ファーストペンギンになった私
地球温暖化を身に染みて感じるのは積雪が数年に一度しかないことである。奈良に引っ越して20年以上経つが、当初は年に二度近くは積雪していた。大阪は奈良以上に積雪することが少ないが、積雪すると大変なことになる。「正常性バイアスからの想像力の欠如」に書いたサザンオールスターズの「TSUNAMI」が流行る前、SPEEDが大活躍していた頃と記憶している。
当時茨木へ毎日出張していた。鉄道への影響はほとんど無かったが道路への積雪はバス運行に大きく影響していた。駅には公共機関のバスだけではなく企業や学校の専用バスが引っ切り無しに入るのが、ほとんど入ってこない。当然のごとく駅構内はあっという間に人で埋まった。改札を出てしばらくはのろのろ進んだが階段の手前で動かなくなった。下りる階段の手前である。
階段手前の通路は10m近く有ったが、階段は5mほどだ。みんな遅刻したくないので早く進みたいのだろう。後ろからは押されるが、前は階段だから落ちまいと前からは押し返される。凄い圧力なので足を浮かせても転ばないのではと試しに浮かせると浮かんだ。後ろの圧力はそのうち諦めてなくなるだろうと思っていたが、脳裏に走ったのは階段から崩れ落ちる人波である。
明石花火大会歩道橋事故が発生したのはその後の2001年だから、よくも予測できたかとも思うが、みんな危ないと思っていも誰も声を上げないので勇気を振り絞って「あぶない、あぶない、押さないで。」と後ろに叫んだ。
改札口付近の人が直ぐつないでくれて、駅員へ構内誘導が必要ではと注意。階段下でバス待ちしている人へ、一旦移動を呼び掛けたので事なきを得た。
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