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物語と作業療法 part4

私と師匠OTとの違いは
科学的説明か、物語的説明にあったのだと思う。
科学的に説明によって、一般的・普遍的なものは一定の理解は得られるが、それは対象となっている子どもの話とは異なる。「個」の話ではないがゆえに、理解はされるが、物足りなさが残るということである。

では、師匠OTはどのように話しているのか?
物語というのは、「個」に対する話である。
物語は世界であり、世界は言葉で作られ、言葉はその人だけが経験し持ち得ているものである。
つまり、物語を伝える時、一番重要になってくることは「代弁力」であると考えた。
子どもが体験している世界をいかに代弁するか?
子どもの物語をどれだけリアリティを持って伝えることができるか?
生々しくも愛らしさを持った物語を伝えられた時、人は深い納得感と愛おしさを感じるのではないか?

今まで療法士らしく
ニーズ→評価→解釈と統合→プラン
と考え話していただが、
これはあくまで、外側から見た話でしかなかった。
それは、子どもの世界やあるいは先生やその他の支援者が子どもとの交流を通して生まれた世界を説明するものではなかったのだ。

つまり
評価とは、単なる事実集め(この場合はビデオに映る行為や検査で得られる数値)を求められるのではなく
「言語化力」(眼に見える事実をいかに多面的な言葉で捉えられるか?)を求められるものであり、

解釈とは、外側からの視点で、その人を説明するのではなく
その人の内側に入り、経験している世界を他者が理解できる形にすること、
「代弁力」が求められるものであり

プランとは、科学的に効果が認めらるアプローチを当てはめるのではなく、
子どもや先生が経験している世界が変わっていくもの
「描き変え力」が求めらるものであったのだ。

いま、私に必要なものは、今まで積み上げてきた科学性を物語性に変換することであり、
それに重要なのは
①「言語化力」・・・「他の言葉で表現するとしたら?」
②「代弁力」 ・・・「その子からのぞいた世界と経験は?」
③「描き変え力」・・「子どもと先生の経験を変えるには?」

これらの力、これらの問いかけに答えれる哲学・知識・技術を磨いていくことなのではないかと思う。

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