【OW2】One "Tactics" Playはやめよう:戦術を個人技へ落とし込む
いつも通り、初級者~中級者向け。上手い人はできてる。
ワントリックでもいいけど、ワンタクティクスはやめようね。
◯clankコーチによる戦術解説
先日、レバンガ☆SAPPOROのclankコーチが、OWの戦術の本質についての記事を投稿されました。
とてもわかりやすく、非常に重要な内容です。読みましょうね。
私も過去の記事に書いてたりするんですが、「OWにはラッシュとダイブとポークがあってーー」みたいなのはクソくだらないと思ってます。clankコーチの解説の通り、たんにヒーローや構成がどうこうという話ではなく、その根本にある戦術を理解し遂行していかなければなりません。
んで、clankコーチの記事の中に
とありますが、そんなことはないと思います。すぐに上手くなれるし、レートも上がるんじゃなかろうかと。初級~中級者は。
記事には戦術適性を構成へと当てはめて構成相性を考え、それを運用していくというやや競技的な説明がなされていますが、私としては野良のマッチ・個人単位のプレイングにも十分通用する・適用できる戦術概念だと思っています。
そこでこの記事では、clankコーチの戦術解析をもとに、それを一般の野良マッチ・個人レベルのプレイングへの反映のさせ方を考えていきます。
ただ戦術の概念を知るだけではなく、それを受けて自分が何をするか。
特に初級者~中級者の人は、試合の中で「自分がこういうことをするんだ」という明確な意志のある能動的な行動ができていないようなプレイングが目立つ気がします。
そういうのを改善するために、戦術論を元に、具体的に自分が何をすればいいかを考えていきましょう。
◯戦術の確認
「戦術」というと、チームでの競技的な話やハイレベルな試合での連携のような印象もありますが、もっと個人的な「自分が何をするか」というものだと考えていただいて。
clankコーチの分類によれば、「アサルト(=ラッシュ):攻撃」、「ブーム(ビルド):戦力増強」、「タートル:防御」の3つがあります。
詳細は記事を参照していただければいいんですが、ここでは初級~中級者向け・野良の個人レベルということで、もっと単純に考えます。
アサルト:攻撃
タートル:防御
ブーム:展開
の3つとして。
アサルトは攻撃。主に相手を倒しに行く行動。そのまんま。
タートルは防御。相手を引き込んでカウンターしたり、味方と距離を近く保って防御力を高める。
ブームは展開。展開してエリア取りし、ポジションの有利を作っていく。
(※clankコーチの説明では、ブームは『エリア取り・ポジショニング、ULTのビルド、スパム・ポークによるスキルトレード』とされていますが、一般レートの野良マッチではULTのビルドについて特別に意識してプレイすることもあまりないでしょうし(高レートならウィンストンがわざと被弾してアナのULTを溜め、ナノゴリラでの突破を狙ったりするけど)、スパム・ポークというと後ろから撃つだけのプレイを助長する可能性もあるのでその二つは除き、この記事では主にエリア取り・ポジショニングの要素である『展開』を扱います。低~中級者にはそれが足りてないとも思いますし。)
それぞれの戦術は三すくみのようになっています。
ではこれを元に、自分はどういうプレイングをしていくか。それが重要です。
◯実はとても単純なんだ。
例えばウィンストン。ジャンプしてビリビリする攻撃が得意ですね。
では、どんなふうにその攻撃をすればいいでしょうか。
戦術の三すくみにより、攻撃は防御に弱く、展開に強い。なので、防御している相手には攻撃せず、展開している相手に攻撃します。
シグマ・アッシュ・ゼニヤッタはウィンストンに弱いとか、そういう話じゃありません。固まって防御してるとこに突っ込むと弱く、展開してるところに攻撃すると強いですね。
これは相手にウィンストンがいるときも同様です。相手のウィンストンの攻撃方法を理解すれば、自分がどうすれば強いかわかりますね。
じゃあ防御=固まっとけばいいのかというと、もちろんそんなことはなく防御は展開に弱いですね。
これは非常に重要です。防御している相手には、展開すれば良いんです。防御に攻撃を仕掛けても相性が悪いので負けます。
こういうのを、「自分が」やりましょう。
戦術相性の概念を理解するだけでは何の役にも立ちません。これを、自分のプレイングに活かしましょう。
ウィンストンでどのように飛ぶか?戦術相性を活用し、苦手な状況へは攻撃せず、有利な状況へ攻撃しましょう。
ポイント内へどのように攻めていくのか?相手の状況を見て、有利が取れる戦術を使っていきましょう。
特に初級~中級者の試合では、広く展開・エリア取りをせずに、狭く固まったり直線的な範囲で戦いがちになっている光景が目立ちます。
ならば、そこで取るべき戦術は攻撃ではなく展開です。
過去の記事も参照していただければ。
◯ヒーローの問題ではなく。
もちろん、アサルト・タートル・ブームのそれぞれに適正があり、ヒーローによって得意/苦手な戦術があります。
が、clankコーチも記事で述べられている通り、ラッシュ構成でもポークするし、ダイブ構成でも回避に専念し、相手を疲弊させてからアサルトを仕掛けることもあります。
もちろんヒーローによってアサルト・タートル・ブームの手段や効力は異なりますが、どのヒーローでもそれらの戦術を使い分け、相手に対して有利を作っていくことが重要です。
例えばレッキング・ボール。
ダイブヒーローに分類されてそう。くだらないですね。分類したから何になるんだと。
重要なのは、自分が何をするかです。状況を把握し、有利が取れる戦術を遂行する必要があります。
攻撃されたら?もちろんタートル。ライフパックを取る。
(私はパック取るの大好き人間。最近だとグラビティフラックス発動してパック取った。ああいうのが格好いいと思っている。)
あるいは、トールビョーン。
タレットでフランカーをケアするだけじゃないんですよ。攻撃・防御・展開全てに長けたヒーローです。
防御はわかりやすいでしょう。タレットはもちろん、本人の固さやサブ射撃によりダイブにも強いですね。
攻撃性能も、特にオーバーロードによってかなりの戦闘力を誇ります。
相手は展開してこようとしても、トールビョーンの攻撃性能があると簡単に展開できません。
また、ここぞという時にオーバーロードで詰めると相手のタンクへ高火力を叩き込むことができます。
(※Nico選手の動画が参考になります。ミッドタウンの防衛。
展開しようとしてくるエコーを抑えたり、シグマへ火力を出しに行くシーンに注目。時間指定してあります。)
そして、重要なのが展開。
上にも書いたように、初級~中級者の多い試合ほど、固まったり直線的な陣形での戦いになりがちです。
であれば、自分が展開していくと有利になります。取り囲んで複数アングルを作れるし、相手の展開を防ぐこともできます。
トールビョーンはメイン射撃の性能やオーバーロードの体力・機動力増強により、自らが展開していくのも得意です。
あんまりトレーサーが出なかったり、みんなで直線的に進んでくる戦い方が多いようなレートでは有効なので、自らがそういう動きをすれば有利を広げ、弱点を潰せます。
ーーー
これらは、ボールやトールビョーンだからというわけではありません。
全てのヒーローで、味方や相手の状況を把握し、戦術の相性を考慮に入れて適切な行動をしていかなければなりません。
ヒーローの相性はありますが、そのヒーローを出すだけでじゃんけんが成立するわけではありません。
有利が取れる対象へ、有利な行動をしていかなければなりません。
◯One "Tactics" Playはやめよう
上記のように、ヒーローの問題じゃないんです。戦術の問題、プレイングの問題です。
ワントリックでもいいんですよ。ヒーローの特性を理解し、特徴を活かし、それぞれの状況に適した戦術=立ち回りができるのならば有利に戦っていくことができます。
なので、OWというゲームの理解度が高く、そしてそのヒーローに精通しているプレイヤーならば、ワントリックでもレートを上げることができるのです。
それは適切な戦術を取れるからです。同じ戦術だけでは無理です。
「ダイブヒーローだからダイブする」とか、「射撃系ヒーローだから撃つ」だけでは、それだけで勝てる相手にしか勝てません。
シグマがいます。盾やグラスプがあり、遮蔽物もあれば強力なタートル=防御です。これにそのまま攻撃しても勝てません。
どうしましょう。なぜか、別の射撃系ヒーローに変える人も少なくありません。
ここまで読んでいただけたなら、どうすればいいかわかりますね。
シグマのタートル=防御が強いんだったら、ブーム=展開をするべきです。
あらゆるヒーローを使えるようになる必要はありません。自分の得意なヒーローの熟練度を上げていけばいいでしょう。
しかし、「タンクだから正面張るだけ」「射撃系だから撃つだけ」「サポートだから後ろでヒールするだけ」という戦術だけでは、有利に戦うことはできなくなります。
一つの戦術しかできない One Tactics Player にならず、それぞれのヒーローで、状況に応じて相手に有利が取れるような戦術を駆使して戦えるようになると、勝てる試合も増えていくはずです。
ーー
もっと言えば、下のレートで停滞しているプレイヤーは、何の戦術もないようなプレイングになっているかもしれません。
マップが選ばれ、自分がヒーローをピックし、そして具体的に何をするのか。味方の動きと相手の動きを考慮に入れ、今から何をしようとしているのか。
自分がどういうことをすれば有利になるのかを、考えてプレイできているでしょうか。
「相手が見えたから撃つ」とか、「味方の体力が減ったらヒールする」だけでは、それは何も有利に戦えていません。
何の戦術もなく味方が勝ってくれるのを祈るしかない、No Tactics, Prayer でしかありません。
使えるヒーローは少なくてもいいので、そのヒーローでの有利な戦い方、得意パターンのようなものを見つけるところから始めてみましょう。
この記事で書いたように、重要なのはヒーローの種類ではなく戦術の選択です。
何をしている相手に何をすれば有利に戦えるのかを理解すれば、戦い方やヒーローの選択に迷うことはなくなるでしょう。
積極的・能動的に「自分が相手の弱点を突くんだ」というプレイを目指していきましょう。
以下の記事も参照していただいて。
No Tactics Prayer て言いたかっただけ。
2024/01/31 山下
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