見出し画像

飲み屋で話せる相対性理論の話

初めに

(約3,000文字 読むのに約4分+考える時間)

先に言っておきたいのだが、私はド文系だ。molが出てきた瞬間化学をあきらめ、物理は最初から最後までさっぱり分からなかった。数学は三角関数と幾何は大嫌いだった。そんな私が何故相対性理論について調べて書こうと思ったのかというと、飲み屋で相対性理論について話せたら賢く見られるのではないかというただの下心である。
今から私が書くことは飲み屋で話せる、酔っ払いでもなんとなく分かるレベルの話なので、細かいところは突っ込まないでほしい。ただ根本的に間違っている点があればご指摘ください。

概要

ご存じのように相対性理論はアインシュタインが考えたものだ。アインシュタインといえばあの舌を出した写真が有名であるが、それは彼が72歳の時に撮られたものだそうだ。特殊相対性理論を発表したのは彼が26歳の時なので、写真よりもずっと若い時の話である。
相対性理論は「特殊相対性理論」と「一般相対性理論」と大きく2つあって、よく話題にされるのは「特殊相対性理論」のほうだ。「一般相対性理論」は「特殊相対性理論」に重力とかのお話を加えて拡張したものだそうだが、こちらも書くとかなりの分量になるので今回は取り扱わない。
今回ここで書くのは飲み屋でできる話なので、以下の4つだけを超かいつまんで書いていく。

①光の速さは不変
②光速に近づくと時間の進みが遅くなる
③光速に近づくと空間は縮む
④E=mc²

①光の速さは不変


光の速さは毎秒約30万㎞で、1秒間に地球を約7週半するそうだ。厳密に言うと毎秒297,792.458㎞になる。
なんでそんな中途半端な数字になるのかというと先に1メートルがあったのだ。各国で違う単位を使うのはいろいろと問題があるので世界で単位を統一しようという動きが17世紀にあり、その時メートルが提唱された。北極から赤道まで測ってそれを1千万メートルにしようというのが始まりだったのだが、いろいろな問題や技術の進歩があり1メートルを定義するのに光の速さを使おうとなったので、そのような中途半端な数字になっているそうだ。
話がずれたが、この光の速さは不変で、止まっている人から見ても、動いている人から見ても光の速さは秒速30万㎞だそうだ。
ここが腑に落ちない。電車に乗っていて、並走する電車とスピードが同じになれば止まって見えるような現象を体験したこともあるだろう。時速4㎞で歩くお兄さんの30分後に出発した時速12㎞で自転車で走る弟は、12引く4をしてよかったはずだ。
でも光の速さは誰が観測しても秒速30万㎞らしい。時速4㎞ で歩いてようが、時速12㎞で自転車で走ってようが、電車に乗っていようが、止まっていようが、光速は秒速30万㎞で変わらないとのことだ。秒速20万㎞で走っている人からみても光は光速で動いているそうだ。
なんとも腑に落ちない話だが、しかし今現在の技術で実験できるところではこの事実は確からしく、理論的にもこうしておくといろいろと整合性が取れるので、今のところこれが正しいとされている。だからこれはこういうものだと現代に生きる我々は受け入れるしかないのだ。
これから先技術が発展し、より高い精度で観測できるようになると誤差が発生するかもしれないし、超天才が現れてこの理論を覆すかもしれない。ただそれは今言ってもしょうがないことなので話を先に進める。

②光速に近づくと時間の進みが遅くなる

なんとなく腑に落ちないが光の速さは一定であると受け入れたところで、相対性理論で一番有名な話である、光速に近づくと時間の進みが遅くなるというあの話だ。

例えば上のような図を考えてみてほしい。箱の中に下から光速でボールを打ち出し1秒後に天井につく装置を作ったとする。箱の外に観測者A、箱の中に観測者Bがいたとする。普通にボールを打ち出した場合は観測者AもBも1秒後にボールが天井につくのを確認できるだろう。
この箱を右に動かしながらボールを打ち出したとする。観測者Bにとっては1秒後に天井につく現象は全く変わらない。1秒後にボールが天井に着くのは観測者Aにも見えている。しかし観測者Aにとってはボールが黄色い線のように斜めに動いたように見える。明らかに青の矢印よりも長い距離を進んでいる。だが上にも書いたように光の速さは不変である。であれば観測者Aの1秒と観測者Bの1秒が違うと考えないと説明がつかなくなる。
一度整理してみよう。観測者Bにとってはボールが光の速度で青の矢印分1秒間に進んだ。観測者Aにとってはボールが光の速度で青の矢印より明らかに長い黄色の矢印分1秒間に進んだ。光の速度は誰にとっても一定である。距離=速さ×時間は習ったはずだ。今回は速さはどちらも同じ光速なのに、距離は変わっている。となると時間のほうが変わっている。つまりAの1秒とBの1秒は違う。AにとってはBの時間は遅く進んでいるように見えるはずだ。
頭では理解できる。でも腑に落ちない。私もそう思う。時間は絶対に誰にも等しく流れるものだと思っていたはずだ。でもそうではなくて時間は相対的なものである、というのが相対性理論なのだ。
実生活で体験することのない世界の話だからなかなか感覚では分からない。そもそもよく考えるとこの実験装置の高さは光の速さで1秒で到達できる距離なので30万㎞あるのだ。そんな装置現実世界では作れない。移動距離だって測ってないが20万㎞くらいあるのではないか。そこまでするとやっとここまで分かりやすく目に見えるような差が出てくるのである。
現実的な話をすると、飛行機に時計を乗せて世界一周すると59ナノ秒遅れるという結果が出たそうだ。ナノは10のマイナス9乗らしいので日常生活では無視できる範囲だろう。

③光速に近づくと空間は縮む

もうこの辺で飲み屋で話すには飽きてきたはずだ。アルコールに浸った脳みそには、いや浸ってなくても理解するのが難しい。そもそも文系にはイメージできないものを理解するのは難しいのだ。なのでざっくりいくが、先ほども書いたが距離=速さx時間は習ったはずだ。光の速度は一定、時間は短くなる、とすると距離は短くなるはずだ。

④E=mc²

なんとなく見たことある式だろう。質量とエネルギーの等価性を表す式らしい。なんのこっちゃだが、要は小さな物質でもとんでもないエネルギーを持っていることを示すそうだ。Eはエネルギー、mが質量、Cは光速度を表す。飲み屋の小話としては1グラムの1円玉を100%エネルギーに変えることができるのであれば90兆ジュールになるそうだ。広島に落とされた原爆が約60~70兆ジュールらしいので、なんとなくものすごいエネルギーだというのは分かっていただけるかと思う。1円玉が6枚あれば東京ドーム一杯の0度の水を100度に沸騰させることができるらしい。もしそんなことが可能であるなら世界のエネルギー問題は瞬時に解決できるのだが。

最後に

飲み屋で話せるレベルまでに落とし込もうという試みで書いたので、冒頭にも書いたが細かいところへの突っ込みはご勘弁いただきたい。ただ根本的に間違っている点があればご指摘お願いします。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?