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薬店で手に入る漢方薬についてまとめてみた ⑶小青龍湯

初めましての方もそうでない方もこんにちは。

やま施術院代表の山本と申します。

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前回からの続きです。

※注意点に関してはリンクの初回の記事をお読みください。

小青龍湯

⑴葛根湯(カッコントウ)⑵麻黄湯(マオウトウ)に比べると一般にはややマイナーかも知れませんがちゃんと薬店でも販売されています。

◯小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
日局ハンゲ 3.0g
日局カンキョウ 1.5g
日局カンゾウ 1.5g
日局ケイヒ 1.5g
日局ゴミシ 1.5g
日局サイシン 1.5g
日局シャクヤク 1.5g
日局マオウ 1.5g

⑴⑵で解説している生薬を除いて書きますね。

◯半夏(ハンゲ)

サトイモ科カラスビシャクの塊茎
吐き気・嘔吐・咳・不眠への効能

小青竜湯には半夏(ハンゲ)が一番多く含まれているのもあってパッケージにも鼻水が多く出る風邪やアレルギー性鼻炎・気管支疾患に用いられます。

鼻症状をメインとするとターゲットとして考えられるのが「太陰肺経」「陽明大腸経」「陽明胃経」「太陰脾経」の問題になります。

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詳しくは割愛しますが、陽明経(大腸・胃)はどちらも鼻まで繋がっているためこの経絡が病む(調子が悪くなる)と鼻水や鼻詰まりなどの症状が出ます。

合わせてその表裏(陰陽)で関係する肺経・脾経にも問題があることが多いです。(正しくは「臓」であるこの2つの問題が初めにあって「腑(ふ)」に波及します。臓腑の関係です。)

半夏の効能的にも風邪や鼻炎の中でもこれらの経絡が病んでいる場合に特に本領を発揮しそうです。

半夏は太陰経・陽明経へのアプローチ

風邪のといってもその原因に関してはバラバラ、と言うのが東洋医学的な考え方です。そこの鑑別は自分では難しいと思いますのでぜひ当院も含めて専門家を訪ねてください(こそっと宣伝)

◯五味子(ゴミシ)

マツブサ科チョウセンゴミシの果実
止咳・止渇・止瀉(下痢止め)・固精

イメージ的には渇きを止めて水分を体内の留める役割です。
人間のカラダは乾く(渇く)と問題が起きることが多々あります。擦り傷でも消毒して乾燥させることよりも以下に湿潤させた状態をキープするかが大事です。(傷パワーパッドの回復が早く傷跡が綺麗なのは湿度を保っているから)

五味子(ゴミシ)は体内の水分排出を抑えることで結果としてカラダを潤すことをサポートする、と考えられます。それで咳止めなんですね。

カラダに潤いは必要

◯細辛(サイシン)

ウマノスズクサ科ウスバサイシン・ケイリンサイシンの根及び根茎
胸部、横隔膜のあたりに病邪のとどまっているもの、水毒(水分の偏在)を治す。
解表、止咳、止痛、温裏

補足:解表について
表裏の関係、といろいろな物事の対照として例えられますが、人間のカラダも一緒です。表とは肌がある表面のことです。その辺りに邪気(病気の元のようなもの)があることです。(表証)
裏証と比べて改善も早いのが一般的です。
その表にある邪気を取り除くことを解表と言います。

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補足:温裏について
表に邪気があるうちに治れば良いのですが、そのままカラダの中に入ってきてしまうことがあります。それを裏証(りしょう)と呼びます。
一般的に問題が複雑化しているものは裏証です。
で、寒邪が裏まで入ってきてしまうとカラダは冷えてしまいます。それを温めることで回復を早めるのが温裏(裏を温める)と言います。
イメージ的には温かい飲み物を飲んで体の中からポッカポカ、のような感じです。

細辛(サイシン)の文字通り、辛味があるので体の中を温め、発汗を促します。
汗とともに邪気を追い払おう、ってことですね。

まとめ

葛根湯が風邪症状の中でも胃腸系のダメージが大きい方に合いやすく、麻黄湯はより症状が強い風邪(ウイルス性のもの?)に適応、そして今回の小青竜湯は鼻風邪に適応しそうですね。

葛根湯・・・風邪のひき始め、胃腸系の風邪
麻黄湯・・・ひど目の風邪、ウイルス性の疾患
小青竜湯・・・鼻風邪や鼻炎など鼻症状が強いもの
※分類はテキトーです。

病状やその大元となる証(原因)によって使い分けをすると良さそうですね。

かなりざっくり目な分類ですがぜひご参考まで。


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やま施術院 山本将也

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