見出し画像

サウナ初心者のココロの流れ

初めてサウナにチャレンジした。

毎回土日の混んでいる時期には入りづらかった。初心者が1人でいける空間ではないと思っていたので、お風呂だけ済まして帰っていたのだ。

だがしかし、今日は平日。
いつもより若干人の少ない施設。
サウナに、
チャレンジしてみた。

いざサウナの扉を開けてみると、分かりきったようにモワッとした熱風が僕を包んだ。
僕の前を歩いていたおじさんが、先に入っていたおじさんたちに挨拶をしてる。常連客なのだろうか。そこまで顔見知りになるものなのかとサウナコミュニティに少し驚いた。

「サウナは上に座れば座るほど温度が高いから1番下に座るといいよ」という助言を前日に上司からもらっていながらも、見栄を張って2段目(中段)に座ってしまった。

1段目と2段目の違いは分からないが(1段目にまだ座ったことないから)案外いけるかもしれないなぁと、少しだけ自慢げな顔になった気がした。

しかし、座って少し経ってから身体から尋常ではない汗がにじみ出る。ひんやりとした空気、カラッとした空気はどこにも無く、熱により肺がやられるような感覚になる。鼻から呼吸をするのがよいのか、口からするのがいいのか、試行錯誤を繰り返すが結局のところ苦しい。

夏の野球のマウンドの上も蒸気が半端なく暑かったが、冷たい空気や風を探し出すことはできた。
サウナの熱風は、酸素が無い海中にいるような不安感を覚える。まるで空気に殺されそうな、内部から身体を壊されているような、そんな気がした。

自分の座った場所は時計が見えなかった。何分経ったら出ようと決めていたから、どうしようか悩んだ。悩んだ末、目の前の男性に勝負を挑むことにした。

「男と男の真剣勝負だぞ」と強く念を押した。心の中で。
もうこの時点で、この目の前の男性はずっとサウナに入っていたというハンデがあり、自分の唱えた真剣勝負の意は疑うべきものがあった。でもそんなものは気にしない。「だって初心者だもん」と強く言い訳を述べた。

正直にいうと、サウナは何もすることがない。
周りをジロジロ見渡すわけにはいかないし、何ができるわけでもない。ただ一点を見つめて固まっているか、ひたすらに汗を拭き続ける必要がある。ゆっくりと考え事ができればいいのだが、裸の男性に囲まれているこの状況では、カフェのように落ち着いたひとときを過ごすことなど不可能である。

なんやかんやで、だいぶ熱くなってきたが、目の前の彼は動かない。
僕は大丈夫ですけどねという顔をしながら、汗を拭く。髪の毛を触ると燃えるように熱くなっており(濡れた髪が熱された)髪を乾かしてから入らないといけないと知った。

これくらいにしといてやるかと、典型的な敗者の捨て台詞をはきだした。初心者サウナーとしては、よくやったのではないだろうか。結局7分くらいしか入ってない気がするが。

サウナの扉を開けると、しっかりと世の中に戻ってきたように思えた。ぎこちない様子で掛水をする。偉そうに座って外気を堪能してみても、涼んでみても、ただ寒いだけだ。


まだまだこれから慣れていかなければならない。サウナ道への道のりはまだ始まったばかりである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?