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アナログとデジタルのあいだ -結果公開-

初めましての方もそうでない方もこんにちは。
やま施術院代表の山本と申します。


健康を"視える化"する

先日、予防医療に力を入れるExultへ生体機能検査を受けに行ってきました。

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生体機能検査って何?と言う話ですが、簡単に言うと医療用の体組成計(家庭用ではなく、文献にも載せられるレベルの機材)で体重・体脂肪率や水分量などを部位別で測ったり、血圧や脈波から血管の状態を知る、最大酸素摂取量や呼吸商などエンデュランススポーツをする方なら気になる聞いたことのある検査などを指します。

検査の種類は山のようにありますが、今回はお試しなので上記のものを行いました。

生業上、検査機器を自ら使用することはありません。
しかし、それは機材やデータを否定しているわけではなく、単に資本金とスペースが足りない(泣)だけです。

むしろ、元来ゴリッゴリの西洋医学信者なので目に見えるものを信じます。
目に見えない感覚ももちろん重視していますが、見て理解できるものは多ければ多いほど良いですね。

数値的に原因が発見できればそれを元に体調の改善に繋げられるので。

私個人もトレイルランニングのレースに出たりしますし、健康で居続けたいのでデータを取ることは非常に大切。
現状がわからない状態で健康になろうと思っても何が正解かわからない。
先に指標となるデータがあった方がより最短距離でゴールを目指せます。

なるべくきついトレーニングや節制をせずに健康になりたいと常々考えている(結構だらしない)のでここはしっかり現代医科学の恩恵を受けたいと思います。

体組成検査

まずは割と馴染みのある体組成を検査します。

《主な検査項目》
体重・筋肉量・体脂肪量・体脂肪率・BMI・体水分量・タンパク質量・骨ミネラル量・ECW/TBW・基礎代謝量 など

使用機器はInBody770

医療機器としての認定を受けている(医療機器認証番号 第226AFBZX00122000号)ものなので医科学分野での文献に使用ができる最高クラスのものです。それだけ結果の信憑性が高いと言えます。

結果を包み隠さず公開。隠す理由も無いの載せます。

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このようにデータが出ます。
このデータを元に現在の状態がどうなのかを説明・解説して頂きました。
私の場合、基本的には良好。運動としてトレイルランニングを主に行っているので下半身の筋肉量が体重ベースでの基準よりやや10%ほど多め。
ECW/TBWは細胞外水分比と言うもので、体全体の水分量に対して細胞外に出てしまっている水分のバランスを数値化したものです。
画像を拡大するとわかりますが、右脚は0.374、左脚は0.378です。

たった0.04ですが、筋肉量も見ると右脚は10.23kg、左脚は10.09kgと140g分右脚が重たいのがわかります。

・右脚
筋肉量:10.23kg
ECW/TBW:0.374
・左脚
筋肉量:10.09kg
ECW/TBW:0.378

更にこのデータを元に解剖学的に考えると筋肉の重さには水分も含まれます。
そのため、左足の10.09kgの重さの中には水分が含まれます。そして左脚のほうが水分量が多い、すなわち軽く「むくんでいる」状態です。
そのむくみの水分が筋肉量の重さに含まれているので正確な筋肉量は10.09kgよりも小さくなります。

・右脚
筋肉量:10.23kg
・左脚
筋肉量:10.09kg→10.03kgくらい?
差が200gくらい?

200gとなると結構な差ですよね。写真はステーキ200gです。

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※コーンは重量には含まれません。

その原因は学生時代にした右足首(正確には腓骨)骨折と運動習慣(学生時代はサッカー部でGKでした。左足をほぼ使うことが少なく、右足ばかり使用していた)が考えられます。

過去にも計測は何度もしていますが、その時と比べると筋肉量の差はなくなりつつあります。(過去のデータでは500g!も差があったこともあります)

継続して検査をすることで状態を現在進行形で把握できるので一度だけではなく、定期的に検査をすることが重要です。

血圧・脈拍検査

次の検査は『血管』

血液内の構成要素ではなく、血管そのものの硬さやそれに付随する血圧・脈拍を調べます。循環器系の疾患のリスクを把握・軽減には不可欠な項目です。

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結果は超良好。Exultで検査されたクライアントの中でもトップクラスの血管の柔らかさだと言われました(やったね!)血管年齢だけで見たら20歳以下、ティーンエイジャーです。

画像の中央上の964、961の数値が血管の硬さです。

血管が硬い(柔軟性が低い)と血液中の成分が詰まりやすい、血圧が高くなりやすい、血管壁が傷つきやすいなど問題が起きます。
その結果、脳梗塞、心筋梗塞、腎疾患、動脈硬化症などの発症リスクが格段に上がります。

これもおそらく、エンデュランス系種目(トライアスロン、トレイルランニングなど)を10年近く行っているのと大きくは食生活が乱れていない(多少は乱れている)ので良好なのではと考えます。

長年の積み重ねが検査で露わにされますね。

心肺運動負荷試験(CPX)

最後は心肺機能をチェック。エンデュランス系種目をされている方なら特に確認すべき項目です。呼吸機能が高ければ高いほどパフォーマンスに繋がりますからね。

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写真のように検査用のマスクをしてエアロバイクを漕ぎます。
これまで検査したことなかったのでこれが楽しみでした。

ただ、楽しいだけではなく、限界まで漕ぐのでめちゃめちゃキツいです。
限界までやらないと結果が出ませんので。

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検査結果です。

全部解説は大変なのでエンデュランス系アスリートに関連するポイントだけを取り上げます。

・Peak Vo2(最高酸素摂取量) 検査値45.8(149%)
これ以上酸素を取り込めない状態。Vo2Max(最大酸素摂取量)と同義ですが、その時の精神状況や元々の身体的疾患によっては計測できないこともあるのでこちらを用います。「疲れたー」と主観でやめることもできるのでややデータとしては不安定なところも否めませんが十分現状把握には使える指標です。

有酸素能力=酸素をどれだけ多く取り込んで、使えるか

になるのでこれは大切。この数値が大きいとそれだけ酸素をしっかり取り込んで使えている、と言えますのでこの数値は高いと良いですね。
体重比か年齢平均比かは忘れちゃいましたが基準の1.5倍ほどの有酸素能力があるようです。これも日々のランニングの成果でしょうか。

・Peak HR(最高心拍数)検査値175(93%)
ご存知、心拍数は心臓の拍動数のこと。それの最高数値です。
結果を見ると基準値以下です。これは本来は188まで心拍数を上げることができるけども身体的精神的要因で175までしかできなかったであろう、と言う風に読み取れます。

Peak Vo2の割にここが弱いとなると考えられるのが

⑴全力(ゼーハーするくらい)で運動をあまりしていない
⑵胸郭(きょうかく)が硬くて呼吸機能が落ちている。(肺が膨らみづらい)
⑶メンタルが弱い、すぐ諦める

⑴普段、トレイルランニングをしていると坂を登ると心拍数は上がります。しかし、陸上のトラックを全力で走るのとは別物です。トレイルでの坂は安全のためにも適度に心拍数を抑えなくてはいけません。(オールアウトしたら滑落の危険性があります)
その癖がついているのか⑶のように事前にやめてしまう、と言うメンタルへの影響も出てきます。

また、⑵のように肺が膨らむためには胸郭が正しく動く必要があります。

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肋骨は背骨(胸椎)と胸骨と連結していますが、姿勢不良や運動習慣の隔たりなどで動きが悪くなり、結果として肺の膨らみを抑えてしまう可能性があります。

ランナーの場合、ラン動作の練習はたくさんするけど、胸郭を動かす(柔軟性を出す)エクササイズを怠ることが多々あります(自戒)。

なのでこういった

解剖学的理由で有酸素能力が落ちる可能性があります。

R(呼吸商:正式RQ)
体内で何の栄養素が燃焼されてエネルギーになっているかをチェックします。

最近、カーボローディングという言葉の代わりにファットアダプテーション、という言葉を聞くようになりました。
簡単にいうと糖質メインでのエネルギーよりも脂質メインでエネルギーを得ましょう、といったことです。

R(呼吸商)の数値目安
0.71:糖質0% 脂質100%
0.8 : 糖質33.4% 脂質66.6%
0.9 : 糖質67.5% 脂質32.5%
0.95 : 糖質84% 脂質16%
1.0 : 糖質 100% 脂質0%

上記の%が使用しているエネルギーの素、と考えてください(実際はタンパク質も代謝されると思いますがまだ勉強不足です)

検査結果で見る時はHR(心拍数)とAT(嫌気性代謝閾値)一緒にみるとわかりやすいです。この山本のデータを元に説明します。

山本の場合HR127の時にATになります。心拍数が127までは有酸素で運動できますよー、という指標です。そしてその時のRは0.98、すなわち心拍数127くらいの時にはほぼ糖質でのエネルギーを得ているということです。
なので心拍数が140を超える状態を続けていると糖質でのエネルギー代謝が必要なのでそれなりに糖質を食べないといけません。

これがトップのウルトラエンデュランス系アスリートになるともっと高い心拍数やスピードでも脂質でのエネルギー代謝が可能である方が多くなります。

脂質の方がエネルギーが大きいのでRの数値を0.7に近づけることは長距離アスリートにメリットがある

健康とスポーツのための感覚とデータ

上記のデータを日常生活に落とし込むとなると難しく感じるかと思います。
しかし、そのデータを解説しサポートするために専門家がいます。

やま施術院では体組成計など機器を置いておりませんが、Exultとの連携をしております。
健康データはExultで計測および栄養指導、そのデータを元に実際にカラダに触れる施術やトレーニング指導は当院で行う。

といった連携してクライアントの日常とスポーツをサポートしています。

感覚と医学的根拠(エビデンス)の融合がこれからの健康には大切です。

東洋医学と西洋医学を合わせた統合医療が主流となる医療の流れに似ていますね。

ぜひ、検査を受けられたい方・ご興味ある方は当院にご連絡ください。

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やま施術院 山本将也

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