大きいということが分かっています。

食品と肥満の関係

特定の食品、栄養素で肥満になる、ならないというのは明らかになっていません。
普段私たちは名前で選んでしまっていること、惑わされていること、あるあるだと思います。
その一つとして、低脂肪食品が挙げられます。
長期的に見ても、低脂肪が体重減少につながるという証明はされていません。
身近にあるもので言えば、普段よく目にする低脂肪牛乳。
低脂肪だから体に良さそう、と思い選んでいる人もいるのではないでしょうか。
しかし興味深いのは、『低脂肪牛乳を飲んだら何か健康に良いことがある』とはホームページにも書かれていないことです。低脂肪だから体重は増えない、とは分かっておらず、『どんな健康に良いことがあるか』というのは書かれていません。
それはなぜかというと、証拠がないからです。

糖質制限

糖質制限、GI値、なども最近よく耳にしますよね。
糖質制限やGI値が低いものを食べることは減量に良いであろう、とされていますが、1年と短い期間しか研究されていません。
医療での研究は5年~と研究をすることが多いそうですが、食事に関しては長い研究がなく、半年間、一年間といった短いスパンでの研究しかないようです。
そうすると、本当にいいかどうかの証明が難しくなってきます。
ここに肥満の研究の難しさがあります。

最近人気の糖質オフビール。
私も飲んだことありますが、味わいはさっぱりしていてなんとなく体に良さそうな気分になるのは間違いありません。
ただこれも、飲んだらどんな健康に得なことがあるかは分かっておらず、カロリーが少ない、としか書かれていません。
じゃあカロリーが少ないと肥満や糖尿病に良いのか、それについてもまだ分かっていない現状です。

アルコールの種類

アルコールの種類が肥満に関係するか、このことも分かっていません。
ビールとワイン、どちらがいいのか?みなさん気になるところだと思いますが、分かっていないようなんですね。
どうしてわかっていないのかというと、調べるのが難しいようです。
民族によって飲むものも違いますし、地域によって食べるものが違うので比べるのが難しいようです。
ただ言えるのは、アルコールは肥満と関係しているということです。
やはり飲酒をするといろんなものを食べてしまって、エネルギー摂取量が増えてしまい体重増加、肥満につながる、と言われているようです。

今回は肥満と身近な食品にクローズアップしてみましたが、実はわかっていないことってたくさんあるのだなと感じました。
実際取捨選択するのは自分ですが、こういった現実も知っておくとおばあちゃんの豆知識じゃないですけど生活の知恵として役に立つのではないかと思います。

薬物療法について詳しく話を聞きたい方は大橋先生の外来にて診察を受けてくださるようお願いいたします。
大橋先生外来:火/午前、木/午前、金/午後


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