忍術漫遊 戸澤雪姫 その05 『山賊の来襲』
さてその翌朝になったが、乳母のお道の病気は直らなかった。そこで出立をすることは出来ない。その日も仕方がないので頼んで厄介になり、翌日を待ったが、お道は熱が出て起きる事が出来ぬ。主人も奉公人も旅の女を哀れんで親切に世話をしてくれるから、雪姫も喜んで、介抱に手を尽し、隣村の医者を迎えて診てもらうという始末、お道は手を合せて、
道「お姫様、すみませぬ。私がお姫様にご介抱をして頂くとは勿体のうございます」
雪「アア乳母や、心配おしでないよ。主従はお互いだよ。私がまた何時病気になる