組織の構成と性質から見る身体と解剖学①

今回は解剖学の話。僕のような医療従事者だけでなくてもスポーツや運動をしている方も知っておくと何かと便利だと思います。

解剖学(解剖生理学)って難しそうに思われますが意外とそうでもなく、イメージさえできれば構造はシンプルなのでわかりやすいです。
一回知っておけば人間の構造が変わらない限り(例:腕が3本になる、4足歩行が主とした移動手段)普遍的に使える知識なので便利です。

走り書きのような感じになるのでわかりづらい場合は当院に来てください(突然の宣伝広告)。

まず、筋肉のイメージは『ゴム』です。
そして、骨は『木の棒』。
関節は骨と骨をつなぐ『蝶番』。

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筋肉というゴムが伸び縮みすることで関節という蝶番が動き、結果両方の木の棒(骨)が動く。それだけです。

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もう、これだけ知ってれば大丈夫です。身体はこの関節がいくつもあり複合的に動く。というだけ。部位によっては2つ以上の関節を跨ぐ筋肉(多関節筋)があるので少しややこしくなりますが基本は同じ。

筋肉というゴムの伸び縮みで身体は動く

で、普通筋肉や関節を包む袋(関節包)や靭帯もそれぞれ伸張性は違いますが伸び縮みしますし、血液も供給されています。

○伸長度合い
筋肉>関節包>靭帯、の順に伸びやすい

血液が流れているので傷つく(肉離れ、靭帯が切れたなど)ことがあっても回復するんですね。

で、重要なのが血液供給が止まったらどうなる?という点。
栄養と酸素を運んでくれる血液がなくなると上記組織は「拘縮」します。(硬くなる、ということです)
筋肉も関節包も靭帯も軟部組織と言われるものたちは硬くなります。

するとどうなるか?

軟部組織が硬くなると・・・
・柔軟性がなくなる(身体が硬くなる)
・筋肉にコリができる(痛みの原因)

わかりやすいところでこの2点。この2点の影響で怪我のリスクが増したり、生活やスポーツの質が下がるといったものがあります。
痛みが出る→痛くて良い姿勢が取れない→さらに身体への負担が増す→ストレスになる→病気になる、と悪循環のスタートです。

いきなり痛みを取る・ストレスをなくす、と言ってもまあ難しい話なんですよ。
心理療法だけで済めば楽な話なんですがそうはいかない。

この悪循環を知っていて尚且つ、メンタルへのアプローチだけでは解決に時間がかかるので『身体を動かすこと』を強く勧めているわけです。
ただ漠然と「運動しよう!」と筋肉バカ的発言をしている訳ではありません。

先程載せた

○伸長度合い
筋肉>関節包>靭帯、の順に伸びやすい

ですが、この伸びやすい順に影響が出るのでとにかく筋肉を伸ばすことを続ければ、関節包の拘縮・癒着もなくなるし、靭帯も正しい位置になりやすい。結果良い姿勢(無駄な負担の少ない姿勢)に繋がるので疲労も取れやすいし血流が良くなることで精神的な影響も期待できる(実際、運動頻度の高い方の方がストレスが少ないという結果も出てます)。

精神の問題は身体で解決し、身体の問題は精神(頭、正しい医療情報や知識)で解決する。

心身二元論を過去に唱えた哲学者が過去にいましたが、まあダメですね笑
自らのカラダ全体と社会環境など全て含めて結果がカラダに現れてくるので全部をそれなりにコントロールしていくのが重要。
と、言っても社会を変革するのは難しいのでまずは自分自身のカラダから変えることをお勧めします。

腕立て伏せやランニングなど肉体鍛錬は誰にも邪魔されることのない一人一人の権利と自由ですので。

パワー!!

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